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簿記1級の法人税等調整額について質問があります。
私が使用しているスッキリわかるIIIのテキストに
「法人税等調整額が貸方に生じた場合(貸方残高の場合)には、損益計算書の法人税等に減算します。~~~」
とあり、例題でも法人税等調整額が貸方残の場合に法人税等を減らしています。

私の認識としては、貸方残となる場合は、
繰延税金資産 1,000/法人税等調整額 1,000

という仕訳の時であり、将来減算一時差異が発生した時です。
将来減算一時差異は、当期の課税所得の増加であり、法人税等の加算というイメージなのですが、何か思い違いをしているのでしょうか。
どなたか教えてください。。

A 回答 (3件)

こんにちは。



税効果会計は本当に理解が難しいですね。

2級の時は、

税引前当期純利益 XXX (A)
法人税等       XXX (B)・・・(A)×法人税率
             -------
当期純利益      XXX (C)・・・(A)×(1-法人税率)


でした。 これが1級になると、

税引前当期純利益        XXX (a)
            --------------
法人税等        XXX (b)
法人税等調整額  ±XXX(c)   XXX (d) 
            ---------------
当期純利益            XXX  (e)

となりました。


ここで(A),(B),(C)と(a),(b),(c),(d),(e)はどのような関係になっているのでしょう?関係性に注目すれば、
(A)は(a)
(B)は(d)
(C)は(e)
と近い関係になります。それでは(b)はどうでしょう?1級の問題で(b)を計算させることってありますか?数字を与えられるだけで計算させることはありません。ここは税法上で計算される数字であって、会計上の税引前当期純利益から計算されるものではないからです。

実は、
>将来減算一時差異は、当期の課税所得の増加であり、法人税等の加算というイメージなのですが、//
このご質問で言われている「法人税等の加算」とは(b)の計算で加算されていることなのです。だから簿記の問題では計算しない、けど加算された数字が与えられているということなのです。これを、
繰延税金資産 XXX/法人税等調整額 XXX
と仕訳を切って(c)を計算させることによって(d)の計算で(b)から減算しているのです。
この加算されていた金額を法人税等調整額で減算させることによって、2級の時に計算した、
当期純利益=税引前当期純利益×(1-法人税率)
と近い関係を作り出すのです。つまり、

税引前当期純利益        XXX (a)
            --------------
法人税等        XXX (b)
法人税等調整額  ±XXX(c)   XXX (d) (a)×法人税率
            ---------------
当期純利益             XXX  (e) (a)×(1-法人税率)

と。こうすることによって、税引前当期純利益のうち一定割合は税金として計上されることが予測できるわけです。


正確には(d)=(a)×法人税率ではなく、従って(e)=(a)×(1-法人税率)ではありません。永久差異があるからです。しかし上記の関係にきわめて近い関係が出来上がります。



ところで、1級の問題でもたまに、税効果会計を適用せず「税引前当期純利益のうち○○%を法人税等として計上する」というような問題がありますが、これは試験の目的上税効果会計以外の会計論点を問うているためで、一時差異があれば税効果会計が必要になり、永久差異があれば法人税額=税引前当期純利益×法人税率にはなりません。
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この回答へのお礼

素早く回答していただきありがとうございます。
翌朝確認した時にすでに回答があったので、大変驚きました。
法人税等と法人税等調整額の関係を少々勘違いしていたようです。
大変丁寧な回答、本当にありがとうございました。

お礼日時:2013/11/01 23:36

簡単に書くと、税法上の法人税等に加減算して会計上の法人税等に修正します。



貸方残の場合は、税法上の法人税等が会計上の法人税等より大きいので、税法上の法人税等から減算することによって会計上の法人税等に修正します。

その結果、会計上の税引前当期純利益と会計上の法人税等が対応し、会計上の(税引後)当期純利益と対応します。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。
法人税等と法人税等調整額の関係を少々勘違いしていたようです。
まだ多少考えないとイメージが難しいですが、すんなりと頭の中で描けるよう頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2013/11/01 23:41

『将来減算一時差異は、当期の課税所得の増加であり、法人税等の加算というイメージなのですが、何か思い違いをしているのでしょうか。


↑これは思い違いでも何でもありません。正しい認識です。

将来減算一時差異によって当期の課税所得が(会計上の税引前当期純利益より)増加しており、そのため法人税等がその分だけ多めに計上されています。
この多めに計算された法人税等を、会計上の税引前当期純利益に見合うものにするために法人税等調整額でマイナスする訳です。

設例
 会計上の税引前当期純利益 10,000
 実効税率 40%
 将来減算一時差異 2,500
 課税所得 10,000+2,500=12,500
 法人税等 12,500×40%=5,000
 法人税等調整額 2,500×40%=1,000
損益計算書の表示
 税引前当期純利益 10,000
 法人税等       5,000
 法人税等調整額  -1,000
 当期純利益      6,000

この計算で、法人税等5,000-法人税等調整額1,000=4,000となり、この4,000は会計上の税引前当期純利益 10,000に実効税率40%を掛けた金額、つまり税引前当期純利益10,000に本来対応すべき金額となります。

法人税等調整額1,000は、当期の法人税等が1,000だけ多めに計算されており、将来その差異の解消年度では法人税等が1,000だけ減少する、つまり減算するので将来減算一時差異と称されているわけです。
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この回答へのお礼

法人税等と法人税等調整額の関係を少々勘違いしていたようです。
ベストアンサーは一番早く回答していただいた方とさせていただきましたが、
minosenninさんの回答も大変わかりやすく、まさに私が勘違いしていた箇所についてご説明いただき、ありがとうございました。
今後何かありましたらよろしくお願いします。

お礼日時:2013/11/01 23:39

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