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WLF法とアレニウス則の関係
粘弾性問題でよく耳にする両者に何か関係がありますか。
マスターカーブを作成するとき、両者にズレが生じたとき、どちらを採ればよいですか。

A 回答 (2件)

WLFの式にはC1とC2という定数が有ります。


この2つを調整して最も重なりが良い値をこの系のC1、C2と
して採用する必要があります。

似た系のC1,C2値からスタートし試行錯誤する。
または、PCでプログラムを組んで探して見たら如何でしょうか。
その場合、測定データを数値化する必要があります。

どうしてもアレニウス則より適合性が悪い場合、
一言WLF法では適合が悪かったと断っておけば良いでしょう。
WLF法の適用を検討せずアレニウス則でのマスターカーブの
作成は信用度が落ちるからです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
WLF法でC1,C2も振って、なんとかしてあわせてみようと思います。
しかし、いま扱っているのはガラス転移点100℃くらいの樹脂(ABS+PC)です。DMA試験の測定温度はガラス転移点よりも低いです。カーブさえ繋がれば、基準温度が-20℃などガラス転移点を大きく下回っても大丈夫でしょうか。

お礼日時:2010/10/18 19:33

マスターカーブを作成するとき、両者にズレが生じたときはWLF法を


採ってください。
アレニウス則は経験に基づく大雑把な見積もり法です。WLF法は
高分子材料により適合した方法として提案され採用されています。

その違いは次のように説明できます。
高分子材料のクリープや応力緩和の現象は粘性流動に基づいています。
それで粘度にアレニウスの式を適用します。
温度Tでの粘度をη、見掛けの活性化エネルギをEとすると

η= ηo*exp(-E/RT)     R 気体定数

基準温度Trでの粘度ηrの間には
ηr= ηo*exp(-E/RTr)

温度TとTrでの粘度を較べるために比を取ると
η/ηr= exp(-E/RT)/exp(-E/RTr) = exp{-E/R*(1/T – 1/Tr)}

両辺の常用対数を取ると
log(η/ηr)= -(E/2.303R)*(1/T – 1/Tr)

この式よりも高分子物質に広く適用できる式として Williams, Landel, Ferryに
よりシフトファクターaT(Tは下付小文字)に付いて提案された式が

log(aT) = log(ηTrρr/(ηrTρ)) = - C1( T - Tr)/(C2 + T -Tr)

C1,C2は系により定まる定数、ρ、ρrは温度T,Trでの密度です。

TとTrの差がそれほど大きくない場合は、Trρr≑Tρですから
log(aT) = log(η/ηr) = - C1( T - Tr)/(C2 + T -Tr) となり、
アレニウス則はシフトファクターを近似的に表したものであることが判ります。

WLFの式ではプロットは1/Tに対して直線にならず、これはアレニウス則の
見掛けの活性化エネルギEが温度に依存するためと解釈されます。

WLFの式に付いては自由体積理論等による検討が有り、WLFの式と
全く同じ形の式が導出されています。つまり理論的な裏付けも有る式です。

長時間データを短期間に採るためには、温度の異なる高温槽を多数並べて
クリープや応力緩和を同時測定します。機器的には自動記録の容易な
応力緩和が最も楽です。
実験データを待ちながら基礎を勉強してください。まだ10年有ります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ところで、ガラス転移点が100℃くらいのプラスチックのDMA試験を行い、カーブをつなぎたいのですが、WLF法は利用可能でしょうか? 実はうまく繋がりませんでした。 log(aT)= -(E/2.303R)*(1/T – 1/Tr)のほうが、まだ良いようです。

お礼日時:2010/10/16 18:59

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