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対角和(トレース)について質問させて下さい。

対角和(トレース)は、n次正方行列の対角成分の総和を表しますが、
この対角和とは一体なにを表すのでしょうか?

なんのために対角和を求めるのか素朴な疑問ですが教えて頂けないでしょうか?

以上、よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

No1 です。



>ご回答頂いた内容なのですが、基底を変えても変化しない不変量
>である事にどのようなメリットがあるのでしょうか?

例えば、行列Aを対角化するというのは(Aが対角化可能として)、Dを対角行列として、D=PAP^(-1)
と変形すること(基底を替えて行列を見やすくする事)ですが、このとき

tr(D) = tr(A)

ですから、

>これは、固有値の検算などに利用するためでしょうか?

とおっしゃられるとおりの利用法もトレースにはあると思います。
(その利用法がもちろん唯一の利用法ではないことは明らかですが。)


>また、数学(物理)ではこういうときにトレースが使われて、

たとえば群の表現を特徴づける指標というのは、表現行列のトレースですし、
物理では、例えば統計物理学で重要な分配関数ZはHをハミルトニアンとして

Z = tr(exp(-bH))

と表現できます。(bは温度の逆数)
他にもトレースを使うときれいな表式になる事柄もあります。

>こういう理由で便利などありましたら教えて頂けるとありがたいです。

これは実際にご自身で群の表現や統計力学等広く勉強をして理解して頂く他ありません。

No1に書いた最後のたとえ話(このたとえ話は相当正確です)から私の言いたいことを
ご理解してください。たしかに行列式detは逆行列が存在するかどうかの判定量という
わかりやすい1つの解釈がありますが、トレースにはそのような即座にわかりやすい解釈はないように思われます。でも数学、物理の広い範囲でいろいろな形で登場します。だからトレースという名前が与えられているのだと思います。広く勉強すれば、「行列の対角成分の和」にトレースとわざわざなにかしらの名前を付けることに異義は感じなくなると思います。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

なるほど、理解できました。
基底を変えても変化しない不変量(スカラー)であることの意味がわかりました。

最後に一点だけ質問させて下さい。
トレースは正方行列であれば、定義されるという認識でよいでしょうか?
対角化可能でない正方行列でもトレースを取ることは可能ですよね?


>広く勉強すれば、「行列の対角成分の和」にトレースとわざわざ
>なにかしらの名前を付けることに異義は感じなくなると思います。
もっと勉強します。

以上、ご回答よろしくお願い致します。

補足日時:2011/12/19 14:07
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こんにちは。



トレースは便利な不変量の1つです。例えば次の性質を持ちます。

tr(A)=tr(PAP^(-1))

どのような文脈で役に立つかというと、例えば、
行列 A を、線形写像をある基底で表現したものととらえると、基底を入れ替えた
とき、行列Aは、Pを正則な行列として、PAP^(-1) と変換されます。
この立場では、行列そのものより、行列を

A=B <---> ある正則行列Pがあって、B=PAP^(-1)

で分類したときのAの仲間(同値類)が、線形写像をあらわす本体と考えることができます。

tr(A)=tr(PAP^(-1))

でしたから、トレースというのは、その線型写像だけで決定されることが分かります。
すなわち、線型写像を表現する行列は、基底によって変化しますが、その行列のトレースは
基底も替えても変化しない不変量となります。

新しい定義が出てきたら、その定義だけで考えるのではなく、その性質をよく吟味すると意味が見えてきます。トレースもいろいろな所(数学、物理)で活躍しています。本来、色々なところで活躍していて便利だから、トレースとしてわざわざ定義しているわけです。

この事について、たとえ話を最後にします。

 数学で定義をあたえられている数学的事柄は、ちょうどスポーツでの全試合を通して活躍し、栄誉を与えられた選手のようなものです。
ところが、数学の大抵の教科書の記述は、まず選手(数学的事柄)に栄誉(定義)を与えることから始め、そのあとに試合展開(理論展開)をする順序をとります。だからなぜ、その選手にそのような栄誉を与えるかを理解するには、その後に展開される試合をみる必要があります(かなり長いシリーズ試合ということもあります)。
 だから定義だけ読んで、なぜこんなものを定義するのかを理解しようと試みることはあまり得策ではないことが多いです。
 でも本当の数学の現場では、いろいろ思考をしている最中に、よく使う手法等の数学的事柄に出会い、理論をまとめる段階に、その事柄を定義として一番始めにもってきて、理論展開をすっきりさせるわけです。すっきりする分、初学者にはわかりにくいということも言えます。シーズンの試合を巻戻して見ているようなものなのですから。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

>線型写像を表現する行列は、基底によって変化しますが、
>その行列のトレースは基底も替えても変化しない不変量となります。

ご回答頂いた内容なのですが、基底を変えても変化しない不変量
である事にどのようなメリットがあるのでしょうか?

また、数学(物理)ではこういうときにトレースが使われて、
こういう理由で便利などありましたら教えて頂けると
ありがたいです。

以上、贅沢言って申し訳ないのですがご回答よろしくお願い致します。

補足日時:2011/12/17 00:18
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

すいません。
こちらから、補足質問に追加させて頂きます。

webでいろいろ調べていると
「対角和は、固有値の和に等しい。」など見つけました。

ちなみに、
   (3 2)
A= (1 4)
の固有値は、5,2で確かに対角和と一致しました。

これは、固有値の検算などに利用するためでしょうか?

以上、ご回答よろしくお願い致します。

お礼日時:2011/12/17 00:29

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