車のフロントガラスが凍結しているので、熱湯90-100℃をかけても大丈夫か?
質問検索したところ、「やめた方が良い、50-60℃位にしておいた方が良い」という
回答と、「大丈夫です」という回答と両方ありました。
私も実際に経験したのは、熱したガラスに水をかけた場合です。この場合、おそらく
お湯が沸騰してしまい、蒸発したから、100℃以上vs室温の水25℃程度。逆のケースは
たまたまかもしれませんが、経験したことはありません。
凍結したガラス -5℃? vs 熱湯90-100℃。
前者の100℃以上がどの位なのかが問題になりそうですが、場合によってはどちらも、
100℃程度の温度差。温度の上下関係によって違いはあるのか、、、?
うまく整理できません。
よろしくお願い致します。
以上
No.11ベストアンサー
- 回答日時:
論点がはっきりしてきましたね.
ガラスが0℃以下だったとしても,ガラス表面の水が凍るとは限りません.
物質から物質に熱が伝わるのは,「熱伝達」という用語を使うのですが,
ガラスと水のように完全に接している境界があったとしても,
界面両側のガラスと水の温度が同じになるとは限らないんです.
これは,伝熱の中でも一番難しい現象のひとつで,熱伝達の効率を表す
熱伝達係数という値は,最も求めにくい熱物性のひとつです.
ガラスの温度が非常に低く,水の量が少ない場合には凍りますね.
ですが,ガラスが-5℃ぐらいの場合,水がある程度多かったり
流れていたりすれば,界面におけるガラスの温度は-5℃でも,
水は+5℃ぐらいだったりすることも十分考えられます.
ですが,条件によってはガラスが氷点下なら水が凍る可能性はありますね.
この点はちょっと置いといて,先に進めます.
まず,ガラス上の氷を解かしたときに「氷→水」になる「水」ですが,
あとから来る水と一緒になります.
再び氷になってもいいし,流れていってもOKです.
次に,新たなモデルについて.
定着した氷を水で解かす系,ですね.
これについては,gatorさんの説明はほぼ正しいです.
一度氷ができてしまうと,後から来る水は,とりあえず比熱の分だけは
エネルギーを与えますが,流量が少ないと氷から融解熱を奪われて氷に
なってしまいます(このとき,元からある氷の温度が少し上がりますね).
結局,比熱の分しかエネルギーを与えられないので,
比熱だけで氷全体の融解熱をカバーしないといけません.
このために,大量の水が必要になります.
で,モデルの正当性についてですが,gatorさんの理解はほぼ正しいです.
ガラスの表面に氷が生成し,それを水で解かす場合には,
「全く異なるモデル」で考えればいいと思います.
最初のモデルの方は,ちょっと現実から離れているように思います.
ぼくのモデルは,生成した氷が解けたり生成したりするモデルです.
一番最初に,「お湯をかけて解かす」という条件を聞いていたので,
そういうモデルを考えたわけです.
実際には,50℃程度のお湯の場合には凍りつくことが多いので,
gatorさんの「全く異なるモデル」とぼくのモデルの間,といった感じに
なると思います.
融解熱の関与はあります.最初にガラスに熱を与えるのが融解熱ですし,ね.
ただ,融解熱の一番大きな影響は,生成してしまった氷を解かすのが大変,
という点だと思います.最初に言いましたが,0℃の氷50gと100℃のお湯50gで
50℃の水になると思っている人が案外多いです.
氷の潜熱はあなどれません.解かすのは大変です.
ところで,gatorさんは,どういった分野の方なんですか?
差し支えなければ教えて下さい.
これほど熱に関心がある人って,珍しいですよね.
ぼくはプラスチックの劣化(熱衝撃とか)を研究してます.
ご回答ありがとうございます。ほぼ解決としてよさそうです。
>ガラスが0℃以下だったとしても,ガラス表面の水が凍るとは限りません.
・・・
>熱伝達係数という値は,最も求めにくい熱物性のひとつです.
この概念は存じませんでした。接していれば、十分に時間が経過した後には完全に
等温になる、温度差があれば、熱が移動して等温になると思っていました。
モデルに関してですが、確かにどんどん氷が成長していくというのは現実とは離れて
いますよね。ただ、「温度変化でガラスが割れるか」を考える際に、もっとも熱の移動が
大きい場合、つまり、比熱+融解熱の全てをガラスに与えるという極限を考えました。
過大評価でしょうけと、過小評価になってはいけないと思ったので。
現実に近いモデルとしては、水が流れる場合も含め、
氷が少しでも成長した場合→氷が増えた分、融解熱が関与している。
氷が成長しないか、減った場合→融解熱は関与していない。
ということで良いでしょうか。
さて、私ですけど、、、製造メーカーの研究所にいます。仕事で熱に関することを
やっているわけはありません。拡散方程式というか、微分方程式すら使っていません。
四則演算で事足りています(泣)。熱に関心があるというよりは、物理、化学、数学全般が
好きという感じです。
本当にありがとうございました。
以上
No.16
- 回答日時:
90℃×300mlで氷が解けたということは,ホントにわずかな氷だったんですね(笑).
ワイパーのゴムのこともあるので,90℃はちょっとオススメできませんが,
50℃ぐらいだったら大丈夫だと思いますので(コップ2杯で解けるはず?),
もし,その方法が便利なら,それもアリかな?って思います.
ただし,その方法がスキー場では通用しないことを覚えておいた方がいいと思います.
あと,ご存知とは思いますが,ウォッシャー液はダメです.
すぐに凍りつきます.
熱効率についてですが,相変化がない場合,例えば30→70℃と70→30℃では,
大雑把に言って伝熱効率の違いはありません.これが10⇔90℃となると,
気化熱の影響で加熱の方がマイルドになるでしょうね.(もうOKですね?)
しかし,コップの場合には気化熱は水の表面から奪われるので,コップへの
熱伝達という点で,あまり「熱効率削減」の効果にはなりません.
それよりも厳しいのが,熱応力の方向の違いですね.
この回答への補足
なかなか締め切らないで申し訳ございません。まだ、見ていただけるでしょうか?
実は#5のキズの影響についてもう一度考えていました。非常に初歩的なことだと思いますが、
なぜかわからないので。
熱くなったガラスの一方の面(表とします)に水をかけます。
その面は収縮しようとするので、引っ張りの力が働きますよね。従って、その面にキズ
がある場合は、割れやすい。キズが開くような力の方向だから。
で、反対の面についてですが、働く力は圧縮の力で良いのでしょうか? 表面が収縮
しようとするから、裏面は圧縮の力ですよね。これは、#5の
>しかし,片面からお湯をかける行為は,別の見方をすれば,裏面を冷却している,
>とも考えることができますよね.
の考え方と一緒ですね(表面と裏面は裏返しの関係)。キズがあってもキズが塞がる方向だから
比較すれば割れにくい。
でも、なんか水をかけた面が収縮してそちらを内側にして反るような現象も想像
できるのですが、そうすると裏面は引っ張りの力???
ガラスの厚さによるのかな?
回答がいただけなかったら、新しい質問として立ち上げます。
以上
ご回答ありがとうございます。お礼が遅くなり申し訳ございません。
>90℃×300mlで氷が解けたということは,ホントにわずかな氷だったんですね(笑).
そうなんです。実は。お騒がせ致しました。
でも、雪国では違うということを覚えておきます!
以上
No.15
- 回答日時:
しょうたです。
ぼくも、実際に凍結したフロントウィンドウに熱めのお湯をかけたことが
あるんですが、表面に一旦氷ができてしまうと、お湯が表面をさらさらと
流れるだけで、氷はあまり解けないし、ワイパーは痛めそうだしで、
あまりよくない気がしました。
No13の方と同意見で、多量なお湯が必要だと思います。多分、熱湯であっても
ヤカン1杯とかでは無理で、瞬間湯沸し機で連続的にかけないとダメでしょうね。
解凍用のスプレーは、急いでいるときなどに有効ですよね。でも、コストが
かかるし、ワイパーや周囲のゴムを痛めると思います。
氷を削り取る道具(スクレイパー?)は、三角形の平板状のものと、
熊手みたいなものがありますね。ぼくは三角のを使ってますが、雪国の人は
熊手みたいなのをよく使うみたいです。
ゴム手袋をしてやるといいですよ♪
蛇足ですが・・・
「ガラスに水をかける」というのに似た現象で「コップにお湯を入れる」と
いうのがありますね。この場合、冷えたコップにお湯を入れるケースの方が
ずっと割れやすいと思います。お湯を入れるとガラスの内側が膨張して、
外側が引っ張られるような状態になるためです。ガラス表面に縦方向の
微小なき裂があったりすると、非常に割れやすいですね。
ご回答ありがとうございます。
実はお湯かけてみました。ポットのお湯だから90℃くらい。容器が無かったので、
マグカップ。300cc程度でしょうか。で、もしかしたらすごく寒い地方を想像されて
いたかもしれませんが、そうでもないのです。雪も例年は積もるほど降る事もありませんし。
ただ、湿気があるのか、寒い日は凍ります。会社帰り、ここしばらく凍っては
いませんでしたが、今日久し振りに凍っていました。フロントだけだったら、300cc
で融けました。まあ、50-60℃程度のお湯をもう少し多く用意した方が良いかなと
思いました。
コップの件ですが、一応私の印象では冷たい→温める方向は、熱い→冷やす方向よりは、
大丈夫ということでしたが、やっぱり割れることもあるのですね。ご説明も理解でき
ました。
ありがとうございました。
以上
No.14
- 回答日時:
本来の議論から脱線して申し訳ございませんが、
追加させてください。
>削ると白く残り、視界が悪くなるかなと考え、
>お湯で融かそうかと考えてみました。
>うまく削れるよう試してみます。
外気や環境によって、熱湯をフロントガラスにかけることを
完全否定するつもりはありませんが、
削るための”道具”購入をお勧めいたします。
車備品販売店には ¥150-¥500円程度でフロントガラスへ凍結した氷を
削る道具が売られています。これを使うと最もきれいに取れます。
・・・弘法筆を選ばず・・・という例えありますが、
目的達成には、それなりの道具が必要です。
また蛇足ですが・・・
解凍用のスプレー缶は、優れものとして販売されています。
実はこれも落とし穴があります。ワイパーが凍結すると
視界確保できず、役立ちません。
(寒冷地冬用のワイパーに変更されている方は別です・・・)
ご回答ありがとうございました。
実は三角形をしていて、
1辺はゴム、1辺は氷落とし、もう1辺は???の商品を持っていました。
でもなんだか、がりがりやるのが嫌で、「使わず嫌い」でした。
今度使ってみます。
スプレーもなんだか、ガラス周辺のゴムの部分がしみになりそうで、
控えていました。
以上
ありがとうございました。
No.13
- 回答日時:
既に#12 Shota TKさんが計算結果を出ていますので、
私は寒冷地での得失について回答致します。
実用上は、凍結したフロントガラスに沸騰した熱水をかけても割れません。
凍結したフロントガラスが割れる為に必要な衝撃熱量は、ヤカン程度の
水量では足りないためです。
(氷を沢山入れたコップに 熱湯注いでも割れない理由と同じ。
氷が断熱材の働きもする。)
しかし、生活する上では、”やめたほうがよい。” が私の結論です。
理由は、科学的なことではなく、安全性と経済性の観点からです。
1.寒冷地では、熱水をフロントガラスにかけても、すぐに冷え切ってしまう。
2.ワイパーの拭取り性能が悪く、拭いても一部が濡れていると凍結しやすい。
3.熱水から冷却された水は不純物が少ないため、透明な硬い氷が出来やすい。
4.3.の影響でフロントガラスは視界不良になる。
5.無理に透明な氷を削り取ろうとすると、フロントガラス表面を傷つける。
6.削り取らなければ、視界が確保できず、事故の危険が高まる。
(フロントガラスが割れる確率よりも高いと考えます。)
この氷が溶けるまで待つならば、暖機運転に時間を要する。
*熱水によって、ワイパー用ゴムの劣化や短寿命、さらには
車体塗装劣化も発生しうる。
よって、やめた方が良い というわけです。
寒冷地では、フロントガラスの表面は乾燥させることが重要です。
このため、凍結したフロントガラスは お湯などかけないで、
最初からプラスチックの道具で削る。 または、暖気運転させて
フロントガラスを暖める。 ・・・ これしかありません。
ご参考まで、熱いガラスに冷たい水をかけると、この間には
断熱作用を保つ物質が無い為、熱衝撃力がまともに加わり
割れやすくなります。
ご回答ありがとうございました。
やはり、冷たいガラスを温める方向では割れにくいということですね。でも、、、
他の要因から、やらない方が良いと。わかりました。
削ると白く残り、視界が悪くなるかなと考え、お湯で融かそうかと考えてみました。
うまく削れるよう試してみます。
ありがとうございました。
以上
No.12
- 回答日時:
熱伝達についてです。
例えば、大量に存在する80℃の熱媒中に20℃の物体を投げ込んだ場合、
物体表面が瞬時に80℃になる、と仮定して解くのが一般的です。
(そうしないと熱伝導の微分方程式が解けないので)
しかし、実際には物体表面は徐々に80℃に近づきます。
また、熱媒の方も、物体近傍では温度が低下していますね。
これを厳密に解くのはとても難しいんです。
熱媒の方が大量にあれば、物体はやがて80℃で均一になります。
物体が80℃均一になるまでの時間は、熱媒の撹拌条件にも依存しますよね。
熱伝達係数は、まさに撹拌条件の影響を受けるんです。
モデルについてですが、氷がガラス表面に生成すると、確かに
比熱+融解熱をガラスに与えます。
ガラスと水だけに注目すると、氷が生成した方が厳しい条件になります。
しかし、氷が「熱のクッション」の役割をするために、
後から来る水による加熱を無効にしてしまいます。
だから、実際の条件としては、氷が生成した方がマイルドだと思います。
ガラスと氷の間のモデルについては、「氷が成長したら融解熱が関与」、
「氷が減るのは融解熱関与せず」でいいと思います。
ただし、氷が減るときには、氷と水の間で融解熱が関与しますね。
お、gatorさんはメーカーの研究者さんでしたか☆
ぼくは大学関係です。科学、哲学なんかが好きです。
ご回答ありがとうございます。
本当に辛抱強く教えていただきありがとうございました。
今回の議論ではモデルの立て方がポイントだったと思います。
他にも知らなかった概念について知ることができました。
ありがとうございました。
以上
No.10
- 回答日時:
熱についてですが,何が違うのかわかりました!
gatorさんは,氷が成長し続ける系を想定してるんですね.
だとしたら,その考え(融解熱をもらい続ける)は正しいです.
熱の収支だけを考えると,それでいいと思います.
ただ,今回の問題は,水でガラスを暖める,というケースですよね.
だとしたら,表面に氷が成長し続けるという仮定は不自然ですよね.
もし,表面の氷を解かし続ける系でしたら,やっぱりぼくが説明した通り,
融解熱は熱効率には寄与しないと思います.
例えば,ガラスが非常に厚く,温度がとても低い場合には,
水がどんどん氷になってガラス表面に「堆積」していくと思いますので,
そのような系の場合には,gatorさんの考えの方が適切です.
さて,氷が定着した場合ですが,氷の厚さは刻々と変化しますよね.
さらに,ガラス板に熱を奪われ,水から熱を与えられ,表面の一部は
溶融しながら,一部は新たに氷になります.
氷が水との界面で「氷⇔水」と相変化するので,とても難しい系だと
思います.
例えば,ガラスが-250℃で,水の変わりに液体窒素-190℃をかけるような
系でしたら,熱伝導だけで議論できます.
本題(ガラスの氷を解かす)から離れましたが,ガラス表面に氷が生成すると,
氷には融解熱があるのでお湯では案外解けにくいものです.
お湯で解かしている間も,ガラスに熱を与えて(ガラスが零下の場合)
氷を増殖します.だから,やっぱり「お湯で解かす」のはオススメできないですね.
ありがとうございます。
同意点が増えてきていて嬉しいです。
>gatorさんは,氷が成長し続ける系を想定してるんですね.
>だとしたら,その考え(融解熱をもらい続ける)は正しいです.
>熱の収支だけを考えると,それでいいと思います.
その通りです。
>ただ,今回の問題は,水でガラスを暖める,というケースですよね.
>だとしたら,表面に氷が成長し続けるという仮定は不自然ですよね.
>もし,表面の氷を解かし続ける系でしたら,やっぱりぼくが説明した通り,
>融解熱は熱効率には寄与しないと思います.
ガラス温度が0℃以上になるまでは、氷は成長し続けると思います。
表面に水をかける→氷が融ける→この水はどうなると想定されているのでしょうか?
ガラス温度が0℃未満の場合、ガラスの上の氷も0℃未満になっています。その上の
氷は凍るはずです、、、。
私にも相違点がわかってきました。
私のモデルは水をかけることによって、ガラス+氷の系全体の温度を上げていって、
(途中までは氷が成長していくが)最終的に、0℃以上にしてやるというモデル。ガラス上の
水は常にその場所に留まり、定常状態で凍るのだったら凍る。
それでは、全く異なるモデルを考えます。氷を融かして除去するためにはどうするか? 全体が暖まる
までなんて悠長なことを言ってないでとにかく除去してやろうというモデルです。
氷を成長させてはいけないから、融けた水は流してやる(確かに最初に例として出した
車のフロントガラスは斜めだから、流れて行くのでこちらの方が近いですね)という
ことです。かけた水自体も凍ってはいけないので、比熱分50calだけ氷に与えたら
流してしまう。この場合だったら、かけた水の融解熱は関与せず、かけた水の比熱分
のみが、最初からついている氷を融かす融解熱に使われるということになり、大量の水が必要になりますね。
さて、より現実的には、、、私のモデルと上記で私が書いた「全く異なるモデル」
の中間ではないでしょうか? かけた水の一部は私のモデルのように凍るし、一部は
「全く異なるモデル」のように流れていって融解熱を系に与えられない。その割合
がどのようになるか、、、、???
確かに難しいです。でも、「一部」は融解熱は関与していますね。
shota TKさんの想定されているモデルはこの混合モデルなのではないでしょうか?
以上
No.9
- 回答日時:
まず、最初に残った疑問を片付けましょう。
融解と気化を伴わず、表面に傷が全くないとして、
「95℃のガラスに5℃の水をかける」のと「5℃のガラスに95℃のお湯をかける」のは、 どちらがガラスが割れやすいか、ですね。
きちんとした言い方をしますね。ガラスに生じる「熱応力」は同じと考えていいと思います。応力とは、断面積あたりの力のことで、破壊の原動力となる物理量のことをいいます。
しかし、ですよ、表面に傷がないということは、ありえません。
その仮定は、材料強度学においては、非現実的です。
だから、熱応力は同じでも、表面に引張応力がかかる「冷却」の方が
割れやすい、というのが答えです。
破壊を扱わない学問(弾性論)の範囲でしたら、「熱応力は同じ」別な言い方を
すると、「材料に生じる変形量は同じ」と考えていいと思います。
gatorさんが、かなり専門的に突っ込んできているので(すごいです)、
どうしても専門的にしか答えられないんです。
用語が難しかったらお許し下さい。
次に、熱の移動について。
熱い方はOKです。
表面が凍る場合については、やはり間違ってると思います。
>つぎに来る水が最初の氷を融かしたとします。この時、ガラスの温度はまだ0℃以下
>だったとすると、この水は再びガラスに熱を与え凍ります。最初の氷、次に来る水とも
>最終的に凍るとすれば、熱の収支としては、ガラスに850cal x 2の熱を与えたこと
>になります。
最初の水がガラスに850calを与えて、自分自身が凍るところまではいいですよね。
次に来る水は、氷に850calの熱を与えて解かさないと、ガラスには到達できません。
言ってみれば、ガラスを暖める熱のうちの850calを氷に奪われるわけですから、
計算は850-850になって、融解熱の寄与はなくなると思います。
ガラスの上に氷がない場合は、熱容量だけのやり取りでOKです。
また、ガラスの上に氷が定着しちゃう場合は、ちょっと複雑です。
熱効率は非常に悪くなると思います。
お付き合いいただきましてありがとうございます。
残った疑問は片付いた気がします。ありがとうございます。
で、熱の移動について(しつこくてすみません)。
>最初の水がガラスに850calを与えて、自分自身が凍るところまではいいですよね。
>次に来る水は、氷に850calの熱を与えて解かさないと、ガラスには到達できません。
>言ってみれば、ガラスを暖める熱のうちの850calを氷に奪われるわけですから、
>計算は850-850になって、融解熱の寄与はなくなると思います。
はい。ここで、厳密には後から来た850calを最初の氷とあとからの水で山分けすることに
なると思いますが、「熱の収支を考える」思考実験としては850calのやり取りがあると
考えて進めても良いと思います。で、後から来た水は850cal氷に与えて、0℃の氷
になります。で、850cal貰った最初の氷はとけて、水になります。さて、この水ですが、
「水」なので自分が再び凍って、その融解熱を与えることができます。十分熱容量が大きく、
まだ0℃以下であるガラスにその熱を与えることが可能な訳です。つまり、850-850=0
なのではなく、最初の氷は850calを貰って一度融けると、再び凍って、その850calを
ガラスに与える「バケツリレー」ができるのではないかと考えます。5℃の水を掛け続けると、
一時的に氷が融けることはあっても、最終的にはガラスの温度が0℃以上になるまでは
氷が成長し続けます。そのぶんだけ、ガラス+氷の系には850calが与えられ続けると
考えて良いと思います。
熱は温度の高いところから、低い所へ流れますよね。ガラスの温度が低ければ、そちらへ
流れるのではないでしょうか?
さて、氷が定着する場合は、氷自体は融解を伴わなければ、熱伝導率に従って熱を
伝える単なる層があると考えればよいだけのことではないでしょうか?
以上
No.8
- 回答日時:
熱にお詳しいですね.
「水とガラスの熱の授受」だけを見ると,gatorさんの説明は正しいと思います.
しかし,やはり融解熱は寄与しないと考えるべきだと思いますよ.
まず,気化熱の場合,熱を奪った水は蒸気になって系外に出ています.
だから,後からやってくる水は,また新たに気化熱を奪うことができます.
これはいいですよね.
次に氷になる場合.
もし,水が氷になって,バラバラと表面からはがれ落ちるなら,gatorさんの
説明で正しいと思います.
しかし,氷になった場合,ガラスの表面に付着しますよね.
せっかくガラスにエネルギーを与えて自分を氷にしても,つぎにくる水は
氷を解かさなきゃいけません.ここで融解熱はプラスマイナスされますから,
結局,熱の出入りに融解熱の大きさは寄与しません.
仮に,融解熱が気化熱より大きかったと仮定して下さい.
水は,ガラスの温度を大きく上げて,自らを巨大な氷にしますよね.
しかも,この氷はガラスの表面に膜状に付着します.
後からくる水は,結局,大きな融解熱でこの氷を解かさなければいけませんよね.
氷が系外に出ない限り,融解熱の寄与はないと思います.
0→10℃と90→100℃の温度変化を与える熱量は,外に出ていくエネルギーが
ないと仮定すれば,基本的には同じだと思います.
実際には,室温は20℃ぐらいですから,90→100℃の方が大きなエネルギーが
必要になりますね.
熱の本質は振動ですので,熱伝導とは振動の伝わりやすさです.
中身がギッシリ詰まったものは,熱伝導率が高いです.
一般に気体<<液体<固体の関係にあります.
この回答への補足
すみません。お礼の直後ですが、もう少しshota TKさんのご回答に沿った形で反応
します。
>しかし,氷になった場合,ガラスの表面に付着しますよね.
>せっかくガラスにエネルギーを与えて自分を氷にしても,つぎにくる水は
>氷を解かさなきゃいけません.ここで融解熱はプラスマイナスされますから,
>結局,熱の出入りに融解熱の大きさは寄与しません.
つぎに来る水が最初の氷を融かしたとします。この時、ガラスの温度はまだ0℃以下
だったとすると、この水は再びガラスに熱を与え凍ります。最初の氷、次に来る水とも
最終的に凍るとすれば、熱の収支としては、ガラスに850cal x 2の熱を与えたこと
になります。
場合を尽くすため、つぎに来る水が最初の氷を融かした時、ガラスの温度が0℃以上
だった場合。これは、つまり、つぎの水をかける前からガラスは0℃になっていたはず
ですね。つまり、0℃のガラスと0℃の氷10gに5℃の水を10gかけるということですね。
これは、あとから来た水が0℃になって50calを最初の氷に与えて50/80=0.625gの氷
を融かして、9.375gの氷と10.625gの水になったあとは、系全体が0℃になるので、
熱の移動はなくなります。まあ、ガラスの温度が0℃以上になってしまえば、もう融解熱
の出番は殆どなくなりますので、水の熱容量だけの話になりますね。
以上
またまた、ご回答ありがとうございます。
No.7のお礼に書いた、
> 105℃のガラスに95℃の水10gをかける。
> -5℃のガラスに5℃の水10gをかける。
で、最終的に、100℃の水蒸気になって、Total 5450calをガラスから奪ったのと、
0℃の氷になってTotal850calを与えたところまでは、良いのですよね。
(ポイントは同じ量で同じ温度差の水をかけても、熱の授受は熱い例の方が格段
に大きい。つまり、熱いガラスに水をかけた方がガラスが割れやすいということです)
で、次にまた水をかけたらどうなるか、繰り返したらどうなるかということですね。
それでも、問題無いと思うのですが。。。
まず、熱い方。また95℃の水10gをかける。上記と同様に5450calの熱を奪う。この繰り返しで
良いですよね。
では、冷たい方。こちらも、既にある氷は、新たにかけた水の熱を伝える役割をし、結局は新た
に掛けた水の熱容量と融解熱を与えることになると思います。あとから水をかけた時に、
最初の氷がもし融けなければ、氷はただ、その熱伝導率に応じて熱を伝える固体と考えられま
す。また、勿論最初の氷が融けたとしても、最終的に全部氷になるとすれば、あとからかけた
水の熱容量+融解熱が上乗せされてガラスに与えられます。
つまり、最初にかけた水が0℃の氷になってTotal850calを与えた。そこに再び5℃の水10gをか
ける。最終状態として、0℃の氷20gとなれば、どう考えても再び850calを与えたことになります
よね。
ガラスの温度が上がってきて、0℃以上になれば、融けた氷は水のまま。とすれば、熱の移動
は水の熱容量50calだけであり、「熱いガラスに水をかけた方がガラスが割れやすい」という
説をより強く支持することになります。
ということで、残った疑問。(上記にまだ問題があれば、指摘してください)
融解と気化を伴わなければ、且つ傷とか形状が対称?というか、均一であるばあい、温度差の
方向によりガラスの割れやすさの違いはあるのでしょうか?
つまり、「95℃のガラスに5℃の水をかける」のと「5℃のガラスに95℃のお湯をかける」のは、
ガラスの割れやすさは同じなのでしょうか?
以上
よろしくお願い致します。
No.7
- 回答日時:
No6さんへの補足に対してです.(熱の方向について)
例えば,20℃の物体に50℃のお湯をかけるのと,50℃の物体に20℃の水を
かけるのと,どっちが効率がいいか,ということ考えると,
50℃の物体に20℃の水で冷やした方が効率がいいです.
この原因は気化熱ですね.
次に融解熱ですが,誤解していらっしゃるかも?
例えば,0℃の水50グラムと100℃のお湯50グラムを混ぜると,50℃になります.
しかし,0℃の氷50グラムと100℃のお湯50グラムを(氷が解けるまで)まぜると
約23℃になります.これは,氷が「潜熱」を持っているからで,
この「氷を解かすのに必要な熱量」を融解熱といいます.(参考URL)
では,-5℃の物体にお湯をかけて氷ができたとしましょう.
例えば,物体が0℃になることでお湯からエネルギーを奪い,
表面に0℃の氷ができたとします.
(このとき,物体が融解熱をもらい,その分,お湯が融解熱を
奪われて氷になったことになりますね.)
今度,その氷を解かすには,潜熱(融解熱)の分だけ
お湯からエネルギーを与えないといけません.
つまり,物体表面に氷ができたとしても,融解熱は熱の出入りには
影響しないと思います.
気化熱の場合,熱を外に持ち出すので効果が出たわけですね.
で,ガラス表面に氷ができた場合ですが,熱の出入りよりはるかに
大きな影響があります.それは,熱伝達効率です.
表面に氷ができてしまうと,氷は0℃以上にはなりませんから,
強力な保冷材になってしまうんです.
凍ったガラスというのは,熱容量が非常に大きいため,
多少のお湯をかけたぐらいでは,お湯の熱を猛烈に奪って
表面に氷の膜を形成します.そうなると,潜熱を持った氷がお湯に対する
抵抗層になり,伝熱効率を著しく阻害します.
よって,氷ができる場合とできない場合で,効率は大きく異なると思います.
氷ができないとしても,気化熱の効果から冷却の方が効率がいいと思いますし,
氷ができるようなら断然冷却の効率がいいと思います.
熱については以上です.ガラスの熱による割れについては,
熱のことと,力の方向のことが重要になりますね.
なお,上記の話は,かなり大雑把な話です.
参考URL:http://okumedia.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/ex …
またまた、ご回答ありがとうございます。
融解熱の件ですが、問題無いと思いますよ。
No6の補足で書いたことを具体的に説明しますと、次の例のようになります。
温度差とお湯/水の量は同量にします。簡単にするために、質問とは状況が変わりますが。
105℃のガラスに95℃の水10gをかける。
-5℃のガラスに5℃の水10gをかける。
ガラスは熱容量がおおきく、定常状態になっても100℃以下/0℃以上にはならない
とする。で、95℃の水がガラスから奪う熱量と、5℃の水がガラスに与える熱量の
大小を比べたいということです。(これが同じだったら、歪は同じと考えて良いの
でしょうか?)
まず、100℃の水10gになったとしましょう。5*10=50calの熱を奪ったことになります。
同様に0℃の水10gになったとすると、50calの熱量を与えたことになります。
ここまでは一緒です。で、105℃だったガラスはまだ100℃以上、-5℃だったガラス
はまだ0℃以下だとします。100℃の水は蒸発します。(補足ではkJ/molという単位
を用いましたが、calで行きましょう。100℃の水の気化熱は540cal/g、0℃の水の
融解熱は80cal/gになります)
100℃の水10gが100℃の水蒸気になったとすると、5400calの熱を奪います。
0℃の水10gが0℃の氷になったとすると、800calの熱を与えます。水-氷と変化するだけで
温度はかわりませんが、この熱の授受により、ガラスの温度が変化し、歪の原因になるので、
この違いは大きいと思います。やはり、気化を伴う場合は、奪う熱が非常に大きくなるということが
わかりました。如何でしょうか?
熱伝導率を調べてみました。0℃の氷2.2W/m・K、0℃の水0.56W/m・Kで氷の方が
熱伝導は良いのですね。ついでに、熱容量も水の約半分程度のようです。
以上
ありがとうございました。
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