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アメリカの現代史の本について。19世紀末から20世紀のアメリカのついて書かれている本で、左巻きじゃない学者が書いている本を探しています。私が購入したのは
「アメリカの20世紀〈上〉1890年~1945年 (中公新書) [新書]」 有賀 夏紀

なのですが、視点が完全に左翼視点で読者を一定方向へ誘導しようという意図を感じて、客観性が疑われる記述が多く、私が求めているものではありませんでした。

具体的に言うと、女性の権利や人種問題、格差問題ばかりに焦点を当てて、たとえば、米西戦争についての記述なども、おおざっぱでデイティールが書かれていませんでした。おそらく戦争に興味がないのでしょう。

できればアメリカの学校で使われている現代史の教科書をそのまま日本語に翻訳したようなものを探しています。ちなみに倉山満さんのような、異説を紹介したような本も探していません。あくまでも定説を記述してある教科書的な本を探しています。

A 回答 (3件)

 著者です。

ご質問ありがとうございました。たまたま見ましたのでお答え致します。
50年前、私がアメリカの高校で勉強した教科書は確かに、政治・外交中心で英雄の功績が書かれていました。しかし、1970年代、80年代に勉強したアメリカ史の文献は、黒人、移民、女性、白人であっても労働者や普通の人々の視点から書かれていました。いわゆる「下からの歴史」で、社会史と呼ばれている歴史です。
 1960年代末以降のアメリカ社会の変化とともにアメリカの歴史の本も大きく変わりました。1970年代半ば以降はアメリカ史学界はこの社会史が主流になっています。政治・外交の歴史研究も視点は政治家などの社会のエリートではなく、むしろ普通ないし底辺の人々の視点からなされることが多くなっています。もちろん、大統領などの政治家や実業界の指導者などに焦点を当てた研究もしますが、社会史的な視点からの研究が近年の研究です。政治学では多少の違いがありますが、それでもかつてのように政治家の側からのみに政治的現象を分析することは少なくなってきています。政策を見るときも黒人や他のマイノリティ、女性の視点を入れないわけに行かなくなってきています。
 社会史的な歴史は、人種・民族、階級、ジェンダーの枠組みからアメリカ社会が植民地時代から現代までどのようにして作られてきたかを見るのですが、こうした歴史に対して、大統領などの国民的英雄を中心に書くのが歴史だと考える人々の批判もあり、こうした議論は「歴史戦争」とも呼ばれています。
 私の本も、この30年くらいのアメリカ史研究を反映したもので、近年の研究に基づく定説に従ったものです。このことはアメリカの教科書の翻訳であるメアリ・ベス・ノートン等著『アメリカの歴史』6巻(三省堂)をご覧になれば明らかです。
 お求めのようなアメリカの歴史は50年前なら普通に書かれていましたが、1960年代頃から変わってきました。今日そのような本を書く歴史研究者は、日、米、ヨーロッパにもいないでしょう。
 こうした歴史解釈の、時代による、つまりその時代に生きる歴史家による違いは、E.H.カー『歴史とは何か』がよく説明しています。
 アメリカ史に関しても、このようなアメリカ史研究の近年の変化が、有賀夏紀​・紀平英作・油井大三郎『アメリカ史研究入門』(山川出版)、五十嵐武士・油井大三郎編『アメリカ研究入門』(東京大学出版会)に書かれています。
 ご質問、勉強になりました。
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  在米です。

ご質問を見てすぐ身内の高校生にメールを出したのですが、今やっと返事がきました。僕の経験とそのメールの二つの報告です。

1。 家内の妹が代用教員をしている時、アメリカ現代史の太平洋戦争のところで僕に来てくれないか、というので、アメリカの小学校には行ったことがないので、見物がてら行きました。

    学校の教室には、ワシントンとかリンカーンとか、お札にあるような人の絵があって、アメリカの国旗みたいな物とか、時の大統領(クリントンだったと思います)などが飾ってあるのだろうと思いました。

    ところがそんな物は何も無くて、キング牧師やシーザー•シャヴェズというメキシコからの移民の農地労働者の労働組合を作った人などの写真があるだけで「へえ」と思いました。

2。今日来たメールでは、歴史の本は2006年頃出た物だが、殆ど使わず、歴史の先生がインターネットに出した論文を読まされている、と言うことでした。

  ですから、未だに僕は闇の中です。
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左巻きって何?

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