ずっと疑問に思っていたことです。
ビッグバンとは、無限小の大きさの空間に宇宙の全質量が詰まっている「特異点」が爆発し(=大きさがどんどん広がり)、今の宇宙ができたと理解しています。
一方、「特異点」があるブラックホールとは、密度が大き過ぎて、強い重力のため光すら脱出できない小さな天体(領域)と理解しています。
ということは、ビッグバン自体が「密度が大き過ぎて、強い重力のため光すら脱出できない小さな天体(領域)」なので、爆発的に広がれないと思うのですが。
何で、ビッグバンの特異点は爆発的に広がることができて、ブラックホールの特異点は広がれないのでしょうか?
A 回答 (7件)
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No.1
- 回答日時:
>ビッグバンの特異点は爆発的に広がることができて、ブラックホールの特異点は広がれないのでしょうか?
ブラックホール内部(事象の地平面内)で特異点から外側に広がって行っているものがあるかもしれません。それはブラックホール内部で時間の流れが反転していればそうなり、ホワイトホールと呼ばれることもあります。
ホワイトホールは見た目にはブラックホールと何も変わりません。重力もあれば、事象の地平面にたどり着くのに無限大の時間がかかります。それは外部からだけではなく、内部から事象の地平面にたどり着くのも同じで、無限大の時間がかかります。現在、観測的にブラックホールとされているものの中に、ホワイトホールがあるかどうかは不明です。外からの観測では分からないからです(技術力不足なのではなく、原理的に判別不可能)。
古典的なマクロの物理学(相対論を含む)では、特異点自体がどうなっているか、そこから何が出て来るかは全く述べることができません。ただ、カー・ブラックホールと呼ばれるものでは、特異点がリングになっており、リング内からは全く別の時空があることが示されます(それが具体的にどこかは分からない)。
ブラックホールの特異点自体を調べるためには、サイズが極めて小さい場合の物理学、つまり量子力学が必要です。量子力学は特殊相対論で書き直すことには何とか成功しましたが、重力理論である一般相対論で書き直すことには今だ成功していません。
量子力学を一般相対論で書き直せれば、それは重力理論にもなります。それを量子重力理論と呼んでいますが、それができないことにはブラックホールの特異点自体を理論的に調べることはできません。さらに、ブラックホールの特異点は事象の地平面で覆われているため、観測も実験もできません。
ブラックホールの特異点と同様の性質があるのではないかと予想されている、ビッグバンについても同じです。それそのものを記述する理論が存在していないため、周辺の事柄から予想されていることは少なからずありますが(互いに相矛盾するようなものを含む)、あくまでも想像の域を出ません。
P.S.
現在はビッグバンは宇宙の始まりそのものではなく、物質が急速に吐き出され始めた時点を言うことも多いようですし、インフレーション理論などの宇宙誕生後の理論的予想も多く出されていますが、未だに宇宙の開始そのものについては何も言えない状態です。
ご回答の程、ありがとうございます。
現時点の理論は、残念ながら全て未完成なので、いろいろな疑問・矛盾を思いついてしまいます。
もしかしたら、ビッグバン後にヒッグス場が形成されたタイミングで宇宙全体が閉じてしまい、(変な表現ですが)その閉じた空間の中で宇宙がホワイトホールとして膨張しているのかも知れませんね。
No.2
- 回答日時:
相対性理論(以下、相対論)では、その方程式の分母がゼロになるなどして計算不能になってしまう場所やタイミングがあり、絶対理論ではない、ということをスティーブンホーキングらが提唱し、これを特異点と呼んだのだったと思います。
数学では、分母がゼロになると答えは不定(無限大へ発散する、英語で、Over Flow)、即ち計算不能となり、こういった場所を特異点と呼びます。
例えば、無限に小さな領域は、相対性理論上、無限に小さい=距離ゼロで計算しないといけないとか、光速度は相対論上絶対速度なので、やはり分母がゼロになる方程式があって、宇宙にはそういった相対論では説明できない場所があり、そこも特異点と呼称したのです。
でも、量子力学に始まって、超弦理(やM理論)、大統一理論など、相対論を補完する理論が追加されたり、完成が近付きつつあって、何時とは言えないまでも、きっと全ての物理現象が方程式で説明でき、それが正しいと証明される日が近い将来やってくるでしょう。
そうなれば、もう、そこは特異点では無くなるのです。
ビッグバンにはビッグバンの特異点があり、ブラックホールには超重力で空間が閉じられた事象の地平と、無限に小さく圧縮された、ブラックホール中心の特異点があり、これらはその状態が異なります。
ビッグバン直後は、まだ重力は大統一理論(未完成)により、他の強い力、弱い力、電磁気力、と一緒になっていました。
重力は、ビッグバンから10^-35秒後(^は累乗を表すことにします。10のマイナス35乗秒後、即ち、1/10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000秒後)、重力が分離され誕生しましたが、まだこの時点では、重力という物理量はあっても、ヒッグス場が登場していないので、物質があってもそれから発生する質量が存在しない、つまり、物質起源の重力も発生していませんでした。
光子などのエネルギー粒子はもちろんのこと、クオークなどの物質粒子すらも質量がなく、全て光速度で空間を進むことができました。
ビッグバンから10^-13乗後、ヒッグス粒子により空間がヒッグス場へと相転移し、宇宙には物質起源の重力が一気に発生したと考えられます。
しかし、その時点では既に、宇宙はビッグクランチに向け転進するために再収縮して仕舞わない程、十分な膨張エネルギーと大きさを保持していたことになります。
それが正しいと認めざるを得ない理由は、今、我々がこうしてOkWaveで語り合っているからに他なりません。
幸い、我々の宇宙はビッグバン直後に起こったかもしれないビッグクランチから逃れ、生き残ったのでしょう。
もしかしたら、他の宇宙のビッグバンでは、爆発エネルギーが足りず、ヒッグス粒子が出来た直後にクランチして、宇宙全体が重力の深淵に取り込まれ、超巨大なブラックホールになってしまった宇宙があるかもしれません。
或いは、クランチ直前の高温でまたヒッグス粒子が消え去ってビッグバンの逆を辿り、クランチの反動として再ビッグバンを繰り返しているのかもしれません。。。。
一方で、ブラックホールの特異点とは、ブラックホールに近付き過ぎると、その超重力のため脱出速度が指数関数的に上昇し、ある距離に達すると、それが光速度を超える限界距離がある点が違います。
要するに、最初から重力ありきである、ということで、ブラックホールは、超重力で閉じた空間を再展開して別の形態へと進化することはありません。
唯一、ホーキング輻射という現象により、内部から物質が僅かづつ染み出して蒸発していく、という特例的な現象以外、特異点を超えてブラックホールを構成しているものが外へ飛び出すことは無い、とされています。
以上、何の数字的根拠もなく、稚拙な回答になっておりますことは、ご了承ください。
回答には、以下のサイトを参照させて頂きました。
【キッズサイエンティスト】
現代の宇宙像-ビッグバン
http://kids.kek.jp/class/cosmos/class09-01.html
ヒッグス粒子と質量
http://kids.kek.jp/class/particle/class01-10.html
【ナショナルジオグラフィック】
ヒッグス粒子が誕生したのは、ビッグバンの何秒後?
http://www.nationalgeographic.co.jp/quiz-poll/qu …
[答] 100億分の1秒後
【at home 教授対談シリーズ こだわりアカデミー】
宇宙創生を解明する「インフレーション理論」 佐藤勝彦 氏
http://www.athome-academy.jp/archive/space_earth …
【正岡正剛の千夜千冊】
浅井祥仁 ヒッグス粒子の謎
http://1000ya.isis.ne.jp/1506.html
【Wikipedia】(URL省略)
ビッグバン
宇宙のインフレーション
ブラックホール
ヒッグス粒子
ご回答のほど、ありがとうございます。
ヒッグス場、すなわち重力の登場と同時に空間の湾曲も発生したのだが、このタイミングで、ビッグバン=空間自体の膨張エネルギーが、宇宙全体をブラックホールとして閉じようとするヒッグス場による空間の湾曲を上回ったということですね。
となると、空間自体の膨張エネルギーは、ヒッグス場とは別モノで、ヒッグス場より先に存在していたということになります。
空間自体の膨張エネルギーって、何なのか?
ヒッグス場と空間自体の膨張エネルギーについて、勉強してみます。
No.3
- 回答日時:
> ビッグバンとは、無限小の大きさの空間に宇宙の全質量が詰まっている
この点に勘違いの元があるように思います。
ビッグバンが起こって、相応の時間が経過するまで、物質に質量は無く、重力も無い世界と考えられています。
(何故そのようになっているのか、ビッグバンから相応の時間が経過するまでの過程は、私脳ミソでは理解不能)
質量も重力も無い世界ですから、その環境ではブラックホールなど成立しないです。
「空間に宇宙の全質量が詰まっている」というのとは違うようにも思うのです。
物質や質量は、ビッグバンが起こって相応の時間が経過して発生した。質量とエネルギーは等価である。
ということからすれば、ビッグバンは「全質量」の塊というより、「全エネルギー」の塊という方が適切だと私は思うのです。
そして、こうなると、「ブラックホール」とは全く別次元のものとなります。
ご回答の程、ありがとうございます。
今、話題のヒッグス粒子が現れた時点以降から、質量・重力による空間の湾曲が始まったということですね。
ヒッグス粒子について、勉強してみます。
No.5
- 回答日時:
>何で、ビッグバンの特異点は爆発的に広がることができて、ブラックホールの特異点は広がれないのでしょうか?
⇒疑問に思われる気持ちよく分かります(自分もそうでした)。同じような原理・構造をしているはずなのに、なぜその一方だけビッグバンがあったのか。もっともブラックホールも、円盤の垂直方向(つまり、比較的薄い2方向)にジェットが吹き出してはいますし、さらには「ブラックホールの蒸発」なんてのもあるようですが。
ビッグバンとブラックホールの間にある決定的な違いは、その「規模と質」ではないかと思います。少なくともビッグバンはブラックホールの数千億倍以上の規模でしょう。なぜなら、通常は1つの銀河中に、その中心や超新星爆発後の中核など、幾つかのブラックホールが含まれますが、他方ビッグバンは、それらすべてを含み込むわけですからね。つまり、宇宙の構造はフラクタル構造だといわれますが、一番外側の「マトリョーシカ」がビッグバン(の後身)ということになるんでしょうね。
因みに、宇宙には2千億個以上の銀河が観察されるそうです。つまり、この宇宙の広がりはとつもなく大きいわけですが、それでも「断熱膨張」しつつあるといいますので、これすなわち、「有限な枠内に入っている」ことになりますよね。そこで、まったく根拠のない推測ですが、もしも、あらゆる銀河やブラックホールを含む「宇宙質量の大半がシュバルトシルト半径の内側に入ることがあれば、そのような場合にのみ、ビッグバンが起こり得る」、ということなんじゃないでしょうか。
以上、SFまがいの憶測に過ぎませんが、ご回答まで。
No.6
- 回答日時:
No. 2 です。
補足ありがとうございます。
補足へのレスです。またもや長くて済みません。
>となると、空間自体の膨張エネルギーは、ヒッグス場とは別モノで、ヒッグス場より先に存在していたということになります。
>空間自体の膨張エネルギーって、何なのか?
膨張が始まったそもそもの根源は、現在も不明です。
なぜなら、それを完全に予測できる物理学の候補は上がってはいますが、それが正しいのかどうかの確証が得られていないからです。
現在、ビッグバンのトリガとなった候補として一番上手に現象を説明できているのは、ブレーンワールド理論(膜宇宙論とも)から派生した「エキピロティック宇宙論」です。
【Wikipedia】
[ブーレーンワールド]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC% …
[エキピロティック宇宙論]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AD% …
ブレーンワールドは、超弦理論の5つあるバリエーションを統一するであろう候補としてのM理論などと、密接に関係している、宇宙の根源的構造のひとつです。
ブレーン(膜)ワールドの考え方は、人が理解しやすいように空間の次元を1つ無視したとすると、宇宙を膜状の2次元構造として捉え、宇宙の構造のひとつであるヒッグス場を、超弦理論上の弦(ひも)が紡がれた不織布のようなカーテン状の膜に例えます。
そして、膜は1枚だけではなく、さらなる高次元の空間に複数並んでいる、とするものです。
(自分はそのように理解しています。もしかしたら、違うかもしれませんので、念のため。)
各々のブレーン(膜)は、「量子的揺らぎ」という現象によって静止せず、風にそよぐカーテンのように波打っており、ある確率で隣のブレーンと衝突し、その衝突エネルギーで宇宙は1点から爆発的に発生し、ぶつかった膜の間に新たな膜として発生していく、という考えだと思います。
その衝突エネルギーは、1つの宇宙を生成する程、膨大なエネルギーだということなのでしょう。
そして、発生した宇宙は、空間が内包する「真空のエネルギー」により、インフレーションという指数関数的膨張を起こし、一気に成長し、ビッグバンへと移行していく、というのが、最新の宇宙の誕生プロセスであったと思います。
[宇宙のインフレーション]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99% …
[ダークエネルギー(真空のエネルギー)]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC% …
以上の理論は、証明されたものはほとんど無い状態ですが、インフレーション理論は現状の宇宙の構造を上手に説明できています。
また、他の関連する理論も、未証明であるものの、よく引き合いに出されていますので、きっと支持者は多いのでしょう。
No.7
- 回答日時:
私も疑問に思っていますが、結局現在の理論では説明できないのではないでしょうか。
ヒッグス場に関する回答など、うまく説明しているようですが、なにも宇宙開闢時まで遡る必要もありません。
宇宙全体の質量は詳しくはわかりませんが、よく言われている数字の中でも少な目の数字として、1つの銀河に恒星が2000億個、観測可能の宇宙に銀河が2000億個あるとされています。
この数字をもとに、ブラックホールの半径(シュバルツシルト半径)を計算すると、約120億光年になります。(太陽質量:3.1x10^31kgを恒星の平均としています)
つまり、今見えている天体をが、半径120億光年の領域に収めてしまえばブラックホールになってしまうということです。ここにダークマターなども考慮するとこの半径は何倍にもなって、現在の宇宙全体もブラックホールの内部に収まっているとも考えられます。
なぜ、宇宙は膨張を続けているのでしょう。宇宙は元々ブラックホールの内部なのでしょうか。
提唱されているダークエネルギーの正体でもわかれば説明可能になるのかもしれません。
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