プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

こんにちは。お世話になります。
タイトル通り、映画「ノーカントリー」(2007年)についてこちらや他のサイトで確認をしたのですが、いくつか分からないことがありましたので、ご存知の方にご教授をいただければと思い投稿させていただきました。幼稚な質問かも知れませんが、どうかよろしくお願いいたします。

I.原題では「No Country for Old Men」ですが、そもそも何が「ノーカントリー」なんでしょうか?保安官が銃撃戦となったモーテルに到着した際に、「管轄ではないから無線が通じない」といいましたが、そのことを表しているのでしょうか?

II.映画の最後の方に登場する、猫が沢山いる汚らしい家に住んでいた老人は誰でしょうか?

III.映画の最後の最後で保安官が奥さんに夢の話などをしますが、あのシーンで言い表そうとしていたのはどのようなことでしょうか?

とても面白い映画だと思いましたが、島国で治安も良く地域格差もそれほどない日本人には理解しづらい内容なのでは?・・・と感じてしまいました。
自分で「面白い」と言ったのはいいですが、正直、どこが面白かったのかを上手く表現できません。

A 回答 (2件)

簡単にご説明いたします。


【No Country for Old Men】
「ノーカントリー」の原題は、「No Country for Old Men」で、
意訳しますと、もはや、年寄りの住む場所ではないという事ですね。
大量虐殺が平然と行われる殺伐とした世の中になったものだと、
老人が嘆いた言葉が題名になったと思います。
【猫と住む老人】
保安官の親戚の保安官補で、昔、追っていた犯人に撃たれて半身不随になった老人です。
おそらく障害年金で生活しているのでしょう。
家族がいないので猫を飼っているのでしょう。
【夢の話】
夢の話はこうですね。
私は親父と馬に乗り山を越えていた。地面は凍って、親父は私を追い抜いて先に行った。
手に火を入れた角を持っていた。角の色は月の様な色だった。
先に行って火を炊いて親父が私を待っているという夢だった。
夢の暗示するものは、
殺し合いが平然と行われる凍りついたような世の中なんか住む世界でないから、
待っているから早く俺(親父)の住むあの世に来いというメッセージだったと思われます。

余談ですが、エンディングの音楽も大変不気味な曲でした。
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この回答へのお礼

詳しいご説明ありがとうございます。
原題がそういう意味での「ノーカントリー」だという事を知れて本当に良かったです。
割と正直な、というか真っ直ぐな映画だったんですね。
だからこそ余計に恐怖心を感じさせたのかもしれません。

素早いお返事ありがとうございました!

お礼日時:2008/12/30 14:50

2)の質問は#1さんの解答でいいとして、1)と3)は、どちらかといえば原作小説が抱えるテーマ性、文学性の範疇になるでしょう。

そもそもこの映画はコーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』をかなり忠実に脚色したものです。
だから正解はひとつではありませんし、読者が感じるままでいいのですが、1)について私自身の解釈を。

この映画のように、三人の男それぞれ独立的に登場する欧米の物語の場合、ここに宗教性が加味されると、神と人間の対比が現れる場合があります。
例えば、神と悪魔と人間。あるいは、善人と悪人と天使。いろいろな組み合わせがあります。

具体例で言うとセルジオ・レオーネの『続・夕陽のガンマン』(原題:THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY)や、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のトム・クルーズ、ブラッド・ピット、クリスチャン・スレーターの関係、などです。

『ノーカントリー』に当てはめると、保安官、無法者、純粋悪、ということになります。for Old Menと複数になっていることから、保安官と無法者は少なくともお互いを理解することはできる、でも純粋悪であるアントン・シガーはまったくもって理解できないのだ、だから我々(保安官=無法者=人間)の住むところはもはやどこにもないのだ、という畏怖の気持ちだと思っています。

実は、現代の日本でも、無差別殺人事件に代表される「理解できない悪」があるわけなのですが、これは今という時代のせいというより、人間がもともと持っていながら制御できない「内なる闇」のことだとも思うのですが、このあたりはそれこそ感じ方は人それぞれということですね。
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この回答へのお礼

詳しいご説明ありがとうございます。
確かに登場する3人の姿は、各々で色濃く役割が決められているのを強く感じました。
やはり宗教性なども関わってくるものなんですね。

3人とも独立した強い孤独を背負っている人間だと、観ていて感じました。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/12/30 14:59

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