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本には、クーロンの法則でいきなり比例係数をk=1/4πεと置くと書かれていて、なぜそのように置くのかの理由が書かれていませんでした。
1/4πの部分は、検索すると理由がかかれていました(計算がすっきりするためだとか。。http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/stati …
しかしなぜ分子でなく分母にεをもってくるのかはよくわかりませんでした。
分かる方いらっしゃいましたらよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

(1) 1/εの話



 以下では、実際の歴史的経緯を少々都合よく脚色してますが、概ねは正しいと思います。

 誘電率の考えが出て来たのは、クーロンの法則からではありません。#1さんの仰るように、コンデンサーの誘電現象などを通じてです。当時(19世紀初頭)、真空は手に入りにくいものだったし、電荷(電子)そのものを今のように、手に取っていた訳でもありません。一番ありふれた電荷は、空気で絶縁されたコンデンサーにたまる電荷でした。ファラディはコンデンサーおいて、誘電現象を発見します。

 コンデンサーの極板間に紙の束などを挟むと、同じ電圧に対して極板上の電荷が増えます。当時すでに、極板間の電場は電圧に比例する事がわかっており、ファラディは電場によって紙の束が分極を起こし、これを電場による誘導電荷とみなせば、極板の電荷の増加を説明できる事に気づきます。そして分極(誘導電荷)は、電圧に比例する事もわかります。

 電場は電圧に比例するので、分極電荷密度(極板上の面密度)をΡとすれば、電場をEとして、(1+χ)E=Ρとなります。ここでχは、電気感受率と言われる、紙なら紙に固有の物質定数です。このχが誘電率の原型と思われます。真空の場合、χ=0です。

 コンデンサーの極板上の電荷くらいしか見られなかった当時、真空でも(厳密には大気でも)紙でも、コンデンサーの動作そのものには違いは見られなかったので、真空も一種の物質と考え、基準物質としてχ=0にした訳です。

 このような扱いは、電磁気の単位が整備されていなかった当時、けっこう自由でした。一方クーロンの法則はと言えば同じ理由から、k=1/4πε=1 と扱うのも、けっこう自由でした。

 (1+χ)E=Ρの(1+χ)は物質の誘電強度を表すので、それを物質の誘電率に読み替えられます。ε=ε0(1+χ)が物質の誘電率で、ε0が真空の誘電率です。今は単位系が整備されたので、ε0=1 とはおけない訳ですが、とにかく(1+χ)E=Ρは、電荷に比例した電場が発生すると読む事ができます。この形はガウスの法則として、今でも電磁気の法則に残っています。

  εdiv・E=ρ(電荷の体積密度)

 div・は微分演算子なので、ρからEを求めるにはちょっと計算が必要ですが、計算すればクーロンの法則も導けます。そうすると、div・E=ρ/εなので、クーロンの法則の分子にεが来ます。

 という訳で、εが分子に行っても、論理的にはOKなんですけど、とにかくMKSA単位系では、そう決めました。じっさい磁気現象では透磁率μが、分子に行きますが(MKSAでは)、その辺の話は、単位系をどう設定するかの話になり、けっこう面倒臭いんですよ・・・(^^;)。


(2) 1/4πの話

  εdiv・E=ρ   (1)

を是とすると、ρが単位電荷のとき、クーロンの法則になるはずです。またクーロンの法則の比例定数が何であっても、クーロンの法則から、

  rot×E=0    (2)

も出てきます。(1)も比例定数を除けば、じつはクーロンの法則から同じ形を導けます。そこで比例定数の問題なので、(1)のεを是とし、ρを単位電荷として、(1)と(2)から、Eを逆算してみる訳です。結果は、比例係数k=1/4πεを持つ、クーロンの法則になります。

 1/4πは、逆算の途中で出てくる数学的な比例定数で、球の表面積に関係します。なので、

>計算がすっきりするためだとか。。

は半分以上本当です。
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この回答へのお礼

丁寧に説明していただきありがとうございます。
>誘電率の考えが出て来たのは、クーロンの法則からではありません。#1さんの仰るように、コンデンサーの誘電現象などを通じてです。

ここからきてるのかあ!なるほどと納得できました。
ありがとうございます。

お礼日時:2012/06/23 01:25

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3% …

コンデンサの定義として使われているからじゃないかな。

電気がたまる ってことは 電気が流れにくいってことの 言い換えのようなもの
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
うーん。どのような流れでk=1/4πεが導き出されたのかいまいちピンとこない感じです・・すいません。

お礼日時:2012/06/16 16:47

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