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竹取物語の一節に「~かくこの国にはあまたの年を経ぬるになむありける。」とありますが、「あまたの年を経ぬる『に』なむ」の『に』は格助詞か断定の助動詞「なり」の連用形なのか、どちらでしょうか。

「に」の前に「トコロ」と補えるので、格助詞かと考えているのですが、いまひとつ自信が持てません。理由つきで教えていただけるとありがたいです。

A 回答 (5件)

 他の人の回答を待っていたのですが、この質問も遙か過去の中に入ってしまったためか、これ以上の回答が望めないように思います。

しかし、このまま放置すると質問者も締め切りにくい状況なので、敢えて再度コメントします。
 「格助詞」だという回答もあるかとは思っていたのですが、「接続助詞」説という予想外の回答が、untiku1942さんからありました。
 参考に竹取物語の「原文」及び「現代語訳」のサイトを紹介し、それを見ながら考えを述べます。
原文    http://oak.zero.ad.jp/teru/gakusyu/taketori/honb …
現代語訳  http://oak.zero.ad.jp/teru/gakusyu/taketori/yaku …

 untiku1942さんの回答の中に
>1 断定の「に」は多くの場合、接続助詞「て」「して」を伴う。引例文では伴っていないので、断定としない。
 とありますが、確かに「て」「して」を伴うことは多いのですが、それに限る訳ではありません。旺文社「古語辞典」(p918)では「断定の助動詞・連用形」の「に」について次のように述べています。

 1,「に」…であって(以下一部を除き例文略)  2,下に接続助詞「て」「して」を伴って、中止の表現に用いる。…で。…であって。例文「月の都の人にて(=人であって)父母あり」(竹取・かぐや姫の昇天)  3,下に補助動詞「あり」「おはす」「候ふ」「はべりを伴って用いる。…ので。(例文略)
 
 質問文の場合は、3の「あり」を伴うものに相当すると考えます。

 また「接続助詞」の「に」については(同じくp918)

 1,逆接の確定条件を表す。…けれども。…のに。 2,事実を述べて下に続ける。…と。…したところが。 3,原因・理由を表す。…ので。…ために。「この事を嘆く-、ひげも白く、腰もかがまり」(竹取・かぐや姫の昇天) 4,恒常条件をを表す。…するときはいつも。 5,添加の意を表す。…に加えて。…の上にさらに。

 とありますが、untiku1942さんは、3の意味(原因理由)と取られたようです。角川文庫「竹取物語」附現代語訳 は残念ながらわたしの手元にはなくて、参照することは出来ませんが、代わりに前に挙げたサイトの、この部分の現代語訳は
 「このようにこの国では長い年月を経てしまったのでございます。」となっています。サイトの筆者も分からないし、「ございます」のような丁寧語は不必要なように思いますが、それは別として「角川文庫」の場合も、似たような訳になっているのではないでしょうか。
>現代語訳を考えると、~のでと訳すのが自然である
 とあることからの勝手な推測ですが、「ので」を原因・理由の意味に取られたのではないかと思います。しかし、この「ので」は最近問題になっている「ノダ文」と言われる「のだ」「のである」の変化形で、やはり「断定」を表していると考えます。

 以上のような理由で、「に」は断定の助動詞「なり」の連用形と結論づけておきます。推測が当たっていなければ、お詫びします。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
非常に丁寧な説明でわかりやすかったです。

私も断定「なり」の連用形ということで納得しました。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/07/29 20:35

 ♯2・3です。

♯4の回答の中の、下に「ありを伴うので「断定」の連用形の「に」とするは説得力があって、私自身納得しました。接続助詞として混乱させてしまいました。お詫びします。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまって申し訳ありません。
ありがとうございました。

お礼日時:2009/07/15 01:40

♯2です。

再度のお尋ねに答えたいと思います。最初のものが少し説明不足であったなとお詫びします。つぎの点を目安にしていけばよいと思ってます。1 断定の「に」は多くの場合、接続助詞「て」「して」を伴う。引例文では伴っていないので、断定としない。2 格助詞か接続助詞かについて。本来は格助詞から接続助詞が派生してきたので、平安期はその移行期なので識別は困難であるが、シンプルな目安として、活用語の連体形+にの、連体形が準体言なら格助詞として、それ以外なら接続助詞と考える。引例文は準体言ではない。3 現代語訳を考えると、~のでと訳すのが自然である。(角川文庫「竹取物語」附現代語訳) 従って接続助詞順接確定条件と考える。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
その後のuntiku1942さんの投稿も読んだうえですが、
接続助詞というよりは、助動詞みたいですね。

ですが、詳しい回答ありがとうございました。
派生の点にふれていただけるなど、参考になる点が多々ありました。

お礼日時:2007/07/29 20:37

 OKATさんの品詞分解は適切であり、断定の助動詞とした考え方も説得力がありますが、もっとシンプルに考えることも可能かとおもいます。

活用語の連体形接続だから、接続助詞順接の確定条件と見ることができます。質問者が「トコロ」を補えるとみたのは、「場所」ではなくて口語の接続助詞的な見方かと思い、賛成できません。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
「活用語の連体形接続だから、接続助詞順接の確定条件」ということですが、断定助動詞「なり」も連体形接続だと思うのですが、なぜ連体形接続だと接続助詞順接確定条件になるのでしょうか。

補足日時:2007/07/24 21:06
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 普通には「~かくこの国にはあまたの年を経ぬるなりけり。

」というところですが、最後の部分を強調するため係り結びを用いたので、「なり」という断定の助動詞の連用形「に」に「なむありける」と続けたと思います。
 「経(へ・連用)」+「ぬる(完了・連体)」+「に(断定・連用)」+「なむ(係助詞)」+「あり(ラ変・連用)」+「ける(過去・連体)」という形だと思います。なお、「なり」は元「にあり」から出来たので場合によっては「にあり」の形に戻るのだと考えます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

『「なり」は元「にあり」から出来たので場合によっては「にあり」の形に戻るのだと考えます。』

このようなこともあるのですね。勉強になりました。

お礼日時:2007/07/24 21:10

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