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 「蓋然性」は、「可能性」に置き換えても、
ニュアンスは変われど意味内容は変わらないと思います。
「蓋然性」の効果的な使い方がありましたら、
ご存じの方、よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

「蓋然性」と「可能性」とを混同してはいかん、という文章がありました。


http://www.jas21.com/athenaeum/athenaeum60.htm

上記のページから、ついでに使用例を作ってみると、

 日米両国が再び戦火を交える可能性はあるが、蓋然性は低い。

英単語を用いると、日米戦争の possibility は存在するが、probability は低い、と書き換えることができると思います。

 明日にも日本の国が崩壊するという可能性はあるが、蓋然性はない。

あるいは、

 北朝鮮が自国の軍を解体してしまうという可能性はあっても、蓋然性はない。

この例文の場合、「絶対にあり得ない」ということはあり得ないのだから、可能性としては在る。けれど、ある事象が生起する確率ということにポイントを置けば、蓋然性は低い、という言い方になる。

なお、No.1 の回答を示された方の例は、非常にうまく作られたものだと思います。
見事に区別しておられる。
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(1) 「蓋然性」には3つの意味がある



手代木陽・神戸市立工専教授による解説
http://www.kobe-kosen.ac.jp/kyoudou/seeds/pdf/G/ …

a. 古来「蓋然性」は不十分な根拠に基づく「臆見」の性質を意味した(「臆見」とは「推測に基づいた考え、見方」)。
b. パスカルがこの概念を数学における「確率」として見出して以来、自然科学や社会科学の方法論上重要な概念となった。
c. この概念はライプニッツによって「可能性の程度」と解釈された。

また、小学館『類語例解辞典』には次の記述があります。
(引用開始)
「蓋然性」は、本来、哲学用語で、可能性の程度、確からしさをいう。文章語。
(引用終り)

つまり、「蓋然性」は、「可能性の程度」の意味で哲学用語にとどまらず文章語として用いられます。その際、「蓋然性が高い/低い」とは、「可能性が高い/低い」という意味になります。

(2) 英語では possible と probable は区別される

これは、高校生が持つような辞書にも次の通り載っていて、常識的らしいです。
「少しでも可能性があるというpossibleと,高い蓋然性があるというprobableは英語でははっきり区別される:'possible but not probable'『絶対ないとは言えないが,まずありそうもない』.」
「可能性・蓋然性の度合いはdoubtful, possible, likely, probable, certainの順に強くなる.」

このように、間に likely がはさまるくらいですから、possible と probable には差があります。

(3) possibility と probability ははっきり区別されるか

辞書の用例を見ますと、この二語の「(物事が)起こり得る度合い」は交錯しているようです。possibility は理論的な可能性、probability は現実的な可能性とも言われるものの、度合いの高い低いで二語を区別することは出来ません。(2)の「はっきり区別される」は形容詞の話で、名詞になると話は変わってくるということでしょう。日本語でも、「確からしい」は80、90パーセント以上の感じですが、「確からしさ」は0パーセントから100パーセントまでありますね。

(用例)
good [strong] possibility  かなりの[高い]可能性(high possibilityとはいわない)
a strong [a high] probability  大きな[高い]蓋然性
An economic recession is a clear possibility.  景気後退はかなりありうることだ.
There is no [little, not much] probability of his succeeding [=that he will succeed].  彼が成功する見込みはまったく[ほとんど,大して]ない.

また、次のサイトによると、「可能性」には「低い可能性」、「蓋然性」には「高い可能性」のニュアンスがあるが、二語とも「可能性一般」の意味とも解釈し得ることが分かります。

刑法/38条/故意の概念、及び、未必の故意の一義でない多義性など(司法試験受験生による学習サイト)
http://www12.ocn.ne.jp/~s-k/tango/keihou38.mihit …

(4) 区別できる文脈で用いれば区別できる

たとえば、次のサイトをご覧ください。

マガジン9条『伊藤真のけんぽう手習い塾』
http://www.magazine9.jp/juku/010/index.html
(引用開始)
現実的に考えるとは、まず、本当にこれらの国が、日本が何もしていないのに攻撃してくる蓋然性があるかどうかです。もちろん、可能性はゼロではありません。しかし、可能性というのであれば、アメリカだって日本に攻撃をしかけてくる可能性はゼロではありません。
(引用終り)

また、夏目漱石は「私はこの教壇で逆立ちをする可能性はあるが蓋然性はない。」と言ったそうです。ネットからの孫引きで、出典は確認していませんが。これは、(1)a.の意味だと考えれば正しい用法です。「教壇で実際に逆立ちするだろうと推測する根拠はない」というようなことでしょう。一方、(3)の用例の「彼が成功する見込みはまったくない.」は、(推測上の)見込みは全くなくても、可能性は全くゼロではないかも知れません。このように、確からしさの「量」というより「質」で、二語を使い分けできることもあるようです。

(5) 唐突に用いると区別しにくい文脈もある

漱石は「可能性」と「蓋然性」とを対比させて用いたから上手いのであり、これを「私がこの教壇で逆立ちをする蓋然性はゼロである。」だけにすると、(1)c.の意味に受け取られて「本当にゼロですか?」と問いただされる恐れもあります。
むしろ、唐突に用いるときは、学術用語として(1)b.の「確率」の意味で使うという手もあるかも知れません。
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蓋然性は問題となっている主題において、一つの状態がほかの状態へ変化する選択肢が単一ですが、可能性の方は多数あるように思います。

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首が胴体から離れていれば、その人が死んでいる蓋然性は高い。

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