No.3ベストアンサー
- 回答日時:
現在普通に購入できるものと云う事は版元品切がないと云う事として回答致します。
(書店に行けば必ず在庫していると云うと余程大きな書店以外では無理だからです。
主なものとしては、新潮文庫(全10冊)、光文社文庫(全9冊)、創元推理文庫(全9冊)、偕成社版全集(全14冊)となります。
それぞれ長短があるのですが、単独の訳者が訳して居る、比較的普及度が高いと云う観点では、新潮文庫の延原謙訳になります。
新潮文庫の欠点は短編集を最初に出版する際に頁の制限から省略した巻があり、その取りこぼしをまとめて補遺として「叡智」としてある事です。最近訳者の嗣子の延原展氏の手により訳の見直しが行われているので余りに古臭い言い回しや、最初に出版する際には日本人に知られて居ないかったために苦しい訳になっていた箇所等が読みやすいものになりました。
基本は落ち着いた懐かしい感じのする訳文で、コーナン・ドイルの作が古いものである事を考えあわせると、一番良い訳だろうと思います。記者のお薦めです。
他も見て行きます。
光文社文庫。日暮雅通訳。記者が知っている範囲で完結した一番新しい訳です。註も充実しているので悪くはないでしょう。
創元推理文庫。阿部知二訳・深町真理子訳。長らく「事件簿」以外は阿部知二訳で出ていたが最近「冒険」「回想」の短編集2冊と「緋色の研究」が深町氏の訳に変わった。「四人の署名」も追って出る筈だが未刊。版元は残りも全て深町訳に切り替える予定なので改訳進行中。
偕成社版全集。各務三郎他訳。児童書扱いだが全訳。但し、巻によって訳者が違い又、一冊の中でも複数の訳者が訳して居る。訳者が異なると訳のイメーヂが異なる事は否めない。
その他、一般に児童書は一時期の山中峯太郎(ポプラ社)のものや野田開作・久米穣・久米元一・武田武彦ほか(偕成社)のもののように極端な書き直しはないものの或程度の書き直しをしているものが多いのでそれを承知で読むのでなければ初めて読む人にはお勧めできません。(子供の教育上宜しくないなどの理由で書き換えや削除が行われて居ます。但し前掲の偕成社の全集は中学生位を対象のため書き換えはない。)
読む順番ですが、幾つかの例外を除いてはどれから読んでも良いのですが、一応気に成るのであれば、原作の出版順に読まれたら良いでしょう。
「緋色の研究」(中編)⇒「四つの署名」(中編)⇒「シャーロックホームズの冒険」(短編集)⇒「シャーロックホームズの思い出」⇒「バスカビル家の犬」(中編)⇒「シャーロックホームズの帰還」(短編集)⇒「恐怖の谷」(中編)⇒「シャーロックホームズの最後の挨拶」(短編集)⇒「シャーロックホームズの事件簿」(短編集)
なお、ホームズものは大変人気があり他の多くの作家がホームズを登場させる作品を書いています。ルパンシリーズの「ルパン対ホームズ」などは原作ではホームズのアナグラムになっているものを翻訳の段階でホームズにしています。(この作品良くオリヂナルのホームズものと間違う人がいるので特に書いて置きます)
ホームズの魅力に取りつかれて研究的に読むのでしたら英書と版元品切になっていますが筑摩書房の文庫に入っている詳註版(全20冊・別1)をお勧めいたします。これは本文と註とどちらが多いかわからない位の註の多さがうりの本です。
以上、御参考にならば幸甚です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3% …
No.6
- 回答日時:
#3です。
一部に事実と異なる事が記載されているようなので訂正しておきます。
記者は新旧両方の延原訳を所持していたので、両者の一部を比較対照してみた事がありました。
延原謙はホームズの住所を「ベーカー街ニニ一乙」としており、「甲」ではありません。当時は書類などでも現在ならA票、B票とする処を甲票、乙票などとしていましたから、「B」を「乙」とするのは別段不思議でもありませんが、今では通用せないでしょう。この辺は延原展氏が修正しておりますから、現在新刊で出ているものについては、「ニニ一B」です。
1作「まだらの紐」。ホームズ物語第1作は「緋色の研究」(中篇)ですし、短編の第1作は「ボヘミアの醜聞」です。「まだらの紐」は短編の第8作です。
なお、前回書き落としましたが、「緋色の研究」は探偵小説と云っても現在の推理小説と云うよりもロマン譚的な部分があります。これは当時の英吉利の小説の行き方の一つだったのです。中篇第2作の「四つの署名」もそのようなところがあります。
文庫の在庫については、書店によってまちまちで所謂町の本屋さんでは、漫画やムックのすみに流行の書目がおいてあるというパターンが大半です。新潮文庫と光文社文庫とでは店によっても違いますが、記者が仄聞した範囲ではホームズ譚に関しては新潮文庫の方が手に入りやすいと思います。(これは地域によっても異なると思われますし、書店がヨリどちらに力が入っているかによっても違います。ここでは記者がヨリ一般的と思われる方を採用しました)
中古本について。
ブックオフその他では、創元推理文庫が並んでいる処があります。これは阿部知二訳で長く刊行されていましたが、「事件簿」のみ訳者が違います。当初、版権の関係から「事件簿」が出せず、版権の問題がなくなったときには阿部知二は亡くなっており深町真理子氏が訳したのです。
新潮文庫の古本について。新潮文庫は1990年代に在庫がなくなったものから改版作業を行い、その時に訳文の見直しを行いました。あまり旧い「獅子の鬣」を「ライオンのたてがみ」とか、「ニニ一乙」を「ニニ一B」にするなどの見直しを行いました。従って一時期改版された巻と旧版のままの巻とが書店に並んでいたわけです。古書特にブックオフなどでは新旧がごちゃごちゃに並んでいる事があります。旧い表現が苦手な方は奥付で平成になってから「改版」されたものである事を確認してからもとめられる事をお奨めします。
岩波文庫の菊池武一訳は短編集の訳でしかも省略された短編が少なくありません(「冒険」「回想」「帰還」の3冊のみ)。それは岩波少年文庫の林訳も同じです。なお、菊池訳は版元品切になって大分時間が経つので入手が難しいかと思います(古書価は左程ではないハズです)
児童書でと云う事ならば、収録順序が理会できないのですが、全作を収録している講談社の青い鳥文庫でしょう。これも現在改版中ですがこれは表紙画と挿絵を取り替えているだけで訳文は代わりません。日暮まさみち(雅通)訳ですが、多少の書き直しはあります。
小林司・東山あかね夫妻の訳書は河出書房から出ていましたが一部版元品切です。オックスフォードの注釈付の全集の訳ですが、「緋色の研究」を「研究」は間違いだから「習作」とするなど訳者の見解による訳語があります。記者にはやや遣り過ぎに思えるものもあったように記憶していますが、この辺は主観ですから人それぞれでしょう。
ご参考になれば幸甚です。
No.4
- 回答日時:
現在、小学生なら、学校の図書室で借りられるものが、小学生向けに翻訳、ふりがなつき、挿し絵つきで適しています。
中学生以上なら、本よりはグラナダTV制作の海外ドラマ、ジェレミー・ブレット主演のシャーロック・ホームズシリーズがおすすめ。90年代にNHKで吹き替え放送され、去年週刊DVDブックとして書店販売されています。
求めやすいのは光文社文庫版のシャーロック・ホームズ全集。
新潮文庫版を全巻揃えているのはかなり大きな本屋。延原謙訳はホームズの下宿先住所を「ベーカー街221甲」と訳していて、なんで221BのBを甲と訳したのか変なところがあります。
トムスンらのホームズ・パスティーシュ、ホームズの好敵手名探偵といった作品と並べて楽しめるのが創元推理文庫版。
全作は含まれず絶版ですが代表作が刊行されたのが岩波文庫。
単行本だと、シャーロキアンである東山司・あかね夫妻が90年代後半に翻訳した全集があります。
英語力に問題なければペンギン・ブックスから一巻本のペーパーバックが刊行されているので、これが一番です。分厚いため持ち運んで出先で読むには不適当ですけどね。
読む順番としては、まず短編集発表順に、長い休みのとき長編をで良いように思います。第一作『まだらの紐』は、ホームズとワトソンの出逢いを知るには興味深いものの、謎解きミステリより秘密結社蘊蓄に傾いていてさほど面白いと思えません。最初にこれを読んだらホームズものはつまらないという印象にとどまってもう読まなくなりそう。
赤毛組合、三人ガリデブ、ギリシア語通訳など、異常設定興味での謎解き短編作が魅力的なシリーズです。長編も第一作以外は水準作です。
No.2
- 回答日時:
こんにちは。
ネットで検索してみましたか?
結構出ているような気がしますけど…。
あと、もし図書館とかが側にあれば、覗いてみるとか。
子供向けのものも、わりと良いですよ。
では。
No.1
- 回答日時:
この手の文庫だと、時系列にそって読み進めたいというのには向かないと思います。
話がどうしても前後してしまう感じがあります。が、参考までに。
カバーが気に入っています。
http://amzn.to/mGTscH
シャーロックホームズシリーズ全集なんかだと、話が前後してしまうことで生じる混乱がないのでは、と思います。
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