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特許の審査においては、その出願の出願日より前に公開された文献と対比するとのことですが、
特許の審査の引例は公開日が基準なのに、「新規性」の基準は出願日という所に矛盾を感じます。

講習会や特許事務所で質問したところ、
特許の出願内容は公開公報が発行されるまでは、「審査官も見れない」と聞きましたが、
「審査官は公開前の出願内容を知ることができる」と聞いたこともあります。
いったいどちらなのでしょうか?

先願Aと同一もしくは類似の内容の後願Bが、Aの公開前(Aの出願翌日から1年半の間)に
出願された場合、Bの審査の引例としてAを審査官が見れないのであれば、
同一もしくは類似の内容であるのに、BはAを拒絶の理由と出来ず、AとBの両方が登録に
なってしまうという場合が生じるのではないか?と思うのですが、どうなのでしょうか?

しかし、たとえ審査官が出願前の文献を見れたとしても、
法的にBに対してAを「引用文献」として出すことは不可能だと思いますので
他に拒絶の理由が見つからなければBを通さざるを得なくなると思います。
 (1) こういう場合は、いったいどうなるのでしょうか? 
 (2) 審査官は公開前の情報が解るのでしょうか?
お解かりになる方、教えてください。

A 回答 (5件)

29条の2の先願が発見されたときの取扱は、以下のFAQで説明されています。


結論は、「公開されるまで待つ」です。

http://www.jpo.go.jp/toiawase/faq/soukishinri_sh …
第3 出願公開前の審査における留意点
出願公開前に一次審査が行われる場合は、以下の点に留意してください。
1.審査の一時保留
審査官が先行技術調査を行った結果、以下の(1)~(2)に該当する出願を発見した場合は、出願人に審査を一時保留している旨の通知書を審査官名で発送します。((2)の場合については、先願の国際公開番号も記載した通知書を発送します。)
(1)「後に出願公開されると特許法第29条の2の先願となる出願」
(2)「後に翻訳文が提出されると特許法第29条の2の先願となる外国語でなされた国際出願(注)」
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この回答へのお礼

ありがとうございました。紹介いただいた特許庁のFAQは大変役に立ちました。

審査官は、早期審査などでその出願の公開前に審査結果を出す必要がある場合は、公開前の情報も見ており、そこにしか拒絶理由が見つからなかった場合には、出願人に保留の旨を通知したうえで、その出願の公開まで待ってから拒絶理由を通知する。…ということで納得できました。

お礼日時:2011/04/14 23:00

出願時と審査時との間には相当の時期的な違い(遅れ)があります。

審査請求は出願から3年以内ですし、早期審査請求などを行わない限りその後ファーストアクション(最初の拒絶理由通知または特許査定)を受けるまで現状で2年強を要しています。ご質問の場合、後願Bの審査時には通常は既に先願Aは出願公開されていますので、その公開公報を見ることで先願Aの出願内容を把握することができます。したがって、特許法29条の2の拒絶理由の有無を判断することができます。後願Bについて出願直後に早期審査やスーパー早期審査が請求された場合にはまだ先願Aの出願公開公報が発行されていない可能性がありますが、その場合は審査資料に含まれませんので、特許後に第三者から無効審判を請求するなどで対応するしかありません。

審査官が公開前の情報を見ることができるかどうかは知りません。特許庁内部では見ようとすれば見れるのではないかと推測しますが、たとえ見れたとしてもそれを審査情報として活用する(表立って言う)ことはできませんので、これを議論しても意味がないと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2011/04/14 22:52

先後願の関係も検討しましょう(39条1項、5項)

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この回答へのお礼

ありがとうございました。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2011/04/14 22:51

新規性と拡大先願(特許法29条の2)とを混同しています。


新規性は出願時が基準です。Bの出願時にAは公開されていないため、BはAに基づいて「新規性」違反により拒絶されることはありません。

(1)AにBと「同一」の内容が記載されていれば、通常、BはAに基づき拡大先願(特許法29条の2)により拒絶されます。レアケースですが両方登録されるといった過誤登録になる場合もあります。なお、「類似」の内容の場合、Bの「進歩性」の判断にAが引用されることはありません。
(2)審査官は公開前の出願情報を見れます。上述のような場合、Bが公開されるまでAについて拒絶理由の通知を待ち、Bの公開後にAに対し29条の2の拒絶理由通知を発送します(審査ハンドブック参照)

この回答への補足

ご解答、ありがとうございました。
「審査官はBの公開前の出願情報を見ており、その中に拒絶理由Aを見つけた場合は、Aが公開されるまでBの拒絶理由の通知を待つ」というロジックであれば納得できす。
しかし出願と同時に「早期審査」を利用すれば、出願から2ヶ月程度で審査結果が届く場合があります。
そのような時については、どうなるのでしょうか?
今後、早期審査の利用が多くなりそうなので解っておきたくて相談しております。

例えば、Aの出願1ヶ月後に他者から同一内容のBが出願され、同時に早期審査請求をかけた場合、
審査官はBには2ヶ月程度で審査結果を出さねばならないのに対し、その時点ではAはまだ公開まで1年3月もあります。Bに対して拒絶理由がAしか見つからなかった場合、審査官はどうするのでしょうか?
早期審査を申請されているのに、1年3月も余分に待つとは考えられないのですが。…
以下の(1)~(3)のパターンのどれか?もしくはそれ以外?
   (1)早期審査に関係なく、Aの公開を1年3月待ってからBの結果を出す?
   (2)早期審査なので、Bは2ヶ月で登録にする。結果的にAも登録になり、両方が特許になる?
    この時、Bは無効理由があり、審判が起きれば負けは確定しているが、審判が無い限り大丈夫。
   (3)審査官は別の引用文献を(無理やりにでも)つけてBに2ヶ月後に拒絶理由通知を出す?
    (時間を引き延ばして)1年3月後のAの公開を待つ。

教えてください。よろしくお願いします。

補足日時:2011/04/04 01:59
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
No.4の方の回答で、「Aが公開されるまでBの拒絶理由通知を待つ場合は、出願人には通達される」ということが解りましたので、クリアになりました。

お礼日時:2011/04/14 22:50

弁理士です。



(1)Bは、無効理由を有することになります。以下の記事をご参照下さい。

特許査定後に先願が公開された場合、その特許は無効理由を有することになることを判示した判決
http://skiplaw.blog101.fc2.com/blog-entry-230.html

(2)審査官は、公開前の情報は分かります。
以下の平成10年改正本で、「未公開先願に関して審査を行った結果、・・・特許査定を行っている」と解説されていることから分かります。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/hourei/kakokai/pdf/ …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
後願は無効理由を有しながらも特許になる可能性が高いことと、審査官は公開前の文献が見れるということが解ったので、すっきりしました。
もし宜しければ、上記のNo.2の補足で記載しました内容について解れば教えてください。

お礼日時:2011/04/04 02:04

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