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「人間の理性」に関して、デカルト、ロック、カントの考えに対するみなさんの賛成意見、反対意見をきかせてください。論拠もできるだけ明示してください。また、賛成する点や反対する点を具体的にお願いします。長文大歓迎です^^

A 回答 (3件)

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誤字脱字あり。続き……


理性脳──小脳系と計算?予測機能の進化


人間にとっての脳の意味
脳の予測機能と「未来の記憶」の神経解剖学的なメカニズムを考える上で、カーメル達による前脳顆粒皮質と視床前腹部核群を結ぶ広範な伝達系の発見は大きな意味をもつ。1950年代に入って、これら核群は「視床投射系」によって臨時の活性中心となり、他の「連合野」の広域に皮質反応を呼び起こしていることが明らかになった。更にホイトロックは、帯状領域を含む前脳内の反応はネコよりもサルのほうが著しく大きいことを発見した。人の場合には、この反応は過去の記憶の総括や進行中の経験の記憶、行動計画、未来の記憶といった広範な前脳機能に結び付いていくものと思われる。
更に、前脳皮質と視床帯の連繋が「共感」や「利他行為」に発展していくものと考えられる。また、人の利他行為に感動して涙ぐむというような人間に特有の反応も、幼児期に親の救いを求める叫びが神経系の中に条件化され一般化されたものだと考えられる。
利他主義(フランスの哲学者オーギュスト?コント)、共感(テオドール?リプス)といった古い言葉が今では新鮮に聞こえる。電極法による研究から、前脳前野皮質は脊核内部を経由して内蔵に神
経伝達路をもつ唯一の新皮質であることがわかる。前脳前野が体外と体内の両方に伝達路をもつということが、自身と他の感情の合一〈共感〉を生み出すものと思われる。また、このような自身の内部に向けられた感覚〈内感覚〉が、自他の未来に対する関心〈洞察〉を生み出すものと想像される。前脳前野と視床帯の連合はまた、自己愛から生命愛に、そして責任感から良心への一般化を可能にしたものと考えられる。つまり、この連合が生物進化の歴史を「生と死」を廻る闘争から「善と悪」を廻る選択の歴史に転換させたものと考えられる。
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カエルは直線的にハエに飛び付くが、ネコは獲物の運動方向と速度から行き先を外挿する。
1892年のブランズの最初の観察以来、前頭葉の病変に伴う小脳と運足の障害の幾つかの例が報告されている。メイヤーとバロンは運足障害の原因を小脳よりも皮質内の伝達路の障害による抽象能力の欠如に求めた。例えば、ある患者は実際にボールを蹴ることはできるが想像上のボールを蹴る動作はできなかった。神経生理学者達は、前脳連合野の運動準備機能と小脳の運動開始後の調整機能を区別するために長期計画と短期計画という言葉を使う。しかし、人間は数日から数年に及ぶ未来の行動の精密な視覚像を直感と計算によって思い浮かべることができる。南海の島民達が50マイル先の島に船で漕ぎ出す前、海岸で濡らした一本指を立てて風向きを測定する。これは直感の働きである。未来学者がXデーを推定するのは計算の働きである。
何れの場合も継時的な事象列を未来に繋ぐための記憶、言わば「未来の記憶」のストックがなくてはならない。
前脳前野に病変をもつ患者は記憶障害をもつと考えられやすいが、実際に患者に接して検査をしてみると記憶内容を状況に即して呼び出せないために記憶障害の印象を与えていることがわかる。つまり、目標達成のために必要な今後の行動手順と過去の行動の記憶の接続に障害があるのである。過去の支出の記憶を今後の予算計算に結び付けられない患者の例もある。ルリアは「前頭葉に障害のある患者は算術問題をやらせれば見分けがつく」として、次のような問題、18冊の本を二つの棚に1対2の割合で分ける課題に対して、36+18=54と答えた患者の例をあげている。
以上の諸例から、人間の目標達成行動に果たす小脳の記憶?外挿機能の役割を考えても不自然ではないが現在のところ実証に乏しく、ヘンシェンが観察した「算術不能症」も、多くの神経生理学の教科書では追記の形で記載されるにすぎない。視覚、聴覚、空間認識に結び付いた後頭、側頭、頭頂領域の病変に伴う算術不能症と比べて、前頭葉の障害に伴う不能症状は二次的なものであるが、何れにせよ現在までに得られた実証データから人間計算機と呼ばれるような特殊な計算能力に関係する領域を特定することは困難である。
オリーブ?橋?小脳領域の萎縮が「知的退行」をもたらした幾つかの観察事例があるが、小脳に特定された知的機能を分離することは難しい。多分、小脳非形成症の観察事例は貴重になるだろう。ルビンシュタインとフリーマンが観察した72歳になる小脳非形成症の男性患者は、側頭頂部の病変以前には運動障害は現れなかった。しかし死後解剖の結果、小脳は8×7×5ミリよりは大きくない二つの小さな未成熟果実様のものから成り立っていることがわかった。患者は学校に入らず、成人時代に雑役夫、修理士、庭師などの仕事をした。彼の兄によれば、患者は子供時代には人目を引かない程度に遊びに参加したが、知的には正常の水準に達しなかった。計算能力については報告されていないが、通貨の値打ちは理解でき日常生活では金銭的に損をしたことはないといわれる。

コメント──前頭葉と小脳が予測と計算にどのような役割を果たしているか。この問いに答えるためには、計算機わ利用した脳の断層写真の病理学的解析と、心理学と人間行動学に精通した神経生理学者による臨床観察との結合が必要である。そして、例えば小脳に障害のある自閉的な「学者馬鹿」が長い複雑な計算を実行できることが明らかになれば、計算機能の存在領域を小脳以外に求めなければならなくなるだろう。


未来の記憶
この最後のテーマは、計算と予測に果たす前脳-小脳の役割に関する先のテーマの継承である。前脳の両側に萎縮のある若い患者に関するアカリーとベントンの報告事例では、この患者には計画したり、経験を継時的な事象例として思い出す能力がなかった。この患者は現在と過去の経験を断片的には詳細に思い出すことができたので、患者に欠けていた能力は「未来の記憶」であったといえる。
このような患者の臨床的テストには、休暇中の海外旅行の詳細計画立案などが考えられる。既存の迷路テストは長期計画能力のテストとはいえない。
計画立案の座である前脳連合皮質は、個体維持衝動と種族保存衝動の座である辺縁系扁桃体と視床との結合によって、それぞれ利己的、利他的な色彩を帯びてくるものと考えられる。例えば家庭主婦の家計の遣り繰りは前頭連合皮質に投影された扁桃核の個体維持衝動である。子供の長期的な教育計画の立案などは利他行為として連合皮質に投射された視床帯の種族保存衝動である。このような個人の行動計画は「連合野」によって、国家財政から国際的経済計画の立案へと拡大されていく。
「未来の記憶」というと、どうしてまだ起こっていないことを記憶できるのか、という疑問が返ってくるかもしれない。記憶ではなく、計画というべきではないか。しかし、計画は現在進行中の過程の継承、発展を意味する。計画とは青写真の実現過程であり、青写真自体ではない。例えばフットボールの試合中に行動計画を立案することは自滅行為である。大事なことは、試合中の行動計画は既に青写真として選手の小脳前野にストックされていなければならない。未来の記憶には、計画、計算、予測と共に計画の記銘、自由意志のコントロール、状況の把握などが含まれている。
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理性脳──小脳系と計算?予測機能の進化

外界の対象物の指示(指し示し)や二つの対応物の照合(家畜の粘土板への刻印など)のような小脳に支配された筋肉運動が、前脳新皮質による自然言語(あれ、これ、ある、ない)と形式言語(数学、記号)の発明を促した。人間の情動行動は、理性脳ばかりでなく小脳新皮質の関与によって、一層の豊かさを獲得したものと思われる。

解剖的考察──ロバート?ダウは、1974年に次のように書いている。「人間の小脳新皮質がもし運動能力に関係していなければ、どうしてこのような古皮質を覆ってしまう程の大きさにまで発達したのだろうか」。更に「この異常な発達は大脳全体の発達とは関連していない」。彼は次のように設問する。「小脳が運動だけに関係しているものならば、何故に前脳連合野は橋に伝達路を送っているのだろう」。この投射は1942年にダウがベンガルザルの脳の電気生理学的観察中に発見したものである。実際、小脳に結び付いた橋腹部が人間の脳の大きな部分を占め、大きな腫瘍のように上部の脳幹を圧迫している。橋と並んで赤核も小脳の重要な領域を占めている。赤核には小脳の背側核や新皮質の運動?感覚野からの神経伝達路の末端がある。
ダウはまた、人間や高等霊長類の脳の歯状核は他の動物のそれとは著しく異なっていることを指摘した。前者は微小回と巨大細胞のほか側脳室や巨大回、前庭細胞を含んでいる。


運動機能に関する仮説
類人猿はサルに比べて、橋、小脳、歯牙状核、赤核、後部オリーブが著しく発達しているが、人間の脳と比べると遥かに未発達である。人間の脳のこの部分の、他の部分とは不釣り合いなほどの発達の原因は何であろうか。今まで直立歩行、利き腕の指の動きの精密化、言語行動などに結び付ける考えがあったが、著者は前頭新皮質との連合による予測と計算能力の獲得に結び付けてみたい。
英国の神経学者ゴードン?ホームズは次のように書いている。「小脳の主な機能は筋肉運動の制御である」。更に「小脳の重要な機能は、他の神経系に役立てるための意識外の様々な神経信号の統合である」。しかし、ホームズの小脳に対する過大な期待に反するような事実もある。例えば、ダウは臨床的観察から「歯牙状核に限定した切除は小脳に機能的障害をもたらさない」ことに気付いている。


言語機能に対する機械的?数量的な要求
小脳新皮質の著しい発達は、直立歩行や利き腕の発達に結び付けるよりも、類人猿の樹上生活に見られるアクロバットに近い巧妙な運動能力に結び付けたい。人間ならば言語能力に結び付けてみたい。リーバーマンは「発語機能の獲得が人類進化の最大の障壁だったろう」と書いている。また別のところで次のようにも書いている。「発語は毎秒25くらいまでの音素を伝えることができる」。非言語的な発声では毎秒7~8の音素しか区別できない。リーバーマンによれば前記のような音素の伝達速度は「短期記憶の保持時間内に」複雑なアイデアを伝えるために必要なのである。ディングウォールによれば、発語は「神経構造による運動制御機能の最終的到達点である」。彼はダーリー達の発語のために動員される神経-筋肉の変化速度は毎秒14万回を下らないという計算と、1928年にこのような神経-筋肉運動を「ネオキネティックス」呼んだティルニーとライリーの名を挙げている。
飲食後にみられるような発語の乱れは小脳新皮質の病変によっても現れる。しかし、フルトンは「発語は小脳の新しい部分が統括しているようだ……」と観察している。彼は「臨床的観点からは、小脳の大規模な病変以外に発語機能は著しく阻害されない……」という。この点についてホームズは「言語機能は小脳の両側病変以外には殆ど障害を受けない」という。彼の経験によると「言語障害は虫部の中心切除に伴うことが多いが、側頭葉の片側だけの障害だけから起こることもある」。
ホームズは発語の乱れを次のように特徴付けた。時間の遅れ、引き込み、単調、音節の不自然な分離、不明瞭、痙攣、暴発性などである。彼はまた、このような言語の乱れにはしばしば顔の表情の不自然な変化や笑いが伴うと指摘している。
ホームズは1907年にこのような言語障害をもつ一家の成員の死後解剖を含む観察から、小脳の萎縮の拡がりや橋や下部オリーブ体の縮小を発見した。特に大脳回についての次の指摘は重要である。「虫のように萎縮した前頭正中部と側部以外は全て正常だった」。
結局、発語機能への小脳の関与は確認されているが大脳半球の左右非対称性、つまり言語領の関与は認められない。


計算と予測に果たす役割
人間の小脳新皮質の著しい発達は、運動能力の拡大のためだろうか。ダウは次のように自問した。「小脳、特にそのそれぞれの半球は過去に経験した運動パターンの記憶の貯蔵所ではないだろうか」。その後、ダウはライナー等と共に、前頭連合野がアイデアやヒントの具体化のために小脳の応援を引き入れる、という仮説を実証する臨床的、解剖学的な知見を集めた。しかし著者はここでもう一つの可能性、未来予測のための直感的、形式的(数学的)な計算を含む計画的行動に非顆粒および前運動皮質と共に前脳顆粒皮質が関与する可能性、を指摘しておきたい。

補足的解剖学的知見──浅沼等は小脳-視床からの投射を受けている腹側核を含む諸領域を単一の核と見なしたが、セシル?ヴォークトは、小脳からの投射を受けている腹中核の特定に成功している。その後の細胞化学的追跡によって小脳から前頭運動野への伝達路が見出されている。
マカクザルで発見された前頭顆粒皮質への神経路の投射は、動物の個体維持能力の拡大の説明に役立つ。

予測と計算に関連した臨床的考察──1940年代にウィーナーは、防空兵器などの制御システムに関する物理学者、神経生理学者、数学者との共同研究中に、動物と機械の制御と通信の研究を任務とする研究分野の創設を思い立ち、それをサイバネティックス(ギリシア語「舵取り」の意)と呼んだ。一般にサイバネティックスといえば、動物の運動の調整と合目的的行動を可能にする小脳の負のフィールドバックの働きを思い出す。よく参照される例はカエルとネコである。
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