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 ピレンやペリレン、アントラセンといった多環芳香族炭化水素の蛍光スペクトルを測定するとピークが4つ程観察されますが、これらのピークはそれぞれ何に依存しているのでしょうか。
 いくつかのピークが観察されるということは、蛍光の原理から考えると一重項のエネルギーレベルがいくつか存在すると推測できるのですが、それがどの構造に依存しているのか解明されているのでしょうか。
 最近は特にペリレンに注目して研究しているので、特にペリレンについての解釈があれば是非教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

ピークが複数現れるのは、振動の準位が関与しているためです。


光吸収の場合は励起状態の振動準位が、蛍光の場合は基底状態の振動準位が関与するとこのように複数のピークが現れます。(吸収の場合には振動だけではなく高次の励起状態なども関与しますが。)

通常、ほとんどの分子は基底状態の中でも最もエネルギーの低い振動準位(n=0)に分布していますから、光吸収の時にはこの状態が光を吸収します。
ただ、この時に励起された電子は、必ずしも励起状態の最もエネルギーの低い振動準位(n=0)に遷移するとは限らず、n=1,2,3,…といった状態にも遷移する場合があります。このとき、複数のピークが現れます。

蛍光の場合はその逆で、蛍光は最低励起一重項状態の最も低い振動準位から基底状態への電子遷移に相当します(Kasha則:例外はありますが)。ただし、この遷移先の基底状態にも振動の準位がありますので、n=0,1,2,3,…といった複数の振動状態への遷移する可能性があります。

多分こういった事情で複数のピークが見えてるのではないかと思います。
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この回答へのお礼

分かり易い回答を有難うございます。
Kasha則の最低励起状態からの遷移は聞いたことがあったのですが、基底状態の振動準位も関係があったのですね。

お礼日時:2007/10/15 11:22

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