プロが教えるわが家の防犯対策術!

こんにちは、いつもお世話になります。

背景:女性が既婚者であるに、夫以外の男性と密会している最中に偶然に親戚に出くわす。 うまくさっと物陰に隠れて、一安心して、はくセリフに、

“If he had seen me, he would have never forgotten about it.”

というものがあり、ある参考書では、この例を取り上げて、「仮定法過去完了が過去の仮定に関しての仮定だけとする一般参考書はあやまり。」だとして、「これは、過去だけでなく未来に渡ってもずーと覚えられていただろうという、未来にまで続く仮定である。」としていました。

僕的には、正しい解説だと思いましたが、これはトンデモ説の可能性はありますか?

よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

正しい解説だと思います。



(1)
今回の場合やご回答#1に引用された『英文法詳解』(杉山忠一著)の例文のように、if節で過去の事態とは異なる非現実を仮定して、主節でその結果生じる未来の事態の想定を行うといういわゆる「仮定法過去完了形」は、実際英字新聞などでも時に見かける表現です。

また、if節で現在の事態とは異なる非現実を仮定して、主節でその結果生じる未来の事態の想定を行うという次のようないわゆる「仮定法過去完了形」も目にします。

例えば、次の例です。
1. If my father were alive, he would have been 90 next year. (現在+未来)
2. If I had the money, I would have bought a yacht next year. (現在+未来)
共に、「ふつう仮定法過去を使うところに仮定法過去完了を使ってimpossibility or improbabilityを強調することがある」(元はJespersenによる説明)とされます。


(2)
ところが実際には、いわゆる「仮定法過去完了形」は上の(1)に挙げたような限定された用法にとどまらず、if節の内容が「過去」や「現在」以外の事態、つまり「未来」の事態に言及して、主節でその結果現れるであろう事態を想定する場合などにも用いられます。

この用法を著名な文法家はちゃんと取り上げており、例えば、R. Huddleston他(2002)”The Cambridge Grammar of the English Language”のp.754には“doubly remote conditional”という見出しのもとに例えば次の例文などが挙げられています。
3.If you had come tomorrow you would have seen the carnival.
(未来+未来)
4.If your father had been alive today he would have been distraught to see his business disintegrating like this.
(現在+未来)
また、R. Declerck(1991)”A Comprehensive Descriptive Grammar of English”のpp.431-432に次のような例文が載っています。
5.If you had come tomorrow instead of today, you wouldn’t have found me at home.
(未来+未来)
6.If you had been an engineer, you would have known what is wrong with this engine.
(現在+現在)


この本の翻訳は安井稔訳で『現代英文法総覧』(開拓社、1994年)として出ています(該当箇所はp.596)。

残念ながら、このようないわゆる「仮定法過去完了形」に触れた日本語で書かれた文法書がまだほんの一部に限られているようです。
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この回答へのお礼

やっぱり、相当英語関係の書籍にお詳しいですね! そして、相当の達人ですね! ご回答ありがとうございます。

>主節でその結果生じる未来の事態の想定を行うといういわゆる「仮定法過去完了形」は、
>実際英字新聞などでも時に見かける表現です。

英字新聞は英語が中級位のレベルのときに1年間くらい毎日読んでいたんですが、その時は運悪く全く見かけませんでした。

最近は洋書&ネイテブ用一般教養書ばっかり読んでいて、英字新聞はすっかりお暇していました。 無味乾燥な情報伝達の道具みたいな文体で嫌いなのですが、やっぱり本当はいつまでも毎日読まないといけないものなんですよね、、。

>1. If my father were alive, he would have been 90 next year. (現在+未来)
>2. If I had the money, I would have bought a yacht next year. (現在+未来)

こんな言い方もできたんですね! 

>impossibility or improbabilityを強調することがある」(元はJespersenによる説明)とされます。

Jespersenという言語学者の名前は参考書を読んでいると、チラホラ目にはするのですが、実際にJespersenの著作は読んだ事はありません。 今度読んでみようと思います。 

そして、仮定法過去完了というのは9割がたは時間的には過去なのですが、大本の感覚は可能性の低さという事ですね! 本当にお詳しいですね! ありがとうございます。

>例えば、R. Huddleston他(2002)”The Cambridge Grammar of the English Language”
>のp.754には“doubly remote conditional”

恥ずかしながら、これらの用法は初めて見ました!
なんでもそうなんですが、本当に基本は簡単でも、極めようとすると何でも奥が深いですよね!!
(未来+未来)の用法が仮定法過去完了にあったとは思いませんでした! 仮定法の本質が見えてきた気がします本当にありがとうございます。

>残念ながら、このようないわゆる「仮定法過去完了形」に触れた日本語で書かれた文法書
>がまだほんの一部に限られているようです。

確かに滅多に仮定法過去の未来に関する仮定は参考書に出てきませんからね! たまたま、言入されている参考書を見つけても、今までの知識と違いすぎて正しいのか分かりませんでした。

また、これを機に英語で書かれた文法書(英語の言語学書?)も色々と探して読んでみようと思います。

本当に、感謝致します。 最近伸び悩んでいましたがやっと勉強方法が見えてきた気がします。

お礼日時:2011/02/06 14:33

If you come, I’ll help you.


仮定法でなくても、if を用いると、主節は will がくるのが普通です。
「来るのも未来、手伝うのも未来」で、「来る」方は現在形でも、それから手伝う、という時間差で未来の will を用いています。

If I had studied harder, I would have passed the examination.
仮定法過去完了でも主節は必ず、would / could という助動詞がきます。
勉強していた、という現実と逆の仮定のもとに、そうなったら、という時間差があって、
「受かっていただろう」
これも未来的な要素です。would があるんだから当然です。

ただ、今に対して、1年前という過去だとして、
「勉強する」、その後の「合格する」も過去には違いない。

今回の例は、今に対して、
「彼が私を見ていたら」というのは、過去とはいえ、ほんの数分前のこと。
だから、「見る」は過去でも、その後の「忘れない」は今を飛び越えて未来にまで及ぶ。

とにかく、would という語は、
had studied
had seen me
という過去よりも後の時間に起こることを表しています。

ただ、その後の時間というのが、今より前のことか、今を飛び越えるか
その違いにすぎません。

これをもって
>これは、過去だけでなく未来に渡ってもずーと覚えられていただろうという、未来にまで続く仮定である
というのなら、その通りなんでしょうが。

この回答への補足

この欄をお借りします。

BAの進呈で迷っています。 問題は解決しましたので、これ以上のご回答の必要はありません。

補足日時:2011/02/06 09:41
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この回答へのお礼

大達人、ご回答ありがとうございます。

>という過去よりも後の時間に起こることを表しています。
>ただ、その後の時間というのが、今より前のことか、今を飛び越えるか

なるほど、仮定法過去完了でも、今を飛び越えちゃうのはよくある事なんですね!

>これをもって
>というのなら、その通りなんでしょうが。

やっぱり、「一般参考書が・・・云々」以外は正しい解説だったのですね!

いつも、お詳しいご解説ありがとうございます。 改めて、お礼申し上げます。

お礼日時:2011/02/06 09:21

 副島氏あたりが言いそうな解釈(「一般の参考書」に対して)ですが、まあ、はずれでしょう。


 単純にnever/not forget = rememberで、動詞が継続を表すから、未来のことも含むだけですよ。普通の参考書は動詞の性質まで無視して過去に限定する、とは言っていないだろうと思いますよ(もし、あるんならその本は間違いでしょうけど)。

 また、ちょっと例文の趣旨は違いますが「英文法詳解」(杉山忠一)にはこんな注意書きも。

--------------------------
If he had stayed in the army, he would have taken over the leadership when Tom retires next year.(もし彼が陸軍にとどまっていたなら、来年トムが退官すると、司令官の地位を引き継いだだろうに)
 この文で、もしwhen以下がなければ、地位の引継ぎがあるはずだったのは、この文が述べられているより以前のことと解釈されよう。しかし、when ~があるために、引継ぎ《実際には軍を離任したから引き継げないが》はそのときよりも未来《明年のトムの退官後》に行われるはずだったことになる。
 要するに、主節については、あまりに機械的に扱うと危険なのである。
--------------------------

 まあ、その参考書の著者の方が、一般の参考書をあまりに機械的に扱ってしまった、とも考えられますね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>副島氏あたりが言いそうな解釈(「一般の参考書」に対して)ですが、まあ、はずれでしょう。
 
そんな方もいたんですね! 知りませんでした。 Wikiで経歴をみてきました。 

>また、ちょっと例文の趣旨は違いますが「英文法詳解」(杉山忠一)にはこんな注意書きも。

はい、回答者様が、いつも、「文法には詳しくない、、」とバレバレの嘘をついていることがここで判明しましたね!

それにしても、「英文法詳解」はまだ未読ですが、結構詳しいですね! 僕の手持ちの参考書では、仮定法過去完了の例外に関してだけ例外が載っていなくて、「う~む、確かに一般参考書では、過去の仮定としかのっとらん、、。」とおもってしまいました。

>要するに、主節については、あまりに機械的に扱うと危険なのである。
>その参考書の著者の方が、一般の参考書をあまりに機械的に扱ってしまった、

その本の著者も僕と同様に「仮定法過去完了=過去の仮定」というように機械的にしるした書籍しか読んだ事が無かったんだと思います。 「英文法詳解」のように詳しい一般参考書も世の中には有るんですね!

改めて、ご回答にお礼申し上げます。

お礼日時:2011/02/06 08:06

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