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XPSでカーブフィッティングをする際に悩んでいることがあります。例えば試料中にCo2+とCo3+が含まれていると考えて、Co 2p3/2をフィッティングする場合、この二つのピークの半値幅は一定にするべきなのでしょうか?よろしくお願いします。あと、XPSスペクトルと半値幅について書かれている書籍があれば紹介してください。

A 回答 (1件)

XPS経験者(20年前)です。



手持ちの書籍[1]によると、Co 2p1/2と2p3/2の束縛エネルギーはそれぞれ794eVと779eVなので、充分分離できているわけですね。ケミカルシフトの半値幅はどういう化合物を作っているかで違います。書籍[1]ではMn 3sと3pの例が出ていますが、MnF2で3.2eV(3s)/2.1eV(3p)、MnOで3.5eV(3s)/2.8eV(3p)、MnO2で3.9eV(3s)/2.6eV(3p)と、結合状態によってかなり異なるようです。

Co化合物の場合、文献[2]にスペクトル分解した例があります(有料サイトなのでどういう内容か分かりません)。大学で有料のonline journalを利用できるのなら、そちらで具体的な化合物のXPSスペクトルの解析例を検索されてはいかがでしょうか? 私の勤務先からなら、著名なJournal誌(Phys.Rev., J. Vac. Sci.Technolなど)の論文を閲覧できますが、今は自宅からなのできません。どういう化合物か教えて頂ければ探してみましょうか?もちろん、見つかったとしてもPDFファイルなど添付できないので、著者名とタイトルと雑誌名とぺージのみの提供となりますが。

[1] 染野檀・安盛岩雄「表面分析」(講談社サイエンティフィク、1979)
[2] J. Stoch, A. Capecki,"Decomposition of 2p3/2 bands in XPS spectra of Fe, Co and Ni compounds", Surface and Interface Analysis, Vol. 15. Issue 3, pp.206-210(2004). http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstr …
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