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 タイトルの通り、違いが分かりません。
辞書数冊を調べてみたところ、

茫然(1)とりとめのないさま
   (2)気が抜けてぼんやりするさま=呆然 「茫然自失」

呆然 驚き呆れる様子。  

と、どの辞書でもほぼ同じことが書いてあったんですが、茫然の二つ目の意味が呆然と同じなら、呆然自失でもいいのでは?と釈然としません。

 茫然の2つめの意味が厳密にイコールでないならば、呆れる意味を含まないので「茫然自失」となる、と理解できるのですが、ある辞書には「茫然自失」に呆れるという意味を含んでいると記述されていていました。
また、ある辞書には「茫然には呆れるという意味はない」と書かれていました。それだとイコールではないですよね。自分はイコールでないほうが納得できるのですが、どうなのでしょうか?
どなたか詳しい方、回答お願いします。

A 回答 (4件)

 対照のため、角川「漢和中辞典」から少し下に抜粋してみました。



【茫然】ぼう(バウ)ぜん:(1)遠く広いさま。「凌万頃之茫然」(蘇軾・赤壁賦)(2)ぼうっとしてとりとめのないさま。(3)気抜けしてぼんやりしているさま。「王妃茫然退立、若有所思」(陳鴻・長恨歌伝)
【茫然自失】ぼう(バウ)ぜんじしつ:ぼんやりとして気抜けするさま。(同)呆然自失

【惘然】ぼう(バウ)ぜん:がっかりして、ぼんやりするさま。「惘然自失」

【呆然】ぼうぜん:あっけにとられるさま。あきれるさま。

【爽然】そう(サウ)ぜん:(1)ぼんやりとしたさま。失意のさま。(2)さわやかなさま。
【自失】じしつ:ぼんやりする。気がぬける。「爽然自失矣」(史記・賈誼伝)

 この様にみると、中国出典があきらかな「爽然自失」を別格として、爽然の片意味(さわやかさ)を避けて「若有所思」の意味をはっきりさせた「茫然自失」、がっかり故の「惘然自失」はすべて旧字では「バウゼン」ですが、「ボウゼン」も同音とみればあっけにとられた「呆然自失」も使われ得るということでしょうか。ただしすべて、理由の如何はそれぞれながら、ぼんやりする意味において「自失」と異語同意による強調であるとみるならば、旧字では「ホウ(ハウ)・ボウ」読みで、国訓「あきれる。事の意外なのに驚く」という意味での「呆然」+「自失」は、ほかの熟語とはその意味にやや差異を覚えます。

 その点、例えば漱石などは、さすがは…ですね。
「前を望み後を顧みてある聯絡を発見せんとすれば、呆然として自失するの外なし」http://www1.gifu-u.ac.jp/~masaru/soseki/shandy.htm
「覚めて後冷汗背に洽(あまね)く、茫然自失する事あるものなり」http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/767_1 …
「代助は惘然(もうぜん)として黒内障(そこひ)に罹(かゝ)つた人の如くに自失した。」http://blog.dtpwiki.jp/stray_sheep/2006/02/98_f7 …
 
 
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
夏目漱石ってすごいですね。微妙な違いを截然と使い分けていて。使用例としては漱石のが一番納得できます。
 呆然自失は解釈によってありえなくもないので、辞書によってはそう記述しているってことでしょうか?
なんだか、業界統一基準でも設けて欲しいものです(笑)。

お礼日時:2007/03/05 08:19

中国語では、呆然は茫然、渺茫、呆呆地と同義です。



>茫然の二つ目の意味が呆然と同じなら、呆然自失でもいいのでは?
それは意味的に正しい解釈です。本家中国での呆の字にはあきれる
という意味はありませんから。しかし、日本語としての慣用句では
「茫然」を使うということでしょう。同じことをいうのに日中でち
がう漢字を使うという例は他にもあることです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
中国語で同義でも、日本語ではどうなんでしょうか?
日本でも「茫然」に呆れるという意味を含むかどうか辞書によって微妙に捉え方が違うので混乱してしまいます。

お礼日時:2007/03/03 14:20

「茫然」に“あきれる”という意味はありません。


「=呆然」とするのは間違いです。
「茫然自失」は“あきれる”という意味を含みません。
したがって「呆然自失」という言葉はあり得ません。
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この回答へのお礼

自分もそう思ったんですが、
「イコール呆然」と書いてある辞書が結構あったので釈然としないんです。

旺文社国語辞典・広辞苑・明鏡国語辞典には、「茫然」の2つ目の意味としてイコールになってました。

三省堂国語辞典には、「茫然」に呆れるという記述やイコール関係はありませんでした。

また、学研の現代標準国語辞典には「茫然」に呆れるという記述はなく、「呆然」と区別してあるんですが、例として「呆然自失」となっていました。
それから「茫然自失」に呆れるという記述があったのは学研の四字熟語辞典です。

お礼日時:2007/03/03 14:16

「呆然」というのは、おそらく和製漢熟語でしょう。

「呆れる」は、もちろん和語ですし、漢字のもともとの意味にもない当て字だと思われます。
一方、「茫然自失」は、列子に出てくる由緒正しい故事成語です。したがって、「呆然自失」という字にかえたりたり、「呆れる」という意味を含めたり、ということはないと思います。
(ただし、文語の「呆(あき)る」には、軽蔑の情はこめられておらず、単に「あまりのことに途方にくれる」というような意味だったようです。)

ある辞書に「『茫然自失』に呆れるという意味を含んでいると記述されていてい」るのは、本来的なものではなく、現代での用いられかたをいっているのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
正確には「茫然自失」に呆れるという意味がないのでしたら
意味の上からも、呆然自失では誤りってことになりますね。

 ただ、「茫然」の語義に=呆然と書いてある辞書がかなりあったので、それだと「茫然」自体に呆れるという意味が含まれることになっちゃいますよね。イコールではなく、呆れるという意味を含まない点以外はほぼ同じと書かれているのならば納得できるんですが。

お礼日時:2007/03/03 13:59

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