天狗といえば、伝説のある高尾山ですかね。
この天狗の存在ってどういう扱われ方ですか?
はやり、鬼と同様に流浪の外国人説が正しいのでしょうか?
やはり、外国人で鼻が高い人種もいるでしょうし、赤みの掛かった肌もありえるでしょうし。
実際、ペリー来航時、ペリーの顔は天狗のように描かれた似顔絵が出回りました。
まあ、これはご愛敬の範囲かもしれませんが。
それに、天狗だけではなく、烏天狗というのもありますよね。
天狗だけでも分からないのに、何故烏が付くのでしょうか?
高尾山の天狗伝説は烏天狗じゃなったですよね?
また、関西で良く使われる言い回しで、
君は最近天狗になってるんちゃうの?っていうようのがありますが、
調子に乗ってるという解釈で良いと思いますが、この辺はピノキオと同じと捕らえても良いでしょうか?
または、明確な違いがあるのでしょうか?
天狗って鬼と違って日本だけに存在する(した?)ものでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
日本の天狗はその根源は烏天狗にあたり、仏教八部衆の迦楼羅王(迦楼羅天とも、元々はインドの伝説にある神鳥、東南アジアでは神鳥ガルーダ)との関係が濃厚だと考えられています。
この烏天狗と国津神であった猿田彦(鼻が高くて赤ら顔)像、各地にいた酒呑童子のような山岳集団(後にサンカになるような山地流浪集団)が習合して天狗像が形成されたと思われます。
上記のように烏天狗像の形成に迦楼羅王の影響は大きく、東南アジアの小乗仏教下で形成された文化では現在もガルーダとして一定の信仰を受けています(インドネシアのナショナルフラッグがガルーダ・インドネシア航空であるように)。
また、長い鼻を持った神像というのは、インドでは象身の神様ガネーシャがいますからそれとも関連があるでしょう。普賢菩薩が象に乗っているのも関連するかも知れません。
メキシコのチャック神像のような例もあります。
猿田彦については、ここに中々興味深い議論がありました。
http://books.google.co.jp/books?id=cE7Z6RSGLIwC& …
回答ありがとうございます。
猿田彦は、天孫降臨時に道案内を勤めた神だったですよね。
そうすると日本の神話がずっと後に出来たことがうかがい知れますよね。
しかも、嘘っぱち感すら感じてきます。。。
ガネーシャは確かシバァ神(破壊神:世の中をカオスに戻す神。日本でいうところの大黒様で大国主とかぶせていますよね)の息子?娘?ですよね。そんなところからも転用というか、焼き直しというか、
ほとほと日本って八百万の国ですね。
いずれにしても、仏教の広がりに伴って日本に伝わり、山岳集団に習合したということですかね。
良くわかりました。ありがとうございました。
多分、トレードマーク?の黒い帽子や着物は山伏からでしょうか。
また、手に持っている大きな楓(かえで)?も、山伏からのものでしょうかね。
No.2
- 回答日時:
>天狗といえば、伝説のある高尾山ですかね。
高尾山だけではなく全国にあります。
天狗さんにも名前があります。高尾山におられるのは「内供坊」と呼ばれました。
愛宕山の「太郎坊」、秋葉山の「三尺坊」、鞍馬山の「僧正坊」(鞍馬天狗)、比良山の「次郎坊」、比叡山の「法性坊」、英彦山の「豊前坊」、筑波山の「法印坊」、大山の「伯耆坊」、葛城山の「高間坊」、富士山の「太郎坊」、白峰山の「相模坊」 等々です。
>はやり、鬼と同様に流浪の外国人説が正しいのでしょうか?
鬼も天狗も外国人は関係がありません。
>実際、ペリー来航時、ペリーの顔は天狗のように描かれた似顔絵が出回りました。
外国人の鼻が高いのを揶揄して天狗に似させて書いただけです。
ペリーが来る前から天狗はいましたから、天狗みたいな顔をしている、としただけです。
>天狗だけではなく、烏天狗というのもありますよね。天狗だけでも分からないのに、何故烏が付くのでしょうか?
天狗のイメージの大元は二系列あります、
一つの系列は鼻が高い系列で、このイメージの最も古いのが猿田彦です。
邇邇芸命(ににぎのみこと)が地上に降りようとしたら下に
鼻長は七咫、背長は七尺、目が八咫鏡のように、またホオズキのように照り輝いているという姿の神がいた、と古事記に記されたのが初めです。
現在でも猿田彦を祀るお祭りでは鼻の高い天狗とよく似たお面が使われています。
烏天狗のイメージの方は恐ろしく古いものです。
元をただせば、古代インドのガルーダにたどり着きます。ヒンズー教の神様です。
孔雀が蛇を好んで食べることからイメージされたのだろうとされています。
この二つのイメージに固まるまでは、僧であったり老人であったり童子であったりしました。
>君は最近天狗になってるんちゃうの?っていうようのがありますが、調子に乗ってるという解釈で良いと思いますが、この辺はピノキオと同じと捕らえても良いでしょうか?
構いません。
増上慢でいつもそっくり返って上を向いて鼻を天井に向けている輩を天狗になっていると言います。
特に関西地方だけということではありません。
>天狗って鬼と違って日本だけに存在する(した?)ものでしょうか?
鬼も天狗も日本固有のものです。
中国語の「鬼」は「死霊」を意味します。日本の鬼とは違います。
諸外国では、悪魔か妖怪です。
日本の鬼のように身近で愛嬌と邪気が一体になった存在はいません。
奈良時代に流星を天狗(天の妖怪)とする考えが中国から伝わりましたが定着しませんでした。
全国各地の伝承とは別に文献資料としては、今昔物語、平家物語、にも認められます。
室町時代に成立したとされる『御伽草子・天狗の内裏』が最も纏まった資料です。
日本の天狗は、日本古来の山岳信仰を土台として中国の道教や陰陽道、仏教の密教が混然一体となって作られた修験道と深いかかわり合いがあります。
天狗の衣装が山伏の姿と似ているのはこの為です。
明治元年に明治政府が神仏分離令を出したときに、修験道は仏教でも神道でもないことから行き場を失って途絶えてしまいました。
第二次世界大戦後に復活しましたが、伝統行事の詳細な部分が不明で現在も苦労されているようです。
>この天狗の存在ってどういう扱われ方ですか?
山を司る聖霊のような扱いです。
山へ入って不遜な行動をしたり、山の樹木や鳥獣を理由もなく傷つけたりすると、災いをもたらすとされています。
山に不慣れな里人は、天候の急変や木霊や風の音などを天狗の仕業と畏怖しました。
現在でも全国各地で大切にされています。
なるほど。
大変良くわかりました。ありがとうございました。
ついでに、天狗が持っている楓のようなもの(風を操る道具?)の由来はなんでしょうか?
ご存じでしたら、再登場願います。
No.3
- 回答日時:
No.2です
わざわざお礼を記入して頂きありがとうございます。
リクエストに応じて再登場しました。
>ついでに、天狗が持っている楓のようなもの(風を操る道具?)の由来はなんでしょうか?
楓のようなものは、天狗の羽団扇と言います。
鳥の羽を使って作った団扇です。
羽の数は天狗さんをお祀りしているところによって違いますが、9枚、11枚、13枚のいずれかです。
羽織などの家紋にもデザインとして使われています。
団扇という道具は、風を送るだけではなく、「はらう」「かざす」ためのものとして、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、信仰、占いなどの際の小道具としてつかわれました。
王様や貴人などの両側に、色々な模様のついたバカでかい団扇を掲げて人が立っている絵などを御覧になられたことはありませんか。
このスタイルは民族共通なようでエジプトの壁画にも描かれています。
団扇の象徴的な機能として、厄疫を払う、邪気を払う、ということが含まれています。
つまり、団扇を扇ぐことで風を起こし、この風に霊力があるという考えです。
修験道では八咫烏という、想像上の烏を大事にします。霊力を持った烏です。
サッカーのJリーグの紋章の中央に描かれている三本足の烏です。
現在でも、この八咫烏の絵を描いた団扇を縁起物として売っている神社があります。
この八咫烏のイメージと、霊力を持った羽製の団扇のイメージが重なって、天狗が自由に空を飛び、風を起こし、神聖な山を荒らすものを追い払う霊力を発揮する小道具として考えられたのでしょう。
山伏の衣装で霊力のある羽団扇を持つという、現在の天狗の姿ができあがりました。
お礼が遅くなり申し訳ありません。
再登場ありがとうございます。
>
楓のようなものは、天狗の羽団扇と言います。
鳥の羽を使って作った団扇です。
羽の数は天狗さんをお祀りしているところによって違いますが、9枚、11枚、13枚のいずれかです。
羽織などの家紋にもデザインとして使われています。
団扇という道具は、風を送るだけではなく、「はらう」「かざす」ためのものとして、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、信仰、占いなどの際の小道具としてつかわれました。
そうなんですね~。
今月は2月ですね。
去る2月11日は、建国記念日でしたね。
神武天皇が即位し国を開いた日ですね。
八咫烏というと、その神武天皇を東に案内した鳥ですね。
八咫烏を祀る神社の存在は知っていましたが、天狗とも関係があるのですね。
No.4
- 回答日時:
#1です、思い出したことがあるので。
太平記巻27に「雲景未来記事」に、出羽国羽黒山の山伏雲景(うんけい)が貞和5年(1349)6月に京都の愛宕山で天狗の集会を目撃するというのがあります。そこで見た天狗というのは崇徳院や後鳥羽院、後醍醐天皇といった恨みを持って死んだ先帝等の悪霊(悪魔王)でした。ですから、初期の天狗像というのはこういった悪霊が山伏姿をとって出現した者と考えられていたようです。で、太平記での天狗像は山伏姿、鴉型の鴉天狗でした(別の巻に記載)。なお、「天狗草子絵巻」でも天狗は烏型のようです。
また、世阿弥の謡曲「松山天狗」では、西行が天狗と化した崇徳院に讃岐の白峰山で出会っています。能ですから、能装束で演じられているので天狗の形ではありません。
http://www.takaosan.info/tengu/hensen5.html
いずれにしてもこの頃は天狗は人界と縁のある者だったようです。
こちらが参考になるかと
http://www.takaosan.info/tengu/index.html
お礼が遅くなり申し訳ありません。
いろいろとありがとうございました。
初期は鴉型なんですね。
それでヒト型に変異なんですね。
鬼にしても天狗にしても日本独特ですね。
歌舞伎ですら、本物とは別に格好良く作り替えられていますよね。
義経千本桜の義経が担ぐ三味線だったかな?の大きさすら、体よく格好良く見栄え良く実物とは
かけ離れた大きさになっていたりします。
能や狂言、人形浄瑠璃にしても意味や本質は同じでも必ずしも影形が同じではないので、
世阿弥に登場する姿がその物ずばりとは言い難いですね。
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