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パウリ行列は量子力学のスピンの話のところで出てきますが、
これがどういうものなのかどうしても理解出来ません。

http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/koramu/lee0 …

ここのページによれば
x^2+y^2+z^2
の因数分解を可能にするのが「パウリ行列」だそうですけど、
つまりはどういうことなのでしょうか?
この因数分解が出来れば、なぜスピンを記述出来るというのでしょうか?

A 回答 (2件)

質問者さんのレベルがわからないですが、”これがどういうものなのかどうしても理解出来ません。

”とお聞きになっているのなら入門レベルだろうと想像します。私のレベルは相当低いですが、それでも厚顔にも一応コメントします。まず第一に御質問の中で挙がっているサイトはPauli Matrixの入門には不向きと思います。
普通にシュレディンガー方程式を書く時
H=P^2/2m+V...(1)
Hψ=(ih/2π)∂ψ/∂t...(1)'
の形を書きます。Pは運動量でPx=(h/2πi)(∂/∂x)とかになるのはご承知のとおりです。水素原子の場合Vはr(核と電子の距離)のみに依存する形V=V(r)です。一方で大抵の量子力学の講義では予め角運動量演算子とか交換関係とかを説明されて、それから(1)の右辺のPx^2+Py^2+Pz^2を極座標にする中でいつの間にか(というと語弊があるでしょうが)角運動量演算子の2乗が分離されて登場してきます。よって軌道角運動量はハミルトニアンを(1)と書いて計算する時に自然に入ってきます。だから、ハミルトニアンにどのような演算子を組み込んで変数をどうするなどということを考えなくて済みます。角運動量演算子の中味も
L=rxP(xは外積)...(2)
Lx=yPz-zPy,Ly=zPx-xPz,Lz=xPy-yPx...(3)
とわかっていることになっています。
ところがスピンは、もとのHの構成要素のように古典力学にはないものです。あとからシュレディンガー方程式に組み込むしかありません。(もっとも後から出たDirac方程式だと自然に出てきますが)そしてスピン角運動量は(1/2)(h/2π)とわかっていることにします。
スピン無しの波動関数ψ(x)(ここでのxは位置座標(x,y,z)を代表してます。)に対して、スピンについてだけは1/2と-1/2をとるスピン変数を組み込んでψ(x,+1/2)とψ(x,-1/2)とし、それぞれが、電子がxという位置にあってスピンUpの確率密度が|ψ(x,+1/2)|^2、電子がxという位置にあってスピンDownの確率密度が|ψ(x,-1/2)|^2ということにしてやれば、一応よいらしいのです。こうなると下に書くようにシュレディンガー関数は2成分からなる関数と考えられます。
(ψ(x,+1/2))
(ψ(x,-1/2))...(4)
これは形は縦に書いたベクトルに似ていますが、座標回転にたいする挙動がベクトルとは異なるものです。(スピノルとかを勉強して下さい。)
状態はそれでよいとして、スピンの演算子はどうなっているのか、がまた問題になります。Pauliは角運動量の交換関係をh/2πを単位として書くと
[Ly,Lz]=iLx,[Lz,Lx]=iLy,[Lx,Ly]iLz...(5)
|L|^2=l(l+1)...(6)
となることに倣って、スピンについても(5)と同様の交換関係と(6)に対応して
|s|^2=(1/2)(1/2+1)=3/4...(7)
が成り立つと仮定したのです。そして2行2列のマトリックス
σx=
(0,1)
(1,0)
σy=
(0,-i)
(i,0)
σz=
(1,0)
(0,-1)
を導入しました。(これがPauli Matrixです。)そして
sx=(1/2)σx
sy=(1/2)σy
sz=(1/2)σz
としたのです。こうすれば軌道角運動量と同じく(5)と類似の交換関係と(7)を満たすものになってくれます。そして
sxψ=
(1/2)x
(0,1)(ψ(1/2))
(1,0)(ψ(-1/2))(ここで1/2は普通の数ですが、そのあとは(0,1)(1,0)という2行2列のMatrixを2成分の縦ベクトルに似たψに掛けたものです。)
=
((1/2)ψ(-1/2))
((1/2)ψ(1/2))
となります。なお、ここではxは直接関係ないので省いてあります。計算はMatrixをベクトルに掛けたと思えばわかると思います。以下同様にして
syψ=
((-i/2)ψ(-1/2))
((i/2)ψ(1/2))
szψ=
((1/2)ψ(1/2))
((-1/2)ψ(-1/2))
となります。ようするにSpinをシュレディンガーの式に組み込むときの演算子だと思えばよいと思ってます。
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「スピンとはSO(3)の既約表現のことである」ということは基礎事項なので既知とします。

SO(3)とは言うまでもなくx^2+y^2+z^2 を不変にする線形変換(かつ行列式が1)であるものです。ある次元のエルミート行列の空間に属する行列A, B について内積を
 〈A,B〉= Tr{AB}
で定義します。 x^2+y^2+z^2 を不変にするためには
 x^2+y^2+z^2 = Tr{g^2}
となるような行列gが求められれば、そのユニタリ変換がx^2+y^2+z^2 を不変にすることは明らかです。すると
http://www.geocities.jp/ikuro_kotaro/koramu/lee0 …
に説明されているようにgとしてパウリ行列の線形結合、ユニタリ変換としてSU(2)が導入されます。しかしなぜx^2+y^2+z^2 自身でなく、「因数分解」して考えるのでしょうか。それはSO(3)より普遍被覆群SU(2)を考える方が簡単だからです。普遍被覆群とは簡単に言えば「因数分解」を与えるような群です。詳しいことは成書をご参照ください。
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