プロが教えるわが家の防犯対策術!

お世話になっています。
掲題の内容について知人から以下の相談(半分は愚痴でしたが)を受けました。僕の生半可な知識では答えられなかったのでご相談致します。
質問中一部だけでもお答えいただければ幸いです。

■知人の話
知人は数年来、隣人との土地境界(筆界)問題を抱えている。
筆界特定制度を利用し土地境界(筆界)を確定させるべく申請し、費用の予納概算額(140万円以下)も確定した(共同申請ではなく知人一人の申請)。
費用は払える額だが、そもそも筆界確定手続きをしなければならなくなったのは、筆界が不明瞭である点もあるが、加えて相手方には悪意があったというのもある。
筆界の特定は、自分側にも資することであるから、全額請求をしようとは思わない。しかし相手方にも同様の利益があり、かつ悪意がある。半分で良いから請求は出来ないか。

ここでいう悪意とは、明らかに元々知人側の土地であると相手方も認識していた地点から数メートルほど知人土地側に筆界があると主張していることを言います。知人曰く「あわよくば」の主張。
相手方は町内でも問題と見られる行為を何度か行い(他人の土地を埋め立てる等)、町内会が過去に問題行為を咎める質問状を出すこともあったとは前々から聞いていたので、知人の主張はある程度客観的であろうと判断しています。


■お伺いしたいこと
一端相手方本人への請求の後、容れられなければ簡裁(折半しても140万円以下)への本人訴訟を検討しているそうです。
ちなみに司法書士ないし弁護士費用までは現在のところ都合がつかないそうです。
お伺いしたい点としては以下の4点です。


●1.不動産登記法第146条の規定にかかわらず、費用請求は可能か
 僕の認識でこの規定は、あくまで申請時点の費用負担義務が申請人にあるのであって、請求を妨げるものではないという認識ですが、法律上ないし裁判例上、「請求は出来ない」との制限はあるのでしょうか。

●2.仮に悪意を証明したならば、たとえば不法行為を根拠とした請求は可能か
 上述悪意が証明出来た場合、不法行為等を根拠とした請求となるのでしょうか。
 あるいは、他の法的根拠がありうるのでしょうか。
 仮に不法行為であるなら構成要件としては、
  ・故意または過失 →上記「悪意」がこれにあたる?
  ・権利の侵害 →土地所有権の侵害?
  ・損害の発生 →筆界特定に係る費用(逸失利益)?
  ・因果関係 →所有権の侵害状態発生に伴う種々の(財産的・精神的)不利益が存在し、いずれかの時点でこれを解決する必要性があった?
 ということになるのでしょうか。

●3.相手方の利益にもなる手続きであるとの主張による費用負担請求は可能か
 上述の通り、知人の認識として、筆界の確定は相手方の利益にもなる、というものがあります。
 であるなら認められるか否かは別としてこれも裁判上主張したいというのが知人の意見です。
 法的に、このような場合の主張の根拠となり得る(実際に認められるかどうかは別として)条文はあるのでしょうか。

●4.提訴する場合の時期はどの時点が妥当か
 土地問題解決戦略全体との兼ね合いもありますが、純粋に費用請求訴訟を有利に進めるためのタイミング、という意味ではどの時点が適切なのでしょうか。
 予納後か、筆界特定手続き中か、筆界特定手続き完了後か、様々なタイミングが考えられます。
 仮に知人の主張に傾いた判断を法務局が下すのであれば、当然確定後が有利にはなるでしょう、しかし素人である僕としては、どのような判断を下すのか判断がつきませんので、必ずしも確定後が良いとは思えません。
 

以上、ご回答いただける方がいらっしゃいましたら、ご回答をお願い致します。

A 回答 (3件)

>不動産登記法に明文の規定がないことが、そもそも今回質問をさせていただいた理由です。



 申請人が費用を負担するという明文の規定がある以上、それに尽きます。そもそも、筆界特定は、筆界特定登記官に対する手続であって、被申立人という概念がありませんから、相手方(被申立人)に費用を負担させるというこは観念し得ません。
 相手方に何らかの金銭の請求をするのであれば、私法上の根拠を示す必要がありますが、申立人と相手方に契約関係がないのですから、法定債権発生原因である不法行為、不当利得、事務管理の何れかを根拠にせざるを得ませんが、どれも困難です。(御相談者もそう思われるから、ご質問をされたのだと思いますが。)
 知人の方は、既に筆界特定の申請をされているということなので、今更、こんなことを言うのは何ですが、そもそも、なんで境界確定の訴え(民事訴訟)ではなく、筆界特定手続を選択したのでしょうか。相手方に費用の負担をさせることだけを考えるのであれば、境界確定の訴えのほうがアクロバチックなことを考えなくても済みます。形式的形成訴訟とはいえ手続は民事訴訟法によるのですから。
 もちろん、それだけで、境界確定の訴えを選択すべきという問題ではありませんが、境界確定の訴えも筆界特定手続も、それぞれ利点と問題点がありますから、知人の方に弁護士、司法書士、土地家屋調査士といった専門家のアドバイスを受けるように勧めてください。(既にアドバイスを受けて、筆界特定手続を選択したのかもしれませんが)
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり、申し訳ございません。
ご回答いただきありがとうございます。

>筆界特定は、筆界特定登記官に対する手続であって、被申立人という概念がありませんから、相手方(被申立人)に費用を負担させるというこは観念し得ません。 

この点についてはよく考慮出来ずにいました。

>境界確定の訴えを選択

先にも機会がありながらお答え損ねておりました。
知人は法テラスへ相談に赴き、そこで聞いた話を元に筆界特定制度を選択したそうです(先に筆界部分の特定をしたい、とうのが大きかった模様)。
相手方の費用負担を考え始めたのは、手続き開始後とのことです。

知人へご回答いただいた点について伝えたところ「やるだけやってみたい」とのことでした。
後日知人に資金の工面がつけば、境界確定訴訟も検討しているようですので、その際は専門家にアドバイスを貰う等、伝えております。

ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/03 16:56

まず、筆界特定制度の利用に140万円もかかるんでしょうか?



筆界特定で登記官と話をしたときに、筆界と所有権界は違うと聞きました。
つまり、筆界が決まっても相手がその部分の所有権を主張すれば、訴訟を起こすしかないということです。

この回答への補足

 書き込みいただき、ありがとうございます。
 以下の通り、回答させていただきます。

>筆界特定制度の利用に140万円もかかる
 本件においては140万円以下です。
 ただし、ケースによってはかかる場合もあるのではないでしょうか。筆界特定は測量も行ったりと、実務上の費用として超える場合もありうるかと。

>筆界と所有権界は違う
 この点については承知しております。
 質問においては筆界特定に関し伺いたかったため筆界についてのみ述べておりますが、実際には所有権界の問題も含んでおります。
 知人は、所有権界の問題についてはまた別に考えている模様(詳細を聞く時間はありませんでしたが、ADRの利用を検討中のようです)です。


 筆界特定制度をご利用されたことがあるとのことですので、
もしよろしければ(感想程度のものでも)いただければ幸いです。

補足日時:2012/05/13 19:17
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●1.不動産登記法第146条の規定にかかわらず、費用請求は可能か


 僕の認識でこの規定は、あくまで申請時点の費用負担義務が申請人にあるのであって、請求を妨げるものではないという認識ですが、法律上ないし裁判例上、「請求は出来ない」との制限はあるのでしょうか。
 実務上は,そのようには解さないのが一般的です。筆界特定手続では,民事訴訟法61条のように手続費用を敗訴者負担とするなどの規定が存在しないので,手続費用を相手方に請求できる法的根拠はないと言わざるを得ません。

●2.仮に悪意を証明したならば、たとえば不法行為を根拠とした請求は可能か
 土地所有権の範囲について争っているというだけで不法行為の成立を認めることは,一般的には困難であろうと思われます。

●3.相手方の利益にもなる手続きであるとの主張による費用負担請求は可能か
 1でお答えしたとおり,民事訴訟法61条に相当する規定がない限り,手続費用は各自の負担(お互いに手続費用の請求はできない)というのが原則的な考え方です。

●4.提訴する場合の時期はどの時点が妥当か
 そもそも,そのような請求が認められる可能性はないと判断しますので,提訴時期の問題についてコメントする意味はありません。
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この回答へのお礼

 ご回答いただき、ありがとうございます。

 ご回答いただいた点についてお礼を兼ねまして少しばかり整理をさせていただきます。

 民訴61条に相当する明文規定がないという点、土地境界問題で不法行為を主張するのは難しい点、この2点がポイントということですね。

 不動産登記法に明文の規定がないことが、そもそも今回質問をさせていただいた理由です。逆に明文で何かしらの形で禁止されている可能性を検討せざるをえませんでした。
 逆に明文規定がないのであるなら、無理があるのは百も承知の上で、場合によっては民訴61条の準用等も(認められるか否かは別として)主張しうる、とも解釈しえます。
(そうなれば面白いですが)

 「実務上」という点は「単に賠償請求する人がいないor少ない」という点と、「出来ない」と多くが解釈しているために実務家が思いとどまらせる、という点を切り分けて考える必要があると思われます。
 仮に、トラブルが好きな人はそうそうおらず、どのような結果であれ元々のトラブルが解決してなおトラブルを自分から抱えたがる人は少数派である、という前提を置けば特に前者は宜なるものがあります。
 逆に後者であるなら勝訴は厳しいものとなる、ということでもありますのでこの点については調査・検討するように致したします。

 なお、先ほど知人に確認したところ「負けると分かっていて勝訴のための準備はいくらでもする」とのことでした。権利のための闘争を志しているのかもしれません。


 熟々と書き連ねてしまいましたが、kuroneko3さんのおかげで整理が進みました。
 重ねてではございますが、ご回答、ありがとうございました。

お礼日時:2012/05/13 20:20

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