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超伝導に関するところを読んでいましたら、次のようなエピソードが書いてありました。
ヘリウムガスの液化に成功したころの話題で、絶対零度になったら、金属の電気抵抗はどうなるかという論争があったそうです。
ドルーテやオンネスは、電子の運動を妨げるものがなくなるため、電気抵抗はゼロに近づくという予想をし、ケルビン卿は、電子さえも凍って動けなくなるから、無限大になるというものでした。

今日では結果は良く知られていますが、でも、ケルビン卿の予想って、とても素直な発想に思えました。
どうして、絶対零度でも電子の動きは鈍くならないのでしょうか?

A 回答 (6件)

「電子の動きが鈍くなる」を「エネルギーが0になる」と置き換えてみます。


すると、答えは量子力学を用いて与えられます。
一言で答えるなら、電子はフェルミ粒子だから、でしょうか。

固体中の電子には、それが占めることができる「位」(エネルギー準位)があります。
1つの「位」に入ることができる電子の数は2つまでです。
(このような性質を持つものをフェルミ粒子と言います。)
固体中には電子がたくさんあり、それらたくさんの電子よって「位」は下から順番に埋められていきます。
そうやって位を埋めていくと、一番上の「位」に入った電子のエネルギーは、一番下の「位」に入った
電子のそれと比べて、数電子ボルト高いことになります。つまり、エネルギーは0にはなりません。
(ちなみに、このエネルギー差は温度に換算すると、数万℃になります。)

このような事情は、金属でも絶縁体でも同じです。
確かに、絶縁体は、なんらかの理由により電子が動けないから絶縁体になっています。
「なんらかの理由」は複数ありますが、温度低下により「凍ってしまう」わけではありません。

ケルビン卿の予想は古典力学的には素直な発想だったかもしれませんが、それは現実の世界で起こって
いることの正しい記述にはなっていなかったということですね。
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この回答へのお礼

回答していただき、ありがとうございました。
そうですよね。エネルギーバンド図を忘れておりました。
私も頭の中が、古典力学だけの思考になっていたようです。
今にしてみると、質問のポイントが的外れでした。
また、勉強してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/18 16:38

ellipseです。

すいません少し間違えていたので訂正します。
ハイゼンベルクの不確定性原理によれば、ミクロの粒子が完全に静止すれば位置が決定できることになり、そうでなければ運動状態が不確定になる。だから、絶対零度でも、電子などは振動している。これを零点振動という。と書いてありました。
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この回答へのお礼

回答していただきまして、ありがとうございました。
なるほど!そういうことも考えられますね。
不確定性原理って、どうも苦手であまり関心がなかったのですが、さけて通れそうにないですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/18 16:56

ハイゼンベルクの不確定性原理が関係していたと思います。

量子力学で速度と位置の両方がわかることはないというものです。だから、速度が0の電子を測定したら両方ともわかってしまうのでそんなことはありえない。という内容の本を読んだことがあります。
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いわゆる電子ガスモデルの観点からすれば,


質問の意味の「電子が凍る」は今日ウィグナー(Wigner)結晶として
知られているものに相当します.
ちょっと様相は異なりますが,不純物によるアンダーソン(Anderson)局在
なんてのもあります.
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この回答へのお礼

回答していただきまして、ありがとうございました
これは、良いことを教えていただきました。
後日、調べて見たいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/18 16:51

その予想は,半導体の場合は合っていて,実際に絶対零度付近の半導体は絶縁体となります.ただし絶対零度でも光を与えれば導体となります.



---以下,エネルギーバンドを使った説明---
電子の持つエネルギーが小さくなるため,エネルギーギャップを超えて荷電子帯に電子が存在できなくなり,導電電子がないため電気抵抗はとても大きくなります.
ただし,絶対零度でも光を当てれば光エネルギーで電子が励起されて抵抗は小さくなります.

参考URL:http://kccn.konan-u.ac.jp/physics/semiconductor/ …
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この回答へのお礼

回答していただきまして、ありがとうございました。
そうですよね、この質問のときは忘れていましたが、半導体は仰るとおりです。
金属のときが良く分かりませんでした。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/18 16:47

絶対零度で電子の動きも格子の動きもは鈍くなって0になったとしても、電界によって自由電子が動かされないということではないでしょう。

結合電子は、温度が高くて振動していても、電界によって動き出すことはありません。
電子はフェルミ粒子ですが、ペアになればボーズ粒子になるのではなかったでしょうか。そうすれば、最低順位に凝縮できて、いくつでもはいれます。それでも、電界によって動かされないということではありません。むしろ、クーパー対を形成して超伝導になる可能性のほうが大きいのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

回答していただきまして、ありがとうございました。
ボーズ粒子の辺りが勉強不足で、良く分かりませんが、
これをきっかけにもう少し調べて見たいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/18 16:43

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