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熱交換器における基礎式を教えてください。
蒸気と水での熱交換を行う際に、入口温度と出口温度の関係、
それに流速等も計算のデータとして必要なんだと思うんですが、
どういう計算で熱量、流速を決めればいいのか熱力学の知識がないので
分かりません。
いろんな書籍を買って勉強していますが、難しくて分かりません。
それに独学ですので、聞ける人がいなくて困っています。
どなたか、簡単に熱交換の基礎式などを教えてください。

A 回答 (3件)

 伝熱の計算は非常に難しいのですが、「難しい」と言っているだけでは先に進みませんので、そのさわりを。


 基本式は、Q=UAΔtです。
 Q:交換される熱量
 A:伝熱面積
Δt:伝熱面内外の温度差
  (冷却水入出の差ではない)

 ここで曲者は、U(総括伝熱係数とか熱貫流係数とか呼ばれるもの)です。
 Uの内部構造は、1/U=1/h1+1/hs1+L/kav.+1/hs2+1/h2と表現され、hを見積もる事が大変難しいのです。
 h:伝熱面の境膜伝熱係数、内外2種類有る。
 hs:伝熱面の汚れ係数、内外2種類有る。
 L:伝熱面厚み
 kav:伝熱面の熱伝導率の異種温度の平均、熱伝面内外で温度が異なり、温度によって変化する熱伝導率を平均して用いる。
 hは、流体の種類や流れる速さ(主な指標はレイノルズ数)によって変化します。
 hsは、どの程度見積もるか、、、設備が新品ならZeroとしても良いのですが、使い込むとだんだん増加します。
 更には、Aも円管で厚みが有る場合は、内外を平均したり、Δtも入り口と出口の各温度差を対数平均するとか、色々工夫すべきところがあります。

>冷却管はステンレス製(SUS304)です。
 →熱伝導度の値が必要です。
>冷却管の中の水の温度は入口が32℃で出口が37℃です。>流量は200t/Hr程度流れております。
 →冷却水が受け取る熱量は、200t/Hr×水の比熱×(37-32)になります。この熱量が被冷却流体から奪われる熱量です。=Q
>冷却管の外径はφ34で長さが4mのものが60本
>冷却管の外径での総面積は25.6m2あります。
 →冷却管の壁厚みの数値が計算に必要です。
 伝熱面積も外側と内側を平均するか、小さい値の内側の面積を用いるべきです。

 まあしかし、現場的な検討としては#1の方もおっしゃっているように、各種条件で運転した時のU値を算出しておけば、能力を推し測る事が出来ると思います。
 更には、熱交換機を設備改造せずに能力余裕を持たせるには、冷却水の温度を下げるか、流量を増やすか、くらいしか無いのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
詳細に分かりやすくご説明いただいたこと、大変感謝いたしております。
お礼が回答順前後したこと、ご容赦下さい。
私先日このQ&Aに登録したばかりで、使い方がまだ熟知できておりませんで、申し訳ありません。
私のような知識のないものでも何とか理解できるよう、なるべく分かりやすくご回答いただいていることがひしひしと伝わり、
学生時代にお世話になった先生のことを思い出しました。
本当にありがとうございました。
いただいたご回答を参照させていただき早速検証してみます。

お礼日時:2006/02/19 08:55

回答されているように熱交換器の必要伝熱面積の計算は難解です。


特に冷却水管外側の熱伝達係数の計算が困難であることが主因かと。

熱交換器のメーカさんは実験などの基礎データ、実績などの
ノウハウを元に計算されていると思います。
自分で設計する場合は、いろいろ文献を見て、近似を入れながら
気合で必要伝熱面積を求めてマージンをとって大きめに熱交換器を
作って、実運用では冷却水を絞って誤魔かすか、というような
感じでしょか。

ということで、まず設計した人に聞く、とか、設計の条件
(流量、温度他)と運転条件がどのくらいずれているの整理
してみると何が悪いかわかることもあるのですが。。。と、
回答したいところですがこんな回答をしてもしょうがないので。。

状況が良くわからないので仮定に仮定を重ねての回答ですが、
性能が出ていないということは凝縮量が足りない、ということ
でしょうか。
冷却水の流量も入口温度も大きく変わらない、ということだったら
私であれば概略下記のように必要伝熱面積を計算します。

まず現状の交換熱量Qを計算します。
Q=200t/Hr x 水の比熱 x (37℃-32℃)
また必要交換熱量Q'と、ある冷却水入口温度に対して、必要な量
だけ熱交換できた時の冷却水出口温度を計算します。
具体的には
必要交換熱量 = 必要凝縮量 x 凝縮熱
= 200t/Hr x 水の比熱 x (冷却水出口温度-冷却水入口温度)
を解いて冷却水出口温度を求める(*)。
蒸気の温度は飽和温度で一定でしょうか。
さらに、現在運転されている熱交換器の対数平均温度差ΔTm(蒸気の
飽和温度と冷却水温度32℃と37℃で計算)を求め、さらに必要
交換熱量が得られた時の対数平均温度差ΔTm'(蒸気の飽和温度と
蒸気(*)で計算した入口/出口温度)を計算します。

交換熱量=熱通過係数 x 伝熱面積 x 対数平均温度差
の関係があるので、熱通過係数係数が一定であるとすると(←これ注意)
必要伝熱面積 = (ΔTm x Q')/ (ΔTm' x Q) x 現状の伝熱面積
です。

改造するのであれば、コストなどを考慮して適当にマージンを
取って伝熱面積を決める、って感じ。

伝熱学のプロに言わせると、"熱通過係数係数が一定"という近似は
暴力的だと言われるのは分かっていますが、だからと言って他に
もっと良い計算方法(主として冷却管外側の熱伝達係数の)があるか、
というと文献を見てもたぶん無いと思うので、検討時間を考えると
悪くない近似のように思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
色々な書籍を買いあさって勉強するよりもはるかに実務的で、
分かりやすく、ご回答いただいたこと大変感謝いたしております。
私が数万円かけて買いあさった書籍はなんだったんだろうっていう感じです。
早速私なりに検証してみようと思います。
ちなみに元となる設計者に確認しましたら、総括伝熱係数はU=300kcal/hr・m2・℃で計算したとのこと。
それ以外詳細な説明をいただけず困っておりましたところ、
本当に助かりました。
知識のない私にとってke-ke様のご教示ありがたいです。

お礼日時:2006/02/19 08:43

難しいですよ。


ほぼそのようなことを仕事としてやっていますが。
基本的に
・熱伝達
・熱伝導
の二点が熱交換器ではモンダイとなります。
単に授受したい熱量を計算するのだけでも、熱交換器自体の交換効率も関わってきます。交換効率自体も双方の流体の流速によって変動します。(流速による熱伝達率が変動するため。)
ですから、すべてのパラメータが変動する場合には簡単な計算では導き出せないのです。
少なくても、熱を送りたい方の流体の各種パラメータ(出入口温度、流速)は固定して一定量の熱を送った場合について受ける側のパラメータ変動を順々に変動させていく方向で検討できませんか?
であれば、交換器よ送り側の流体の物性値からある程度の各種パラメータの計算は可能になると思います。
ただし、表面熱伝達率は流速による変動があるため定数にできません。
これはいろいろな人が実験式により導き出していますので各種文献の検索は間違いなく必要です。

独学とのこと、がんばってくださいね。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。
もしよろしければ、下記条件での簡易的な所要伝熱面積の計算方法があればご教示いただけないでしょうか?
熱交換のやりかたといたしましては、ある容器の中に水分を入れてその水分を一定量(750Kg/Hr)で蒸発させております。
蒸発した蒸気は容器内側上部に通した多数の冷却管で冷やされます。
冷却管で冷やされ水分になったものは外部に排出される構造になっております。
冷却管はステンレス製(SUS304)です。
冷却管の中の水の温度は入口が32℃で出口が37℃です。
冷却管の外径はφ34で長さが4mのものが60本
冷却管の外径での総面積は25.6m2あります。
流量は200t/Hr程度流れております。
実は既存でできあがっている装置なんです。
それが能力がでないので困っている次第です。
水分の蒸発量に問題がないことは確認できましたので、
冷却管の水量、流速、伝熱面積に問題があるのではないかと思い
今回の質問をした次第です。
もしご面倒でなければ、是非ご教示下さい。

補足日時:2006/02/18 16:57
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