プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

大学の講師を勤めているのですが、ある講義でどうしても使いたい書籍があります。
しかし、その書籍は既に絶版になっており、しかも、用途として辞書的に用いる必要がある書籍のため、書籍1冊丸々コピーして、生徒に配布したいと考えています。

しかし、このようなケース(大学の講義で使用する、書籍は絶版である)でも、書籍全体を丸々コピーして生徒に渡すという行為は、著作権法的に問題があるのでしょうか。
あるいは、仮に問題があるとしても、出版社(あるいは著者?)に許可を得れば問題ないのでしょうか。

著作権についてお詳しい方がいらっしゃいましたら、御教示頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

一般的には、複製には著作権者の許諾が必要です(複製権)。


ご存じのように、著者の死後50年経過までは著作権が保護されています。著作権は相続されるので、著者の死後も相続者に権利が存続します。
ご質問には著作権の有無が記載されていませんので、著作権は存続していると想定します。

さて、大学教員なら、これもすでにご存じのはずですが(ちなみに「生徒」ではなく「学生」)、著作権法第35条第1項で、「学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。 」とあり、授業の一環で複製することは、権利の制限として、許諾無しに認められています。
しかし、同項の第二文で、ただし書きがあり、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。」となっています。つまり、授業の中であっても、「1冊丸々コピーして、生徒に配布する」のは、著作権者の利益を害すると認められるでしょう。最終的には裁判所が判断しますが、図書館でも丸々コピーは認められず半分とかになっています。無制限ではないということです。

さて、「絶版」ですが、一般的な出版事業では、著作物の内容・価値・寿命を考慮し出版部数や増刷部数・回数が決まります。出版社の判断で、増刷を停止すれば、以降は絶版となります。版元としては在庫を廃棄します。したがって、注文があっても在庫無しで断られます。ところが、販売網の中ではまだ在庫が残ることがよくあります。また、中古品で流通することもあります(たとえば、アマゾン)。
従って、入手不可能と断言することはできません。残っている店頭の在庫が売れれば、著作権者には利益が還元されます。
従来は一度絶版になると、永久に絶版になったのですが、最近は、電子書籍として新たに発行する動きが強まっています。かつては絶版本であったものでも、改めて電子出版される可能性が出てきました。

ご質問の場合は、著者か著作権者に連絡して(出版社経由など)許諾を得ることが最善です。
おそらく、著者はすでに販売利益を期待していないでしょうし、大学なら社会貢献として認めてくれるでしょう。そうすれば堂々と複製が可能です(1冊丸々コピーで学生の数だけでも)。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。大変参考になりました。御礼申し上げます。出版社経由で著者に確認をとってみようと思います。

お礼日時:2015/04/18 18:21

http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/10/out-of-p …
にあるように、絶版書籍であっても著作権は存在しております。絶版というのは出版権が放棄されているものであってそれと著作者の権利はまた別です。加えて図書館で閲覧できる書籍であっても、一部のコピーや一人1部といった具合に、個人使用に限られているので、それを全体コピーでしかも授業で生徒に渡すというのは問題があると考えるのが妥当です。

本当に絶版であれば著作者またはそこから著作権を引き継いだ人物か団体に、表向き絶版でも本当は版元在庫がないだけというのであれば出版社に連絡を取って、二次使用が可能かどうか確認なさるのが必要だと考えます。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。参考になりました。御礼申し上げます。

お礼日時:2015/04/18 18:20

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