細胞培養に用いる血清について、経験者の方にお伺いします。
現在、接着系の癌細胞の培養にイーグルMEM+10%のFCSを用いているのですが、
最近、新しい凍結FCSのボトルを解凍した際に、
底に沈殿量(おり)が以前より多くなってきているように思います。
0.22umのフィルターに通すと目詰まりを起こしてしまいます。
実はメーカーが定める使用期限よりもう1年半近くも過ぎていまして、
メーカーの営業の方いわく、「期限が切れると沈澱が多少多くはなるが、
品質にはそれほど問題は無いと思う」
とのことでしたが、実際のところ、いかがなのでしょうか。
試薬や抗体等は期限が切れていても使えるものも多いと思いますが、
ご意見をお聞かせいただければと思います。
今は、リン酸化におけるタンパク分子間の相互作用について解析をしていますが、
培養状態というのは、リン酸化の実験系への影響はどのぐらい大きいのでしょうか。
細胞は増殖しており、性質も一応は保っているようなのですが、
前任者の追試ができない実験があり、原因としてFCSの劣化による培養状態の変化ということも
考えられるのではないか、とも思ったのですが。。
培養細胞への影響を考えると、新しいものを購入した方が一番ベストな方法であるとは思いますが、
1本2~3万円という価格を考えると、まだ5本も残りのストックがありますので、
無駄なく使い切れたらとも思い、悩んでいます。
またもう一点お願いしたいのですが、ハイブリドーマの培養に関して、
癌細胞よりもグレードの高いFCSが必要とも聞きましたが、
もし同じFCSを使った場合、抗体産生能に影響が出てしまうのでしょうか。
細胞の種類や実験系により違うことと思いますが、アドバイスをいただけましたら幸いです。
よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちわ。
期限切れのFBSの件ですが、基本的にはそれほど影響はないと思っています。四年生達が細胞培養を覚える時、古い奴で残ってたのを使わせることがありますが、それほど影響はなかったと思います。
むしろ、新しいものを購入して、Lotが変わった時の方が用心しますね。一応は購入前にチェックしますが…。
一応、リン酸化タンパクのレベルは、FBSが入っているかないかで変わりますので、ご指摘の件は心配がまったくない、ということはできませんが…。一度、Serum freeの状態で確かめるべきではないでしょうか。ひょっとしたら細胞の状態の変化ほうがリン酸化レベルに対する大きいかもしれません。
最後にハイブリドーマの件ですが、確かそれようのFBSはIL6がリッチなものを使っていると聞いたことがあります。理由は抗体の産生に必要だからだそうです。
ご丁寧な回答をありがとうございました!
培養は経験に基づくところが多いと思いますので、とても参考になります。
メーカーではきちんと品質管理もされているので大丈夫だとは思うのですが、
早く使い終わるように、どんどん実験しないとダメですね!(笑)
ハイブリドーマ向けの血清についても、ありがとうございました。
今は培地添加剤としてIL-6を別に加えているのですが、あえて加えなくてもよくなりそうですね。通常よりも高価なようですが、検討してみます。
また質問させていただくことがありましたらよろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
FCSの影響度は
「Lotが違う」>「ちょっと古い」
だと思います。
ただ、1年半も使ってないものは経験ないのでわからないですね。まあ、気をつけて培養していれば少々はどうでもいいと思います。
FCSが古くなって培養状態が極端に変わるというのはあまりないと思います。なかったですし。
ハイブリドーマはやったことないです。すみません。
ご丁寧な回答をありがとうございました!
FCSは古いものよりもLotが違う方が影響が大きいとのことでしたが、
近く、新しい実験系を組む予定で、今準備の方も進めています。
途中でLotが切り替わってしまうよりも、早いうちにLotを決定して、その実験系には、新しいLotで培養した細胞を使った方がいいのかもしれませんね。
ボスに相談してみます。
また質問させていただくことがありましたらよろしくお願いします。
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