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物理を独学をしている者です。よろしくお願いします。

1)コヒーレントな励起、インコヒーレントな励起という表現が分かりません。この2つの違いは何でしょうか?
準位間に共鳴的・非共鳴的な励起というのとは違うようですし、
励起源がレーザー光であるからといって必ずしもコヒーレントな励起とは限らないようです。


2)コヒーレント状態の定義が分かりません
数式で導入されるコヒーレント状態の物理的な意味が分かりません。
コヒーレント状態|α>は光子の消滅演算子aの固有状態として、
       a|α>=α|α>
と定義される。
と導入されているのですが、これの物理的な意味は何でしょうか?
何故消滅演算子で定義されるのか?そもそも非エルミートな消滅演算子の固有値は実数とは限らないので古典的対応物は無いのかも知れませんが、それでも何かしらイメージの取っ掛かりが欲しいです。

同様に、光子の真空状態に変位演算子を作用させるという定義
       |α>=D(α)|0>
も、何を変位させる操作なのかよく分からないのでご教示お願いします。

なお、コヒーレント光が不確定性が最小で古典的輻射場に最も近い状態だということは耳学問ですが知っていますが、そこで止まってしまっている状態です。


3)直交位相成分の物理的なイメージを教えてください。
スクイーズド状態の単元を勉強していた際に、電場の式から直交位相振幅演算子
q=i/2(a-a†)、 p=1/2(a+a†)
を定義したのですが、このイメージも同じく分かりません。
これは光子の左回り円偏光成分と右回り円偏光成分を表すのでしょうか?
この演算子を状態ベクトルに作用させることでどのような物理量が得られるのでしょうか?



以上、3つのまとまりのない質問ですが、どうかよろしくお願い致します。

A 回答 (7件)

コヒーレンスと複素振幅のゆらぎの関係


IV 系全体の電場の分散と磁場の分散の和
 モードjの複素振幅のゆらぎの大きさを表す二次モーメント,Rj≡<aj†aj>-<aj†><aj>,(ajは、モードjの消滅演算子)は、電場と磁場の分散の和を取ることと空間積分を行うことによりもとまります。
V コヒーレンス度
 コヒーレンス度Kは、異なるモードlとmの複素振幅の相関,Klm∝<al†am>,で定義されます。異なる時空点間の相関で定義した古典論やGlauberの一次のコヒーレンス度では、複素振幅のゆらぎとコヒーレンスの関係を明らかにすることが出来ません。
VI 複素振幅のゆらぎの増大
コヒーレンス度Klmを使うと、複素振幅のゆらぎの増大がコヒーレンス度を悪化させることが分かります。モード間が独立な光の干渉がこの場合です。
VII ヤングの干渉実験
 複素振幅のゆらぎが大きくても、ゆらぎ間に相関をつくればコヒーレンス度を悪化させずにすみます。この場合、コヒーレンス度Klm=相関の強さ、になります。
VIII コヒーレント状態の干渉性
 コヒーレント状態は複素振幅のゆらぎがない唯一の状態なので、モード間が独立な光の干渉においてコヒーレントになるのは二つのモードがコヒーレント状態の時だけです。

参考URL:http://space.geocities.jp/phy_douhyou/
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I コヒーレント状態 |α〉の特徴


「複素振幅のゆらぎがない唯一の状態」ということが、|α〉の特徴です。位相や不確定の積で特徴付けることは出来ません。
 複素振幅のゆらぎがないためには、消滅演算子の固有状態でなければなりません。|α〉が、消滅演算子の固有状態として定義された真の理由です。

II コヒーレント状態と物理量
 消滅演算子は、非エルミート演算子です。そのため、複素振幅の分散は定義できません。このことが、コヒーレンスと複素振幅のゆらぎの関係を理解する妨げになっていました。
 複素振幅のゆらぎの大きさは、物理量である「系全体の電場の分散と磁場の分散の和」で記述できます。コヒーレント状態は、この量を最小にする唯一の状態です。

III コヒーレント状態と不確定性
 コヒーレント状態の特徴として「不確定性の積,Δq2Δp2 ,を最小する」ことが取り上げられますが、誤りです。スクイーズド状態を特徴付ける性質です。コヒーレント状態を特徴付けるのはより厳しい条件である、不確定性の和、(ω2Δq2+Δp2)/2,です。この量を最小にする状態は、コヒーレント状態だけです。また、この量は、「系全体の電場の分散と磁場の分散の和」に対応した量です。
 コヒーレンスと複素振幅のゆらぎの関係は次回説明します。

参考URL:http://space.geocities.jp/phy_douhyou/
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1)励起される物質系での物質分極の緩和が起こらないか無視できるような励起を「コヒーレントな励起」と言います。



物質に光電場が入射すると、物質分極と光電場の相対位相によって、吸収が起こったり誘導放出が起こったりします。物質分極の位相が長く保たれるような物質では、吸収と誘導放出が交互に起こる「ラビ振動」のような現象が見られます。

多くの場合、物質分極はフェムト秒とかピコ秒とかで位相が乱れてしまうので、普通に物質にレーザーを当てると、最初の一瞬はコヒーレントな励起になるかもしれませんが、そのあとはインコヒーレントになってしまいます。当然、ラビ振動のようなコヒーレント励起に特徴的な現象は見られません。

かといって、コヒーレント励起は紙の上だけのことではありません。超短光パルスで励起する等して、分極の位相が乱れる前に励起を完了することで、コヒーレントな励起を実験室で実現することが出来ます。

2)コヒーレント状態は、実は調和ポテンシャル上を往復運動するガウシアンパケットに対応します。一方|0>は、ポテンシャルの底で静止しているガウス関数に対応します。|α>=D(α)|0> のDは、調和ポテンシャルの底で静止しているガウスシアンパケットを、平衡位置から離れた場所にシフトさせる演算子だと考えれば良いと思います。

コヒーレント状態は調和ポテンシャル中を往復運動する粒子の状態を表したものですが、光に当てはめた場合は、古典的な振動電場に対応づけられます。横軸は電場、縦軸は光強度=光子数です。電場に対してはガウシアン、光子数に対してはポアソン分布をしていて、どちらもほどよく定まります。

ちなみに、光子数を厳密に定めると、調和振動子の定常状態のどれかになり、時間を特定しても電場の向きと大きさに関しては全く定まらないスクィーズド状態となります。

微妙に間違っているところがあるかもしれないので、参考意見です。
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>何故消滅演算子で定義されるのか?



QMのテキストにはコヒーレントを詳しく扱ったものを見かけませんね。量子光学のテキストには載っているのかなぁ。snobberyさんのご質問は実は私自身の疑問でもあるわけでして(笑い)、いろいろな方のご回答を参考にしたいと思っています。
ところで、vlaskoさんへのお礼のところで書かれているように、直交位相振幅演算子等の知識をお持ちのようなので、かなり詳しく理解されているのではないかと思います。私の方は今のところ時間的な余裕がないので十分追求はできておらず、ここに書き込むのは控えるべきかも知れませんが、詳しい解説がココ↓の5章に載っていますので、ご参考までにお知らせしておきます。既にご存知でしたらスミマセン。
knomura/education/quantum-modern/notes1.pdf

参考URL:http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/~knomura/educati …
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こんばんは。

周りの人に聞いてみたのですが…

1)レーザーはその原理からして位相がそろった光が発生するようです。
キャビティを周回する際に位相がそろうのではという話でした。

2)コヒーレント状態は物理的には光子数がポアソン分布な光というのがはじめの定義で、a|α>=α|α>はそのことを物理的に一番簡潔な形で表現したものだと思います。つまりa|α>=α|α>はコヒーレントのはじめの定義ではなくその結果だが、式としては簡潔だからはじめにこれで定義した以上の意味はないと思います。量子光学の本にははじめにポアソン分布であることから出発して、a|α>=α|α>を導く流儀のものもあります。

3)生成消滅演算子はエルミートでないので観測量ではありません。位置や運動量に変換すれば測定できます。例えばスクイーズド光の測定の際、スペアナで揺らぎを測定しますが、その評価は位置や運動量の理論値との比較してデーターとして意味を持つわけですから。実験する際には生成消滅演算子の形で理論式を与えられても困ります。

あくまでB4の同期と話し合ったので正解かは分かりませんが…
気になるなら今度はもっと上の人に聞いてみますね。
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この回答へのお礼

本当にありがとうございます。
まだまだ悩みは尽きないので、もう少し書き足してみます。

1)共振条件の時点でレーザーのコヒーレンスが高いのは理解しています。パルスのときもモードロックである種位相が揃っているといって良いと認識しています。疑問に思う点は、コヒーレントな光源を用いたら必ずコヒーレントな励起といえるのか?という点です。例えば、共鳴的に上位準位に励起する場合と、非共鳴的に(共鳴エネルギーより大きなエネルギーの光)で励起する場合では、上位準位に落ち着くまでの過程(緩和?)が少し異なるように思うのですが、そのような場合でも、レーザーというコヒーレントな光源からの励起という事実のみで判断して両者をコヒーレントな励起と言っても相違ないのでしょうか?

2)なるほど、相関がないことから出発する流儀があるのですか。それは知りませんでした。量子光学の他のテキストを漁ってみて読んでみます。もしかしたら、それで何か解決の糸口が分かる矢も知れません。ありがとうございます。

3)仰るとおりです。観測量でないものをイメージするというのが現実的ではないのかもしれません。…でも何かがしっくりきません。そもそも、このような演算子を持ち出したのは何故でしょう?既にある生成消滅演算子の線型和を新たに直交位相振幅演算子として定義するメリットがどこかにあるはずです。(ちなみに、調和振動子のアナロジーが使えるから というのは生成消滅演算子を定義するメリットであって、直交位相振幅演算子に対する答えとしては少し不満です。)

ちょっとこのことに関してある妄想が沸いたのですが、元々の生成(消滅)演算子で生成(消滅)できるフォトンのモードのうち、角運動量で特徴付けられる成分は(つまり左回りJ=1or右回りJ=-1のいずれか)だけなのではないのでしょうか?つまり、左回り・右回り円偏光の生成消滅を表すのが生成消滅演算子で、πx偏光・πy偏光の生成消滅演算子を表すのが直交位相振幅演算子…とか(妄言ですので、的外れかもしれません ごめんなさい)


なんか、ドンドン考えがドツボにはまっている気がしないでもないですが、どんな些細なことでも構わないのでアドヴァイスの方よろしくお願いします。

お礼日時:2007/11/16 02:03

こんばんは。


1)コヒーレントは位相が定義できるが、インコヒーレンスだと定義できないと自分は解釈しています。

2)コヒーレント状態は消滅演算子の固有状態になりますが、このことから不確定性が最小であることが導けます。また光子数がポアソン分布に従うことが証明できるので、これから光子間に相関がないことが言えます。(例えばスクイーズド状態だとポアソン分布に従わないので相関がある。)物理的な意味はこの辺でしょうか。

3)電場から演算子を定義するところは、そのように定義するとハミルトニアンと交換関係が調和振動子の形と一致して便利だからだと解釈しています。それ以上の意味はないと思っていますが…。

ちょっと回りの人に相談してみます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
周りの方に相談していただけるという御厚意に甘えて、まだよく分からない点があるので書いてみます。

1)位相を定義できる励起、位相を定義できない励起とは何でしょうか?
レーザー光の励起は常にコヒーレントな励起で、ランプ光の励起はインコヒーレントな励起という単純な理解でいいのでしょうか?
というのも、一番気になっているのはレーザー光を用いてインコヒーレントな励起というのはできるのか?という点です。さらに、そうであるならば、その線引きは何によって決まるのか?という点も知りたいです。

2)確かに、量子光学のテキストに載っているように上記の定義を用いれば不確定性最小も光子間に相関がないことを導出できます。気になっているのは、その導出のスタートとなる「消滅演算子の固有値」の物理的意味です。
実験事実を無矛盾に説明するために理論があるにしても、最初にあの定義を疑いなく受け入れることからスタートすることに少々抵抗があります。
(例えば、なぜ生成演算子ではなく消滅演算子で定義するのか?などという愚問に私が答えることが出来ないのはその定義の意味が分かっていないからだと考えています。)

3)種々のスクイーズド状態もその演算子から説明が為されるので、何かしらの物理的意味を持っているはずだと疑っています。
「そのように定義するとハミルトニアンと交換関係が調和振動子の形と一致して便利だから」というのはむしろ電磁場の量子化や電子の第2量子化のときによく説明される理屈だと思いますが、既に量子化されている電磁場の演算子に対して、さらに線形変換して新たなp,qを規定するのは何故でしょう?


私自身の頭が混乱していて上手く疑問の要点を提示できないので心苦しいのですが、よろしくお願い致します。

お礼日時:2007/11/15 02:44

私は物理学は専門ではないので質問内容については全く理解出来ませんが、コヒーレント光とは電気信号と同じような連続性を持ったもので、非コヒーレント光とは蛍光灯の光のような断続した瞬間的な光で、もっとド素人的な表現で喩えると、前者が糸なら後者は綿みたいなものと誰かに昔聞いて自分では納得しています。

専門家にはこんないい加減な情報で役立つかどうか分かりませんが。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2007/11/15 02:12

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