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 下記の古文と現代語訳の、助詞・助動詞の品詞分解に関する質疑(既出)にて、ある回答者から、「のだ」文という言葉や「のだ・のである」の変形としての「ので」という言葉が出てきました。古い教育を受けた私にはわかりませんでした。そこで質問1、「~ので」は接続助詞(広辞苑)と思っていたが、現在は別な考えになっているのですか。
質問2、「のだ・のである」の変形としての「ので」とは、どういうことでしょうか。派生という意味でしょうか。
 訳「~こんなにも、この人間世界に多くの年月を過ごした《ので》ございました。」原文「~かくこの国には、あまたの年を経ぬる《に》なむありける。」(角川文庫ソフィア「竹取物語 付現代語訳」)の《ので》のことです。「に=断定の助動詞」の訳語に相当する部分です。

A 回答 (4件)

 中学校等で学習する学校文法の立場から説明します。



 たとえば、yahooo!辞書( http://dic.yahoo.co.jp )で、「ので」を検索してみてください。『大辞泉』『大辞林』ともに、接続助詞の「ので」と、連語の「ので」を別見出しとして掲載しています。
 これは、語源的なことは別にして、もともと【「現代語(口語)で用いられる『ので』には2種類ある」】ということで、途中から扱いが変わったというわけではありません。
 「風邪を引いた『から』早退する」の「から」は接続助詞、「風邪で午後『から』早退する」の「から」は格助詞で、「から」には2種類あるというようなものです。


 接続助詞の「ので」は《準体助詞「の」+格助詞「で」から》できた語で、1単語の接続助詞として、原因・理由などを表します。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …

1単語の活用のない助詞ですから、「のだ」という形に変わったりはしません。


 これに対し、連語の「ので」は、《準体助詞「の」+断定の助動詞「だ」の連用形》で、単語としては2単語です。「…のもので、…のことで」の意を表します。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …

 連語の「の・で」は2単語で、「で」は、断定の助動詞『だ』の連用形です。
 「だ」は「だろ|だっ・で|だ|(な)|なら|○」と活用します。

 だから、文末などでは、連用形の「で」の代わりに終止形の「だ」が用いられ、「の・だ」という形になります。
  例)風が強くなってきた。まもなく台風が来るのだ。
 推量の助動詞「う」が後に続く場合は、「う」は未然形に付くため、未然形の「だろ」が用いられ、「の・だろ・う」になります。
  例)風が強くなってきた。まもなく台風が来るのだろう。
 補助動詞の「ある」が後に続く場合は、補助動詞は用言ですから、連用形が用いられ、「の・で・ある」という形になります。
  例)風が強くなってきた。まもなく台風が来るのである。

> 「のだ・のである」の変形としての「ので」

というのは、このあたりのことを述べたものだと思います。


> この人間世界に多くの年月を過ごした《ので》ございました

という文では、「人間世界に多くの年月を過ごした」ことは、後の「ございました」の原因や理由にはなっていません。だから、この「ので」は接続助詞ではなく、連語の「ので」です。

 たとえば、
 
 この人間世界に多くの年月を過ごした《ので》月よりも地上に心を惹かれるのです。

なら、前のことが後のことの原因・理由になっているので、「ので」は接続助詞です。同じく原因や理由を表す、「から」や「ために」、あるいは「ことが原因で」といった語句と置き換えが可能です。(ニュアンスの違いは別にして)

 質問者は、原文の「あまたの年を経ぬる《に》なむありける」の「に」が断定の助動詞の「なり」の連用形だということには納得していらっしゃいますか。だとすれば「ので」が原因・理由を表すの接続助詞「ので」ではなく、断定の助動詞を含む「ので」だということはご理解いただけると思います。

 連語の「ので」の「の」は準体助詞ですので、「こと」「もの」あるいはその文に合った具体的な体言の代わりをしています。
 この人間世界に多くの年月を過ごした《こと・で》ございました。
 この人間世界に多くの年月を過ごした《経過・で》ございました。
 この人間世界に多くの年月を過ごした《事情・で》ございました。
のごとくです。(後の2例は元の文とまったく同じ意味ではないですが。)

 なお、原文は「ありける」で「侍(はべ)りける」ではありませんので、丁寧語は用いられていませんが、訳者は「ある」の丁寧語の「ございます」を用いていますね。
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No.3 です。

説明不足の部分を補足します。

 まず、「準体助詞」ですが、学校文法では普通、独立させて扱わずに、「格助詞」の一つの用法として扱います。

例)小さい方は弟の帽子で、大きいのが僕の帽子だ。

 「大きいの」の「の」は「体言の代用=準体助詞」の働き、「僕の帽子」の「の」は「連体修飾語をつくる=連体格」の働きをしていて、どちらも格助詞の「の」として扱います。

 準体助詞ははっきり体言の代用をする場合もありますが、連語としての「のだ」の場合は体言の代用としての意味は薄れています。

私の先ほどの説明、No.3の

>  連語の「ので」の「の」は準体助詞ですので、「こと」「もの」あるいはその文に合った具体的な体言の代わりをしています。

という説明は適切さを欠いているように思います。

 
 この帽子はぼくのだ。 =「の」は「帽子」という名詞(体言)の代用。
 台風がくるのだ。   =「台風が来る『こと』だ」と言い換えられなくはないが、やや無理がある。「のだ」という連語として、強調や決意などを表していると考える方が適切。

 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%8 …
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この回答へのお礼

 No.3と4との、詳細なご回答ありがとうございます。わかりやすくて納得できました。ご紹介のURLには近いうちに必ずアクセスして、勉強いたします。文法を、身を入れて勉強しなかったのが、老いたいまとても悔やまれます。

お礼日時:2007/07/30 15:55

> 質問1、「~ので」は接続助詞(広辞苑)と思っていたが、


> 現在は別な考えになっているのですか。

例文を作ってみました。
「今朝は天気が良かった《ので》ポチと散歩に出かけた。」
この文章は、「今朝は天気が良かった」という文章と
「ポチと散歩に出かけた」という文章をつないであります。
つないでいる言葉の《ので》が接続助詞になります。

> 質問2、「のだ・のである」の変形としての「ので」とは、どういうことでしょうか。

「過ごした《のである》」
の丁寧語「過ごした《のでございます》」
の過去形「過ごした《のでございました》」
という事なので、「のだ・のである」の変形という事です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。例文を添えてくださり
わかりやすくて。納得できました。

お礼日時:2007/07/30 15:46

はじめまして。



ご質問1:
<「~ので」は接続助詞(広辞苑)と思っていたが、現在は別な考えになっているのですか。>

いいえ、そんなことはありません。ご想像の通り、接続助詞になります。

1.もともとは、格助詞「の」と接続助詞「で」が複合した形です。

2.活用語、助動詞の連体形に接続します。

3.使い方は、ある事柄に対する前件を、そこから自然の成り行きで後件が出る、という気持ちで示すのに使います。
例:
「夏なので、暑い」
*「なので」は断定の助動詞「だ」の連体形「な」+「の」+「で」です。

ご質問2:
<「のだ・のである」の変形としての「ので」とは、どういうことでしょうか。派生という意味でしょうか。>

派生ではありません。上記と同じ、格助詞「の」の用法で、接続助詞のかわりに助動詞が接続した形です。

1.品詞分解は下記の通りです。

「~のだ」:格助詞「の」+断定の助動詞「だ」

「~のである」:格助詞「の」+断定の助動詞「だ」の連用形「で」+陳述を表す形式的用法の動詞「ある」

2.この格助詞「の」は、活用語、助動詞の連体形に接続し、念を押して断定内容を提示するのに使われます。「~んだ」の促音便としても使われます。

3.つまり、「~のだ」「~のである」は念を押した断定で、一種の断定の強調表現になります。

以上ご参考までに。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。とてもわかりやすくて納得いたしました。

お礼日時:2007/07/30 15:43

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