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「見える」と「見られる(見れる)」、「聞こえる」と「聞ける」はどう違いますか。

A 回答 (6件)

「見える」「聞こえる」は色々な意味がありますが、ご質問の用法(推測)としては、


 (1) 目に・耳に入ってくる。(意思や能力と関係なく生理的現象として)
 (2) 見る・聞くことができる。(可能形)
 (3) 見る・聞くに値する。
があると思います。(その区別は文脈依存ということで)

「見られる」「聞ける」は、(2)(3)と同じ意味でも用いられますが、(1)の用法はないでしょう。
また、「見られる」は受身形・尊敬形の用法があります。「聞ける」はどちらもありません(たぶん)。
「見れる」は、「聞ける」や「読める」からの類推で生まれた可能形の新しい用法、いわゆるラ抜き言葉ですね。


ということで、『広辞苑』『大辞林』『大辞泉』を改めて引いて見ると…

「見える」と「聞こえる」は、いずれもほぼ同じ語釈です。
「聞ける」については、いずれも中世~近世の古い用法「聞かせる」しかありません。「聞くことができる」「聞くに値する」は、ごく新しい用法ということでしょうか。

「見られる」が採録されているのは『大辞林』だけで、『広辞苑』『大辞泉』にはありません。また、ラ抜きの「見れる」は『大辞林』と『大辞泉』には載っていますが、『広辞苑』にはありません。ラ抜き言葉に対する編者の姿勢の違いでしょうか。
(個人的には、口頭語で尊敬形と区別するために可能形のラ抜きを使うときもありますが、文章語での使用はまだ違和感が拭いきれません)

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参考までに、『広辞苑』『大辞林』『大辞泉』の語釈を挙げておきます。

―――『広辞苑』―――――――――――
きこ・える 【聞える】《自下一》 [文] きこ・ゆ(自下二)
 (聞カユの転) 音・匂い・言葉などが自然に他の感覚に通じる意。
 (1) 聴覚に感じられる。音声が自然に耳にはいる。
 (2) 聞く事の内容がそのように理解される。受けとられる。
 (3) 噂にのぼる。世に知れわたる。評判になる。
 (4) 聞きとれる。相手の言う一語一語がわかる。
 (5) 嗅覚に感じる。かおる。におう。
き・ける 【聞ける】《他下一》
 聞かせる。
―――――――
み・える 【見える】《自下一》 [文] み・ゆ(自下二)
 (動詞ミ(見)に自発の助動詞ユが付いた語)
 (1) 自然に目にうつる。目に入る。
 (2) 見る能力がある。
 (3) (他から) 見られる。
 (4) (他の人に見られる意から) 見せる。
 (5) (見られる意から) 妻となる。
 (6) 会う。
 (7) 「来る」の尊敬語。
 (8) 見受けられる。思われる。
 (9) 見て、わかる。見てとれる。
みられる 【見られる】
 …見出し語になし
みれる 【見れる】
 …見出し語になし
―――――――――――――――――――

―――『大辞林』―――――――――――
きこ・える 【聞(こ)える】
 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%CA%B9 …
き・ける 【聞ける】
 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%CA%B9 …
―――――――
み・える 【見える】
 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B8%AB …
みられる 【見られる】
 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B8%AB …
み・れる 【見れる】
 http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B8%AB …
―――――――――――――――――――

―――『大辞泉』―――――――――――
きこ・える【聞(こ)える】
 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%8 …
き・ける 【聞ける】
 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%8 …
―――――――
み・える【見える】
 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%A …
みられる 【見られる】
 …見出し語になし
み・れる 【見れる】
 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%A …
―――――――――――――――――――

「目が見える」「耳が聞こえる」と言う言い方は、変といえば変な表現ですね。

この回答への補足

 『お礼を兼ねて、皆様へ』
参照された三つの辞書は、いずれも「古語・現代語」を併せて扱っていますが、出来れば現代語の話題として御意見を伺いたいのです。
 ご推測のとおり、「目が見える」「耳が聞こえる」と「事物が見られる」「音が聞ける」との関係を知りたいのが本音です。
「大辞林」の「聞こえる」の説明に「耳が聞こえなくなる」が例として挙げられていますから、それほど間違った使い方とは思えないのです。それに「事物が見られる」「音が聞ける」は「可能」ですから、「事物が」「音が」を「見られる」「聞ける」という動作の対象として、「事物を」「音を」に置き換える事が出来るのですね。

補足日時:2007/05/10 16:21
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No.4です。

早速のお返事を有難うございます。補足質問にお答えします。

ご質問1:(1)見える
<「見ゆ」には上代の助動詞「ゆ」(この場合は「自発」)が含まれていたので、変化の過程における「見ゆる」は「見ゆ」の連体形ではないでしょうか。「聞こゆる」も「聞こゆ」の連体形と思います。>

回答:
おっしゃる通り「見ゆる」は「見ゆ」の、「聞こゆる」は「聞こゆ」の連体形です。うっかりしておりました。大変失礼しました。

ご質問2:(2)見れる
<普通は「られる」という助動詞がつくところですが、「れる」を付け、五段動詞の「可能動詞」に模したものと思いますが。>

回答:
ここは五段動詞の「可能動詞」にはなりません。ちなみに五段動詞って何のことですか?

ここは、No.4で回答したように
「上一段の他動詞「見る」の未然形に+「可能」の助動詞「れる」が接続したもので、「見ることができる」という可能の意味になります。」
(助動詞「る」→「れる」に訂正して下さい)

「聞ける」も同様の説明になります。


ご質問3:テレビが見れる
< 逆に、「テレビをみれる」と同じように「対象」を表すと考える方がいいと思います。>

回答:
おっしゃる通り、それが正しい日本語の使い方です。ただ、「テレビが見れる」「テレビが好き」という、目的語に「が」をつける話法も話言葉として定着しているので、例文として使いました。「ラジオが聞ける」も同様です。

以上ご参考になれば。
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この回答へのお礼

補足へのご回答、ありがとうございます。
「五段動詞」というような使い方は、このようなケースでは用いるべきではありませんでした。「五段活用の動詞」のつもりです。
 「見れる」については、このような形が一般的に認められていないので、日本語教育関係の人がよく使う「五段活用動詞に『可能動詞』があるなら、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用の動詞にも『可能動詞』があってもいいという主張」を採用して、そう呼んだわけです。「受身」「尊敬」「自発」の場合は「見れる」という人はいませんから、やむを得ず「可能動詞」として区別したのです。

お礼日時:2007/05/12 09:53

>>>


「目が見える」「耳が聞こえる」と「事物が見られる」「音が聞ける」との関係を知りたいのが本音です。
「大辞林」の「聞こえる」の説明に「耳が聞こえなくなる」が例として挙げられていますから、それほど間違った使い方とは思えないのです。それに「事物が見られる」「音が聞ける」は「可能」ですから、「事物が」「音が」を「見られる」「聞ける」という動作の対象として、「事物を」「音を」に置き換える事が出来るのですね。


はい。そのとおりです。
ただし、「それほど間違った使い方ではない」ではなく、「全く正しい」です。


これは動詞の問題ではなく、助詞の「が」の問題になります。

つい最近、こういう質問がありました。
私も正解を回答しましたが、ポイントはもらえませんでした。(笑)
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2978185.html
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はじめまして。



1.「見える」「見れる」「見られる」の違い

(1)見える:
1)下一段活用の自動詞で目的語をとりません。もともと自動詞「見ゆ」+自発の助動詞「る」が接続して「見ゆる」となり、それが「見える」に変化したもので、自分の意志とは関係なく目に映ることをいいます。「(主語)が見える」という使い方をします。

2)意味は次の通り
a)視界内にあるものの刺激で、目に感じられる。目にうつる。例:
「山が見える」「ありありと見える」

b)見ることができる。視覚が働く。例:
「目が見えない」

c)その状態がおのずとそう感じ取れる。例:
「雲の形がひつじに見える」「彼は喜んでないと見える」

(2)見れる:
1)目的語を取る上一段の他動詞「見る」の未然形に+「可能」の助動詞「る」が接続したもので、「見ることができる」という可能の意味になります。

2)「(主語)が(目的語)を見れる」「(目的語)が見れる」という使い方をします。例:
「私は(学校が終わったら)テレビを見れる」
「テレビが見れる」
下の「テレビが」は、本来「見れる」の目的語であったものを主格に持ってきています。(ex「テレビが好き」と同じ用法)

(3)見られる:
可能・受身・尊敬の意味があります。

1)可能の場合:
a)目的語を取る上一段の他動詞「見る」の未然形に+「可能」の助動詞「られる」が接続したもので、「見ることができる」という可能の意味になります。

b)「(主語)が(目的語)を見られる」「(目的語)が見られる」という使い方をします。例:
「私は(学校が終わったら)テレビを見られる」
「もうすぐ桜が見られる」=「桜を見ることができる」

2)受身の場合:
a)目的語を取る上一段の他動詞「見る」の未然形に+「尊敬」の助動詞「られる」が接続したもの。

b)能動態の目的語が主語になったので、この用法では目的語が消え、「(主語)が見れる」という使い方をします。例:
「桜が観光客に見られる」
ここでは客体の「観光客に」が明示されているので、受身だとわかりますが、客体がなければ、可能か受身かは文脈からしか判断できません。

3)尊敬の場合:
a)目的語を取る上一段の他動詞「見る」の未然形に+「尊敬」の助動詞「られる」が接続したもの。

b)能動態なので、「(敬意を表す相手)が(目的語)を見られる」という使い方をします。例:
「天皇が桜を見られる」=「天皇が桜をご覧になる」



2.「聞こえる」と「聞ける」の違い:

(1)「聞こえる」
1)下一段活用の自動詞で目的語をとりません。もともと自動詞「聞こゆ」+自発の助動詞「る」が接続して「聞こゆる」となり、それが「聞こえる」に変化したもので、自分の意志とは関係なく耳に入ることをいいます。「(主語)が聞こえる」という使い方をします。

2)意味は次の通り
a)音・声が耳に感じられる。例:
「波の音が聞こえる」

b)多くの人の耳に入って知れ渡る。例:
「世に聞こえた名人」

(2)「聞ける」
1)目的語を取る下一段の他動詞「聞く」の未然形に+「可能」の助動詞「る」が接続したもので、「聞くことができる」という可能の意味になります。

2)「(主語)が(目的語)を聞ける」「(目的語)が聞ける」という使い方をします。例:
「私は(学校が終わったら)ラジオを聞ける」
「ラジオが聞ける」
下の「ラジオが」は、本来「聞ける」の目的語であったものを主格に持ってきています。(ex「テレビが好き」と同じ用法)

以上長くなりましたが、ご参考までに。

この回答への補足

> (1)見える:
1)下一段活用の自動詞で目的語をとりません。もともと自動詞「見ゆ」+自発の助動詞「る」が接続して「見ゆる」となり、それが「見える」に変化したもので、自分の意志とは関係なく目に映ることをいいます。
  「見ゆ」には上代の助動詞「ゆ」(この場合は「自発」)が含まれていたので、変化の過程における「見ゆる」は「見ゆ」の連体形ではないでしょうか。「聞こゆる」も「聞こゆ」の連体形と思います。

>(2)見れる:
1)目的語を取る上一段の他動詞「見る」の未然形に+「可能」の助動詞「る」が接続したもので、「見ることができる」という可能の意味になります。
 普通は「られる」という助動詞がつくところですが、「れる」を付け、五段動詞の「可能動詞」に模したものと思いますが。

>「テレビが見れる」
下の「テレビが」は、本来「見れる」の目的語であったものを主格に持ってきています。(ex「テレビが好き」と同じ用法)
 逆に、「テレビをみれる」と同じように「対象」を表すと考える方がいいと思います。

>(2)「聞ける」
1)目的語を取る下一段の他動詞「聞く」の未然形に+「可能」の助動詞「る」が接続したもので、「聞くことができる」という可能の意味になります。
 「聞ける」一語で「可能動詞」だと思います。

>「ラジオが聞ける」
 は「「テレビが見れる」と同じ考えです。

補足日時:2007/05/10 21:32
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この回答へのお礼

 詳しいご説明有り難うございます。
ただ、私と意見を異にする点がいくつかありますので、補足の欄に書いておきます。わたしの見当違いかも知れません。

お礼日時:2007/05/10 20:31

「見える」「聞こえる」は、単純に自分の体に起こった時にいいますよね。


外部からの刺激に対して感覚(視覚・聴覚)が反応した状態というか…。
対して「見られる」「聞ける」は、可能かどうかに重点が置かれています。
実際に見たり聞いたりしたかは問題ではなく、
できる状態にあるかどうかを表している気がします。
あまり良い表現が見つかりませんが、味覚に置き換えてみましょうか。
「見える」「聞こえる」は味覚の場合は「味がする」、
「見られる」「聞ける」は「味わうことができる(味わえる)」
って感じじゃないでしょうか?
……間違ってたらすみません。
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見える


見ようという意思に関係が無く目に入る

見れる
見ようという意思があれば見ることができる。

自分の意思に関係あるかないか受動的か能動的か違ってきますね。

この回答への補足

ということは「見える」受身の意味を持っているということですか。それに対して、「見られる」or「見れる」は可能の意味があるわけですね。
 「目が見える」は、誰かによって目が見られるということ?
 「目が見られる」は、目が何かを見ることが出来るということ?
ですか。

補足日時:2007/05/10 01:07
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