No.4ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
エントロピーやエンタルピーなど物理的な考え方は、既に出ているようなので、炭素原子の位置と溶解性に対する関係を自分なりに少し考えて見ました。アルカンだとほとんど溶解せず、比較しづらいので、n-ブチルアルコールとtert-ブチルアルコールを比較してみます。この場合、前者が直鎖状で、後者がやや球状になっています。そして水のほうは、水素結合をしていますので、ブチル基が溶解性の妨げになっております。
ブチル基と水分子の相互作用は、ブチル基の表面での相互作用が強いと仮定してみましょう。そうすると、同じブチル基でも、n-ブチルより、t-ブチルのほうが表面積が少ないので(球状のものは同体積のものの中で、最も表面積が小さいという原理)、水分子との作用も少ないことになります。よって、水とアルコールの溶解度を妨げるアルキル基の表面積が小さいt-ブチルアルコールのほうが、溶解度が大きくなるのだと思います。
結論は、数ある溶解度に影響する要因の中で、アルキル基に関しては、表面積も重要な要因の一つではないかという事です。ですから、質問にある炭素原子の位置を、表面積に換算して考えてみてはいかがでしょうか。
ありがとうございます。おかげで何とか解決しました。
助かりました。psa29さんも、iloveguppyさんもまた機会があればよろしくおねがいします。
No.3
- 回答日時:
No2の回答者です。
下の数式で、誤解されやすい表現があるので補足します。
> A+B→2C 両辺の差をYと置くと、 Y=A+B-2C
普通は、生成系から原系を引くので、Y=2C-(A+B)ではないかと思われます。しかし、A、B、Cともに1分子でばらばらの状態よりも、どれだけ安定しているかという安定化エネルギーと考えるとマイナスになりますので、Y=-2C-(-A-B)
=-2C+(A+B)=A+B-2Cとなります。誤解のないように補足します。
ところで、本論です。
今回は、水への溶解性ですから溶媒と溶質との結合において、水素結合が非常に重要な役割をします。
一般論としては、幾何平均則は大切ですが、水の場合は水素結合の影響が強すぎて、幾何平均則が、あまりよく成り立たない可能性があります。
自分で説明しておいて・・・申し訳ありません。
どのような構造になれば、水素結合が強く働くか?
分子全体として、水素結合が強く働くものほど、水に溶けやすい。
このように考えられたら如何でしょうか。
No.2
- 回答日時:
溶解現象というのは、混合する前と混合した後とを比較した場合、混ざり合ったときに、自由エネルギーが減少するのならば溶解するし、自由エネルギーが増加するようならば、溶解しません。
自由エネルギーは、熱力学的な全エネルギー(内部エネルギー、エンタルピー)から拘束エネルギー(エントロピー×温度)を引いたものです。
変化量で記述すると
ΔG=ΔH-TΔS ΔG;自由エネルギー変化
ΔH;エンタルピー変化
ΔS;エントロピー変化
T;絶対温度
ΔGがマイナスになれば、溶解すると言うことです。
混合の場合、ΔSは、必ず増加するのでプラスです。
よって、-TΔSは、必ずマイナスになります。
そこで、ΔHがTΔSより、小さければΔGはマイナスになります。
勿論、ΔHそのものがマイナスならば(混合したときに発熱すえば)
ΔGは、必ずマイナスになりますので、溶解します。
ΔHのプラス(吸熱)が大きければ、溶解しません。
では、混合したときの吸熱量は、どのように決まるのでしょうか?
溶媒と溶質が別々の状態では、溶媒分子同士に分子間力が働いています。
溶質も、溶質同士です。
もし、混合すれば、溶媒同士、溶質同士の結合が切れて、溶媒と溶質の結合が新たに生じると考えられます。
(溶媒-溶媒) + (溶質-溶質) → (溶媒-溶質)、(溶媒-溶質)
つまり、1対の溶媒と溶質が混合すると、2対の溶媒-溶質間の分子間力が生成します。
もし、溶媒-溶質間の分子間力が溶剤、溶質各々の分子間力の幾何平均に近似できると考えるとします。(幾何平均則)
溶媒間の分子間力をAの記号で、溶質間の分子間力をBの記号で、溶媒溶質間分子間力をCの記号で略すと
A+B→2C 両辺の差をYと置くと、
Y=A+B-2C (幾何平均則を利用すると)
Y=A+B-2×{(A×B)の平方根}
aの2乗=A,bの2乗=B,とおいて因数分解すると
Y=(a-b)の2乗になります。
溶媒-溶質間の分子間力の推定に幾何平均則を用いる場合、Yは差の2乗になるので、必ずプラスとなり吸熱となってしまいます。
A,B,a,bどれも分子間力の大きさの指標であり、溶媒、溶質の分子間力の差が大きいほどYは大きくなり、(大きな吸熱となり)、溶解しなくなります。
逆に、分子間力の強さが似たもの同士はYが小さくなり、同じもの同士ならば、Y=0、溶解するようになります。
これが、俗に「似たもの同士は溶け合う」ということです。
ヒルデブランドは1950年頃に分子間力の強さの指標として、凝集エネルギー密度を採用し、その平方根を溶解性パラメーター(SP値)と定義しました。
溶解性の指標として、重要なパラメーターです。
炭素の位置から溶解性を説明という、問題の趣旨が不明確なので、答えにくいのですが、極性の強さなどから、分子間力の強さ、つまり凝集エネルギー密度、SP値から定性的な説明は出来ると思います。
No.1
- 回答日時:
一般的に、炭素鎖のある化合物は、電気的に偏りがありません。
(これを、「極性がない」といいます)逆に、水は、きわめて極性の高い溶媒です。
この、電気的な偏り(極性)は、溶解性と重要な関わりがあることが多く、炭化水素などでは水に対する溶解性は低く、逆に水酸基を多く持つ糖などは、きわめてよく溶解します。
似たものは、ごっちゃになりやすく、似ていないものは反発する…という感じでしょうかね。
でもって、長い炭素鎖を持ち、最後にカルボニル基を持つと、どちらにも溶解し、界面活性剤として洗剤などに使われる…という事例もありますね。
実際のところ、個々の溶解性を見ると、単純に言い切れないところもあるかもしれませんけど…
この回答への補足
回答ありがとうございます。炭素の数が同じでも、炭素鎖の形によっても溶解度が違う場合があると思うのですが、それはどういった理由なのでしょうか?
例:ターシャルブタノールとノルマルブタノール
宜しくおねがい致します。
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