GDPの三面等価では、
GDP=
<(1)支出面>消費+投資+政府支出+輸出-輸入
<(2)分配面>消費+貯蓄+税金
とされ、ここから例えば
経常収支=(貯蓄-投資)+財政収支
が導かれると説明されています。この前提は上記(1)(2)における「消費」が等しいことですが、等しくない場合もあるのではないでしょうか?
というのも上記(2)の「消費」は、当該期間の全消費における、当該期間内の所得による消費分のみを表しており、(1)の「消費」には当該期間外に得た所得の消費も含まれるように思われるからです。
例えば単純にA、Bだけの経済で、Aが前年に100万円を生産、Bに販売し、Aが100万円貯蓄したとして、今年Bの100万円の生産に、Aが前年の貯蓄100万円から支払い、Bがそれを貯蓄した場合、今年のGDPは
<(1)支出>=100万円(Aの消費)
<(2)分配>=100万円(Bの貯蓄、消費は0)
となり、GDPは等しいものの、「消費」は異なった額になります。
類似質問を捜しましたが見当たりませんでした。お分かりになる方がいましたらお手数ですがご回答よろしくお願いいたします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
> Aが100万円を借金して、Bから100万円の投資材を購入、Bは100万円の売上を貯蓄する。
この場合、Aがどこから借金したかという問題があります。
仮に、同じ国の中のCの貯金からということにしましょうか。また、単純化のために取引手数料はかからないものとしましょう。
この場合、Cの財産が銀行貯蓄からAへの債権へと変化し(したがってこの操作ではまったくGDPに影響はない)、Aはそれを投資に使ったので、Aの資産が金融資産が減って実物資産が増加し(したがって資産構成が変化するだけなのでGDPには影響ない)、BはAへの実物資産を生産したのでGDPが100万円増えて、その分はすべて貯蓄されたということになります。
したがって、政府と海外部門を省略すると
支出:GDP=消費+投資= 0 + 100万円
分配:GDP=消費+貯蓄= 0 + 100万円
となります。
因みに、Bが自分の所有する実物資産をAに譲った場合だと、Bは-100万円の投資を行ったことになるのでトータルでは投資はゼロになります。同時にBは実物資産が金融資産に変化するだけなので、貯蓄もゼロになります。
ところで前回、ちょっと気になっていたのですが、分配面のGDPとは
GDP = 雇用者所得 + 営業余剰 + 固定資産減耗 + (間接税-補助金)
のことをさすのが一般的です。この質問では家計部門の支出先を分配としているのでそれに従いましたが、本来は別のものです。
また、貯蓄の取り崩しは所得とみなす、というよりは、
期首の貯蓄+今年の所得=今年の消費+期末の貯蓄
なので、
今年の所得=今年の消費+(期末の貯蓄-期首の貯蓄)
となり、貯蓄を取り崩したということは期末-期首がマイナスになることから出てくる話です。
No.1
- 回答日時:
> 上記(2)の「消費」は、当該期間の全消費における、当該期間内の所得による消費分のみを表しており、
ここが間違い。話を簡単に税金をなしにすると、例えば収入ゼロで貯蓄を取り崩して消費するとその人の貯蓄はマイナスになります。一方でそのお金を受け取った人がいるわけで、その分はその人の所得になります。
その人が全て貯蓄すると、結局は貯蓄はゼロで消費=GDPが成り立ちます。
質問文にある例をつかって説明すると、
1) Aが前年に100万円を生産、Bに販売し、Aが100万円貯蓄した
2) 今年Bの100万円の生産に、Aが前年の貯蓄100万円から支払い、Bがそれを貯蓄した
国全体のトータルを考えると、今年は支出は B は消費していないので、A の100万円の消費だけとなります。一方で分配は、A が消費した分は同じですが、貯蓄は A の取り崩し分 -100 万円と B の貯蓄分 100 万円が相殺するので、0 になります。したがって
支出=100 万円(消費)
分配=100 万円(消費)+ {100-100} 万円(B の貯蓄 - A の貯蓄取崩)
となって消費も同じ額になります。
この回答への補足
※お礼した後ですいません。よろしければ以下の追加質問にもご回答いただけると助かります
以下の場合はどのように解釈すればよいでしょうか?
(ケース)
Aが100万円を借金して、Bから100万円の投資材を購入、Bは100万円の売上を貯蓄する。
(解釈案)
支出=100万円(Aの投資)
分配=-100万円(Aの借金=負の貯蓄)+100万円(Aの資本としての貯蓄)+100万円(Bの貯蓄)=100万円
要は、借金は負の貯蓄、投資は貯蓄の一部と理解すればよいのですか?
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 経済 アメリカの貧富の差は、毎年3000億ドル以上の経済損失を生んでいる 3 2022/06/14 19:37
- その他(資産運用・投資) 節税と資産形成について 1 2022/07/26 12:24
- 預金・貯金 28歳4人家族の貯金平均額について。 4 2022/12/04 12:10
- 消費税 インボイス導入後の免税事業者に対する支払い処理 1 2022/09/19 18:56
- 経済学 「政府支出乗算」の求め方を教えてください。 2 2022/11/20 19:52
- 預金・貯金 老後の蓄えって いくら必要なの? 6 2023/03/09 09:13
- 減税・節税 免税事業者継続のメリット 3 2022/09/11 15:16
- 交際費・娯楽費 年収520万円一人暮らしの貯金 7 2022/09/26 07:10
- その他(暮らし・生活・行事) これらの社会のお荷物が存在している事でデメリットは山ほどあるけど、メリットって何か一つでもある? 4 2022/04/11 23:20
- 消費税 個人事業主の消費税について。 2021年売上が1,300万円で課税事業者になりました。届出済です。 2 2022/06/05 12:28
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
民間支出と民間投資
-
ケインズが唱えた投資と貯蓄の...
-
ISバランス?の計算式について…
-
フローとストックについて
-
貯蓄投資バランス
-
Y=C+S+T
-
マクロバランス マクロ経済学...
-
マクロ経済学の問題 教えてくだ...
-
異時点間消費問題
-
非居住者が一時帰国でアルバイ...
-
お金を容易に増やす方法を教え...
-
内生変数と外生変数の意味
-
イスラム教では利子(リバー)が...
-
経済学において「投資」は、生...
-
家賃支払い(賃貸)はGDPに入り...
-
4K TVモニターや5Gスマホって誰...
-
派遣会社の業績はGDPにどう貢献...
-
消費について
-
会社にある制度【財形融資の利...
-
リストのスミス批判
おすすめ情報