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オフセット印刷や、パソコンでのインクジェットの印刷しか知りません。
ポスターを購入しようと思いましたが、どのような印刷方法か知りません。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

そうですね。

今の人なら見当もつかないかもしれません。
印刷には、凸版=社名じゃありませんよ、印鑑やスタンプと同様に、インクをのせたくない白地部分を彫り込み、凸部にインクをのせて印刷する方法、凹版=へこんだところにインクを入れて表面を掻きとり、印刷する方法、平版=オフセットのことです。版に、水と油が親和しないことを利用してインクの付く部分とつかない部分を作る方法です。ほかに孔版というものがありますが、省略。
そして、今は 「コンピューター製版」 になってすべての製版技術が平準化しましたから、スーパーのチラシも週刊誌のカラーページも婦人雑誌の料理ページも同水準の製版・印刷となっています。
昔は、「製版カメラ」 で製版(色分解=カラーの絵柄を三原色に分ける=インクジェットプリンターも無限の色でなく、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックでプリントされており、これもパソコンで色分解されているのです) をしており、印刷会社 ・ 製版会社によって製版技術に差があり、 職人の中でも駆け出しとベテランの間に大きな差がありました。 それからスキャナーによる色分解が行われるようになり、その操作や原稿に対するセッティングもコンピューターのソフト化されて、そのソフトに任せればベテランも新米も差がない製版ができるようになりました。
こうなる前の、会社により職人個人個人により、ぎじゅつに差があった時代のことです。
「美術印刷」 というのは、特定技術を指したものではなく、高級な印刷のことです。
特定の高級な印刷技術には 「原色版印刷」 というものがあります。
これは凸版印刷の方式で、色分解も高精度で、印刷にものせるインクの量や印刷機を動かすときの印圧や用紙にも印刷適性の優れたものが選ばれた印刷物です。
現在の印刷物でも、のせるインクの量、印刷するときの印圧、回転スピード、用紙の特性は仕上がりに影響しますが、今はすべてコンピューター制御となっており、入社して半年の技術者と30年のベテラン職人との差は無くなっています。
この 「原色版印刷」 で、有名なものはスイスのスキラ社という印刷会社が開発した 「スキラ版」 という製版印刷です。

また、今のインクジェットプリンターでも初期のものや家庭用のものは三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)と黒ですが、あたらしいもの高級なものは薄シアン薄マゼンタが入って6色や7色になっています。
本物の印刷でも、色数が多い方が精密な印刷ができ、さらに 「特色」 といって三原色では再現がむずかしい色はその色のインクを特別に版数を増やして印刷することもあります。 パソコンプリンターで「オレンジ色」を試してみればわかりますが、グラフィックデザイナーは、特色が使えない普通の仕事では、写真に写るものは別として、デザイナーが指定する色としてはオレンジは使いません。三原色では再現が難しい色だからです。
こういうところも予算に縛られないで高級な仕事をするのが美術印刷です。
いまはソフト化された技術ですべてが解決つくと考えていいでしょう。
ただ、すべてがAAA級になっていて、 特A級の仕事が必要な(絵画全集とか) ときには、コンピューターソフト(プログラマー) + 印刷の質を見分けられるアートディレクター + 製版職人 というチームで製版ソフト・印刷ソフトの微調整がおこなわれるらしいです。
しかし、そんな印刷精度は、今のコンピューターソフトの水準からは、素人に区別はつきません。
昔ならば、絵画全集とスーパーのチラシとでは誰にもわかる歴然とした差がありました。
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この回答へのお礼

丁寧な回答ありがとうございました。

お礼日時:2012/05/22 19:15

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