No.7ベストアンサー
- 回答日時:
そもそも、質問者さんは根本的なところで間違えているように見えます。
まず、「気化熱で機体の温度上昇を防」ぐという方法そのものについては、あながち間違いではありません。
ロシアのソユーズとか、アメリカのアポロなどでは、機体を「アブレータ」と呼ばれる樹脂で覆っており、熱で樹脂が蒸発するときの気化熱を利用して、機体の温度上昇を防ぐようになっています。
この方式の場合、温度上昇を防ぐためには、大気圏突入の最中にずっと「何かを気化させ続ける」必要があります。
そのため、原理的にある程度の量のアブレータが必要で、その質量がは無視できません。
一方、スペースシャトルの耐熱タイルは非常に軽い素材であり、非常に断熱性能が高いものです。表面温度が1500度になっても、その熱がほとんど機体には伝わりません。(タイルの片側を火がつくぐらいの高熱に熱しても、反対側は手でさわっても全然大丈夫なぐらいです)
もしスペースシャトルをアブレータ方式で大気圏突入させようと思ったら、かなりの重さのアブレータで表面を覆う必要があります。それに比べると耐熱タイルは格段に軽いのです。
「樹脂のかわりに水をアブレータにする」ことは不可能ではないでしょうけど、その場合でも「気化させ続ける」ことができるだけの「ある程度の量が必要」になることはどうしても避けられません。
耐熱タイル方式にくらべ、格段に重くなるのは確かです。
> 耐熱タイルをくぼませて、そこに水蒸気の層を作って断熱したら少量の水でも解決しませんか?
最初に供給した水が気化した時にはその気化熱による冷却効果が出ますが、
「水蒸気の層」を作って以降は、もう「水を気化させる」ことができませんから、熱くなる一方です。
水蒸気は冷却効果のない、ただの断熱材に成り下がるわけですが、断熱材として見た場合、水蒸気はあまり良いものではありません。それよりも耐熱タイルの断熱性能の方が格段に上です。
ところが、耐熱タイルに水蒸気を通してしまうと、タイルそのものは熱を伝えなくても、水蒸気が熱をを伝えて、機体が熱くなってしまいます。
つまり、耐熱タイルを使う場合なら、水を出すことはまったく逆効果です。
そんなことするよりも、耐熱タイルだけの方が、機体の温度上昇は防ぐことができます。
「水の気化熱による冷却」方式を使うなら、それをメインの冷却方式として、耐熱タイル無しの機体で水冷却装置で水を噴出し続けるという形になるでしょう。
さて、それの実現性についてですが、
樹脂のアブレータ方式の場合、完全に機体と一体化していますから、非常に信頼性が高いです。その代わり重いという欠点があります。
それに対し、耐熱タイルの最大の欠点は「強度」ですね。そんなすごい断熱性能を持ったタイルでも剥がれてしまっては意味がありません。アブレータ方式に比べて信頼性が落ちるのが欠点です。
「水の気化熱による冷却方式」の場合、噴射装置が壊れたらどうするのか、という信頼性の面で、耐熱タイル方式以上に不安であり、
信頼性が低く、重い、という両方の欠点を併せ持ったような方式になってしまいます。
重くていいならアブレータ方式の方が信頼性が高いですし、信頼性が低くてもいいのなら、耐熱タイルの方が軽いです。
No.9
- 回答日時:
液体ですと、液体ロケlkツトエンジンの液体燃料による燃焼室再生冷却と同じですぐに分散、蒸発するので、大量の水が必要です重量制限で登
載できません、しかも、秒速8kmの高速で大気圏に再突入するときの大気の圧縮熱で、3000度以上の熱を奪うことはできません、そこで、アブレーターという耐熱性に優れて軽いカーボン繊維強化カーボン樹脂で再突入カプセルを厚く覆い、これが熱で気化してガス化することで熱を奪います、固体のほうが、無冷却のカーボン繊維強化カーボン樹脂製固体ロケットノズルと同じで熱で剥離ガス化するのに、重量的に軽く少量で済みます思ったんですが、水の気化熱でも大量の水がいるわけですから、アブレーターの気化熱ではたいした熱は奪えないですよね。要するにアブレーターの蒸発は熱を奪うことが目的ではなく高温の熱に耐える素材が無いのなら機体さえ守られれば溶けたっていいんじゃないという発想から来るのかもしれませんね。
皆さん回答ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
No6です。
>穴をあけて耐熱タイルの強度が多少落ちても機体の強度が落ちるわけではないので大丈夫だと思います。
>噴射システムは耐熱タイルに穴をあけただけなので、打ち上げ時の熱には耐熱タイルだけで耐えられると思います。
>ロケットエンジンの燃料噴射に使われてる技術を使えばいいと思います。
失礼ですが、耐熱タイルのサイズをご存知ですか。
機体には噴射用の穴をあけないということは、小さな耐熱タイルに水とその噴射用のシステムを内臓するということですか。だとすると、製造コストや制御システムがたいへんなことになりそうですが。
また、タイル内の水程度では、突入時の冷却には足りないと思います。
それから、打ち上げ時には熱意外にも、衝撃波や振動を受けると言った筈ですが、水無しでタイル内のシステムが耐えられるのでしょうか。
噴射口の大きさ形状はタイルの強度に影響を与えますし、機体の空力特性にも関わってくるはずですが。
>水の量を解決する方法を考えたんですが、耐熱タイルをくぼませて、そこに水蒸気の層を作って断熱したら少量の水でも解決しませんか?
同じ場所にあるということはその水蒸気の層自体が、どんどん加熱されていくということですが、まさか水蒸気は一定温度以上にはならないと思っていませんよね。
また、くぼみを作ったくらいで、突入時の気流から独立した層が作れると思いますか?
そんなコストをかけるなら、」最初からくぼませないタイルを使った方がよいと思いますが。
No.6
- 回答日時:
>問題点は何でしょうか?
打ち上げ時のペイロードが不足しています。
水を持っていくくらいなら、シャトルを再設計して、減速の為の逆噴射用の燃料を持っていきます。
それすらできないくらいペイロードに余裕がないので、今の方式になっているのです。
>耐熱タイルに小さな穴を無数に開けてそこから水を出します。これで均一に耐熱タイルが冷えると思います。
穴をあける→機体強度がおちる。
→噴射機能を各所に設置する→機体重量が増える。
システム的には、まだ水の代わりに冷却ガスを使う方が現実的だと思います。
更に、打ち上げ時に第一脱出速度に達しているので、その時点でも空気との摩擦で、それなりに高温と衝撃波を受けると思いますが、その噴射システムは耐えられるのでしょうか。その時も水を出すのでしょうか。
>ロケットエンジンの燃料噴射に使われてる技術を使えばいいと思います。
ロケットエンジンは燃焼室に気体を噴射して、そこで反応させているので、液体に使用するのは難しいと思います。
なので、開発可能であっても、全く違う技術を一から開発することになると思います。
穴をあけて耐熱タイルの強度が多少落ちても機体の強度が落ちるわけではないので大丈夫だと思います。
噴射システムは耐熱タイルに穴をあけただけなので、打ち上げ時の熱には耐熱タイルだけで耐えられると思います。
水の量を解決する方法を考えたんですが、耐熱タイルをくぼませて、そこに水蒸気の層を作って断熱したら少量の水でも解決しませんか?
No.5
- 回答日時:
耐熱タイル(?)が水でできていたら? (相当頭が柔らかくないと・・・)
どうしても水じゃないといけないのか?
水より気化熱を多く奪うもので固体のものはないのか?
実際はタイルが溶ける気化熱で温度上昇を抑えていると聞いたことがあります。
No.4
- 回答日時:
大気圏突入時の熱は摩擦熱もありますが機体前面での断熱圧縮によるものが大半です
つまり耐熱タイル(これはスペースシャトルしか使ってませんが)にはそれだけの圧力がかかってます
そのためそれに対抗して水を噴射するための圧力はどうするのか
また、先にもありましたが消費していく大量の水はどうするのかという問題があります
スペースシャトル以外にはアブレーターといってそれ自体が熱を吸収し蒸発していくことで
本体への熱の伝達を防ぐものが使われていますよ?
参考URL:http://www.rocket.jaxa.jp/fstrc/wrd_h/a05.html
圧力がどれくらいあるか分かりませんが、ロケットエンジンの燃料噴射に使われてる技術を使えばいいと思います。
問題は水の量です。大気圏で燃えている間だけ使えればいいんで時間はそれほど無いと思うんですが、どれくらいいるんでしょうか?
No.3
- 回答日時:
ANo.1です。
>方法は、耐熱タイルに小さな穴を無数に開けてそこから水を出します。これで均一に耐熱タイルが冷えると思います。
>温度を下げるために水を使うわけですから爆発するほど高温にはしません。
いえ、ですから水が熱い物に触れる訳ですよね?
大気圏再突入の際、機体の表面温度は1500度を超えます・・・調理中の天ぷら油に水をかけるくらいでも、水蒸気爆発は起きるのですが・・・。
No.2
- 回答日時:
水そのものが大切なので大量に持ち込めません。
防ぐための必要な量を考えるとたぶん打ち上げの時に困るほどの水が居るのでは?他に水だけで防げない温度、噴射装置が燃えそうだとか有るかもしれませんね。また圧力で噴射出来ない可能性もありますから。
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