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吉川英治の「宮本武蔵」は数え切れない位多く映画・ドラマ化されていますが、三船敏郎主演の映画が気になります。
私は萬屋錦之介主演のと、数年前にやった大河しか見たことがありません。
三船だったら相当似合うだろうなあと思うのですが、見たことある方、感想はどうでしょうか?
また、複数見たことがある方、一番良かった「宮本武蔵」は誰監督もしくは主演のものでしたか?

A 回答 (4件)

まず三船が武蔵を演ずるのは、稲垣浩監督「佐々木小次郎」三部作、「佐々木小次郎」(1950)「続佐々木小次郎」(1951)「完結 佐々木小次郎 巌流島決闘」(1951)



ただし、この作品、今ではダイジェスト版のような形になっている総集編しか観る事が出来ないようで、正しい作品評はしにくいです。

佐々木小次郎役は大谷友右衛門。

三船の登場シーン自体少なく、特に印象に残ると言うほどではありません。

ああ、若い頃の三船がやっているんだな…と思うくらい。

船島での決闘シーンに出て来るだけだったと思います。

この作品、どちらかと言うと、小倉の町のおしゃべり男として、やはりちらっと出て来る若き森繁久彌の方が珍しいくらい。


本格的に三船が武蔵を演じているのは、稲垣浩監督による「宮本武蔵」(1954)「続宮本武蔵 一乗寺の決斗」(1955)「宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島」(1956)の三部作。

佐々木小次郎役は鶴田浩二。

三船は、この時代の、いつもの三船ですね。

特に、際立って印象的とも思えません。

「宮本武蔵」では、むしろ、気が進まないながら竹蔵と共に村を出る事になる又八(三國連太郎)や、武蔵と出会い、一方的に惚れ込んで行くピチピチした朱美(岡田茉莉子)の方が印象的。

「続宮本武蔵 一乗寺の決斗」では、宍戸梅軒(水島道太郎)との戦いから「一乗寺下り松の決斗」までが描かれており、途中で佐々木小次郎が登場するのですが、稲垣監督、武蔵に恋する吉岡太夫(小暮実千代)や、朱実とお通(八千草薫)が互いの立場を知る事になる所など、女性の心理描写には丁寧でも、剣劇シーンになると、何だか意図的に省略したような中途半端な描写が多く、男の目から見ると物足りなさを感じてしまいます。

「宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島」日本中を流転していた武蔵が、最終的に小倉に移り住んだ巌流佐々木小次郎と、約束の勝負を船島で果たすまでが描かれています。

武蔵も小次郎も、共に女に慕われながらも、互いに雌雄を決しなければならなくなる…と言う展開なのですが、監督の主眼はむしろ大衆向けのラブロマンスにあったようで、武蔵の苦悩や剣劇に重きを置いているようには見えないので、三船の武蔵像自体、何となく印象が弱いです。

どちらかと言うと、佐々木小次郎役の鶴田浩二の方が、ストイックで魅力的に見えるくらい。

作品的には、最後の船島での決闘が、有名なエピソードをあえて使ってないので、ちょっと新鮮だったくらいでしょうか。

映画での武蔵で意外に印象的だったのは、「秘剣」(稲垣浩監督 1963)と言う、市川染五郎(現:松本幸四郎)主演の時代劇。

月形龍之介扮する「晩年の武蔵」が登場するのですが、雰囲気が正に肖像画に描かれている武蔵像そっくりで、風格もあり、いかにも強そうで感心しました。
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 こんにちは。



>三船だったら相当似合うだろうなあと思うのですが、見たことある方、感想はどうでしょうか?

 三船敏郎は確かに骨の太いキャラクターなのですが、三船敏郎という俳優そのものにすごく個性があって、宮本武蔵を演じる、というのとはちょっと違う感じがしました。劇中で、武蔵がしゃべっているというよりは、三船敏郎が武蔵の格好をしてしゃべっている、という感じで。あくまでも私の個人的な感想ですが。

>また、複数見たことがある方、一番良かった「宮本武蔵」は誰監督もしくは主演のものでしたか?

 私は、
(1)中村錦之助の武蔵(No.2さんと同じ、東映の五部作)
(2)北大路欣也の武蔵(1990年1月2日のテレビ東京の12時間ドラマ)
(3)役所広司の武蔵(1984年のNHKの新大型時代劇)
(4)三船敏郎の武蔵(ご質問の三部作)
(5)市川新之助の武蔵(2003年のNHKの大河ドラマ「MUSASHI」)
を見ました。よかったと思うのもこの順番です。

 (1)がダントツにいいです。単なる剣術使いではなく、求道者(ぐどうしゃ)として精進していく青年の精悍さ、鬼気迫る殺陣(たて)(般若坂の決闘で、浪人者の一人を斬るとき、すごいスピード感で首がバッと飛ぶ演出はいまだに目に焼き付いています。一乗寺下がり松もすごかった)、脇役陣(高倉健の佐々木小次郎、三国連太郎の沢庵坊など。入江若葉のお通、丘さとみの朱実、小暮実千代のお甲、江原真二郎の吉岡清十郎、浪花千栄子のお杉婆、木村功の又八などもよかった)など、私にとって、宮本武蔵と言えばこのシリーズです。
 (2)も、(1)に次いで好きです。これは、とにかく吉川英治の原作に非常に忠実に作られています。せりふの一字一句まで、忠実に再現されています。配役は、北大路の武蔵、賀来千香子のお通、村上弘明の佐々木小次郎、田中健の又八、伊藤かずえの朱実、左幸子のお杉婆などがよかったです。(1)の五部作もそうですが、映画5本とか12時間くらいが、吉川英治の宮本武蔵を再現するのにちょうどよい時間なのだと思います。それで、この(1)と(2)が他と比べて非常に好印象だったのだと、私は思います。
 (3)も、なかなかよかったです。しかし、その前に、私は(1)を知っていましたので、どうしてもそのイメージと比べてしまいました。また、さきほど述べましたが、(3)と(5)は週一回放映で一年間続くドラマで、どうしても時間的に間延びしてしまうのです。そういうわけで、演出では少し(1)(2)より落ちますが、配役はなかなかよかったと思います。役所広司の武蔵、中康次の佐々木小次郎(身長190cm超でまさにはまり役でしたが、このドラマ以外では見かけませんでした)、津川雅彦の沢庵坊、奥田瑛二の又八、古手川祐子のお通などでした。
 (4)は先に述べた通りです。付け足して言えば、配役が豪華だな、と思いました。三船の武蔵、鶴田浩二の佐々木小次郎、三国連太郎の又八、八千草薫のお通と。
 最悪だったのが(5)。不満点は限りなくあるのですが、1月~12月の大河ドラマの日程で、一乗寺下がり松が3月、巌流島の決闘が9月に終わり、その後は「原作・吉川英治」としながらも、原作には全くないオリジナルの話が延々と続き(武蔵がお通と一緒に住んで畑を耕し村を作り、そこに柳生一族が干渉し、関係のない大阪冬の陣・夏の陣の話が割り込み、最後は武蔵が大阪城で柳生但馬守宗矩と対決する)、ちぐはぐなストーリー展開で全く期待はずれのドラマを見せられました。その反対に、NHKは他の番組内でこの「MUSASHI」を盛り上げようと必死でしたが。

 最後は悪口になってしまいまして済みません。とにかく、私の良かったのは上の(1)と(2)です。(1)はDVDが売られていますが、(2)のはないようですので、見ることができないと思います。(1)はお勧めです。よろしければご覧ください。
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個人的には、東映内田吐夢監督作品、中村錦之助の5部作がベスト


だと思う。戦前では、嵐寛寿郎、水島道太郎、黒川弥太郎、松山宗三郎
大谷日出夫、雲井龍之介、近衛十四郎、河原崎長十郎などが演じている
が、戦前戦後の映画では、最多9本の武蔵を演じた片岡千恵蔵がいる。
戦後は、月形龍之介、仲代達矢、高橋英樹、緒形拳、長塚京三、
本木雅弘などが演じている。テレビも数多いが、未調査です。
三船武蔵は、三部作があり、東宝「総篇佐々木小次郎」にも武蔵役を
演じているので合計4本。ソフトは未発売または廃盤のようです。
機会があったらご覧になって、ご自分のベスト武蔵を決めて欲しい
と思います。
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役所広司さんの「宮本武蔵」

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