先日、超弦理論のテレビを見ました。
なんとなく、見た直後は、解かったような気がしたのですが、後で考えると、やっぱりなにか解からなく無くなりました。
超弦理論の他にループ重力理論という名前もよく聞きます。
素粒子を研究されている方は、大半が超弦理論かループ重力理論なのでしょうか?
どちらにも属さず、例えば、点粒子のままの標準理論を修正するような研究はされてないのでしょうか?
これらの超弦理論派、ループ重力理論派、無派閥派は、お互いに仲が悪いのでしょうか?
(派閥内で相手の考えは、100%間違っていると信じて結束しているとか)
(同じ大学には、同じ派閥の人しかいないとか)
No.1
- 回答日時:
通常どんな理論も「等価」です。
特にこの場合、超弦理論はウイッテンでさえ「考え方は思い付いたが、他人に説明するのは無理。誰に説明しても分かって貰えないし、自分でも正しく伝えている自信が無い」と言われています。アインシュタインも一般相対論を発表した時、自分では正しく説明する自信は全く無く、数学屋を隣に置いて、補足して貰った、そうです。自分で全てを理解するまでにはかなりかかったのだから恐い。No.2ベストアンサー
- 回答日時:
超弦(ひも)理論は1980年代から出てきたのだったかな。
歴史的経緯から言えば、電子と陽子を同じ粒子の+と-ではないかとしたアイデアあたりからで、これはその後に陽電子が見つかり違ったねってなったのですが、このような2つの粒子を『同じ粒子だけど電荷(とか”何とか荷”)だけが違う』などと見て、対象性を見出し理論を構築するという流れが主流になりました。(対象性があれば保存則がある、とか)
それで出てきたのが超弦理論で、粒子を点ではなく1次元の弦(ひも)のようなものと考え、この振動のモードごとが別々の粒子じゃないか。一見よさそうに見えたのですが、粒子の素を”なんでもあり”にしちゃったようなもので、なんでもありすぎて逆に現実を記述できないという感じ。
そんななかで数学的に研究されて、粒子が弦ではなく膜(2次元的)じゃないかとか、膜は粒子じゃなくてこの世界の次元じゃないかとか、派生したようです。元のひも粒子の方も研究は遅々として進まず”なんでもあり”状態のままです。
その一方、現実を見よう派は、重力を除く3つの力を統一した”標準理論”を実験で検証して修正していくという作業で、先日のノーベル賞もニュートリノの質量の有無とかでこれに貢献したものです。
こちらの方の人も、超対象性理論という、昔の電子と陽子がペアではなかったように、今見つかっている粒子も見つかっていないペアがあるのではないかといった理論を作っていて、これは理論的には美しいらしいのですが、沢山ある粒子のペアとなる粒子が1つも見つかっていない、という絶望的な現実があります。
また超ひも理論の影響からか、この世って何次元でもいいんじゃないの?という感じで10次元とか11次元とか(数学的には10次元も11次元も同じものとみなせるらしい)の世界を考えてたりもします。
物理学者は、理論のほうは一人々々で考えて先に言った者勝ち、みたいなところがありますから、他人のアイデアだろうが何だろうがパクれるものはパクって結果(理論が)うまくいけばそれでよい、というところもあると思います。
なので、自分が”こっち方面の研究をしている”とか、他人の研究を”あれはダメだろ”とか言うことはあっても、”派閥を組んで”みたいなことは全く無いと思います。
No.3
- 回答日時:
string理論は故南部陽一郎先生の理論であり、日本人としては誇らしく思って良いのですが、中身を理解しようとするなら、その前提の相対理論なり、量子力学を学んでおくことが必要です。
人間の直感に訴える力を持つニュートン力学なら、素人への説明も可能でしょうが、super stringsとなるともうだめ。
初心者向け解説書もあるようですから、そちらを読んで下さい。ネットの限られた情報量で理解できるほど、簡単な理論ではありません。
No.4
- 回答日時:
過去の物理学や、科学の歴史を振り返れば、わかるのではないですか。
現代の最先端の物理学の屋台骨は、相対性理論と、量子論です。ほぼ一人の天才のひらめきによって、古典物理学の根底をひっくりがえした特殊相対性論や、その延長の一般相対性理論は別として、量子論は、いわば、つぎはぎのパッチワークのように、数多くのアイデア、人によって、少しずつ発展してきました。
プランクの量子仮説にはじまり、光は波動か粒子の論争。光は粒子であることが判明する一方で、波動でもあるとわかる。一方、原子のモデルを検討するなかで、ラザフォードが発見した+の原子核のまわりを、ーの電子がまわる原子モデルが出来る。その考察を通じて、ボーアの量子条件等が見出され、前期量子論が出来上がります。
すると、今度はボーアの量子条件がどうして生じるかを考え、ドブロイが物質波を考えたり、その物質波の汎用的な考えとして、シュレディンガーが波動関数を考え、かなり汎用的な現象が説明可能になりました。いまでも、シュレディンガー方程式は、現役バリバリの量子論の道具です。
ところが計算はできるが、実際は波動関数は何者か実態がわからない。存在の確率? 状態の重ねあわせ?そして、観測による波動関数収縮という、およそ通常の感覚では理解できない、量子論の根源的な発想が見いだされる。電子のダブルスリットの実験は有名ですね。位置と運動量は同時に観測できない不確定性原理も見出されました。
そして、天才ディラックが、その量子論と、特殊相対性理論を結びつけ、粒子の生成・消滅や、反粒子の存在を導き、その後、場の量子論として、粒子も力も、統一した枠組みの中で考えることになりました。湯川秀樹、朝永振一郎、南部陽一郎、日本の研究者も数多くの貢献をしています。
そして、最後は、場の量子論として、光子によるよる電磁力、ウイークボソンによる弱い力、グルーオンによる強い力とフェルミオンが同じ理論で説明され、同時に実験技術の発展とともに、17種類の素粒子が次々に発見され、ヒッグス粒子の発見をもって一応の完成をみたのが標準モデルと言われるものです。素粒子の現象を、ほぼすべて説明しうる理論です。
でもそれとて、今年のノーベル賞のニュートリノ振動等で、ニュートリノに質量があることがわかり修正をもとめられている。
標準モデルの、おおくのパラメータは、実験から導き出されていて、根本原理がから計算できない。
標準モデルでは、重力が加味されていない。つまり、場の量子論と、一般相対性理論は、融合されていない。
など、かぞえればきりがない、未知の問題を抱えています。私があえて、だれでも知っている過去の歴史を端折って羅列したのは、そのときどき、未知の問題を、実験や理論で打ち破ろうとした、数多くの研究者のチャレンジの上に今があるということです。それは振り返ると、前期量子論、場の量子論、標準モデル・・・・などとまとめられますが、その人が、すべて体系だった発想のもとに、派閥のような意識で研究したわけではない。・・・・論とか、・・・・力学というは、振り返ったときの結果であり、発見した当時は、偶然だったり、思いつきだったり、別の信念にもとづいていたり、さまざまなのです。
超弦理論は、場の量子論を発展させ、一般相対性理論を融合し、この世の全ての力と物質を、根源理論から導きうる理論の候補の1つです。まゆつばをいう人も多いですが、標準モデルの多くの現象を、より根源的なところから導き出すことに成功しており、理論の面ではかなりの期待があります。ただ、10次元の時空や、超対称性粒子等、実験で確認できない理論に意味はあるのか?そういう論争を生み出しているのも事実です。
でも、一つだけ言えるのは、解明していないことを、どういうアプローチで打ち破るかについて、最初に派閥(超弦理論波等)があるわけではない。要は、標準モデルがたどり着けていない未知の問題を、解決しうる方法があるなら、それは、何理論だろうとかまわない。名前や分類は、あとから振り返ってつけられるということだと思います。
No.5
- 回答日時:
物理学の一つの方向性は、よりシンプルな原理からのロジカルな展開によって、現実の多彩な世界を導くことです。
26次元の超弦理論は、プランク定数という最も基本的な定数だけから、全ての物理定数を導くことに成功したため、「究極の理論」と言われました(弦を膜にする修正(M理論)が加わってますが)。
ただ、この「26次元」は、我々が目にする三次元空間のような単純な直交基底O3ではなく、数学的に難しいリー群例外群E8×E8という複雑な空間にあるのです。
(そのぐらいでないと、たった一つの定数から多様な物理定数を導けない)
量子重力(負)と量子定常波(正)の相補分化によるブラックホール軌道上の定常波の励起状態において、全ての物理定数=全ての素粒子を導くばかりか、その現象的近似化において、超重力理論の11次元や、相対性理論の4次元、感覚的な3次元などを、自発的に導くところからも納得できます。
相対性理論が、運動量や質量の小さい現象において、ニュートン力学そのものであるように、全ての理論は包含されるのです。
26次元のうち、16次元が虚数世界に消え、残りの実数10次元のうち6次元がコンパクト化して、4次元時空が認識される、という場合の「コンパクト化された6次元」とは、超弦(1)からクォーク(2)、素粒子(3)、原子(4)、分子(5)、細胞(6)、脳(潜在的自我仮説性=t)という階層現象化(下位単位>回転>上位現象単位化)の繰り返しにおいて、量子レベルのブラックホールに巻き取られた次元が、さらに回転しながら階層現象化することで、「希薄なブラックホール」とも言えるものになっているのです。
No.6
- 回答日時:
波としての存在が、プランク長さ以下に押し込められて粒子性を持った状態になったときに
その近傍の時空がマクロの三次元の常識では想像できない状態になっていて
その状況下で、素粒子の状態も常識を超える状態になっているのを
「超弦」という言葉で象徴させた状態にあると表現している。
くらいのイメージを個人的に持っています。
No.7
- 回答日時:
返礼、ありがとうございます。
no.2の者です。>この2枚目を見ますと、超弦理論しか登場せず、”素粒子論を研究している人=超弦理論を研究している人”です。
>そうでは、ないのでしょうか?
DVDの説明を読んでいただければ分かるように、2枚目は”超弦理論”の紹介です。ですから超弦理論を研究している人しか出てこなかったのでしょう。もちろん超弦理論を研究してる人は理論物理学者の一部で、全部ではありません。比率でいえば少ないほうでしょうが、極一部というほど少なくはないです。
物理学者も実験系の人も居ますし、こちらのほうは実験できない超弦理論などは理論のたわごとだと思っているでしょう。
NHKは時々本気を見せて良い番組を作りますが、自分の知ってる分野のものだと、それがワンサイドの意見を取り上げたものだったりして、もどかしさを感じることもままあります。”神の数式”なんて誰も言ってねーよ、とか突っ込みたくもなりますw
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お返事有難う御座います。
>なので、自分が”こっち方面の研究をしている”とか、他人の研究を”あれはダメだろ”とか言うことはあっても、”派閥を組んで”みたいなことは全く無いと思います。
あるきっかけで、最近、下記HPのDVDを購入しました。
この2枚目を見ますと、超弦理論しか登場せず、”素粒子論を研究している人=超弦理論を研究している人”です。
そうでは、ないのでしょうか?
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html? …
追伸
この1枚目のDVDは、すごい完成度だと思いますです。対称性を、見事に説明しています。不要な説明がないです。
「物理学者は、ディラック方程式を見ると(美しさに)泣く。」(2枚目ですが)という部分もいいです。
これは物理のアカデミー賞だと思いました。さすがNHKスペシャルです。
お返事有難う御座います。
>「考え方は思い付いたが、他人に説明するのは無理。誰に説明しても分かって貰えないし、自分でも正しく伝えている自信が無い」と言われています
すごい言葉ですね。もし私(もしくは普通の人)が誰か他の人に、このように説明すると100%
「君、自分でちゃんと理解していないのじゃないのかね。」「ダメ却下。」
と回答されると思います。
そんな袋小路に入っている状態なら、紐(超弦理論)から原点(点の標準理論)に、戻ってやり直す人はいないのでしょうか?
お返事有難う御座います。
>でも、一つだけ言えるのは、解明していないことを、どういうアプローチで打ち破るかについて、最初に派閥(超弦理論波等)があるわけではない。
そうですか。でもみんな同じでは面白くないです。人類には多様性が必要です。
外国では割と「超弦理論は間違っている。」という内容の本が出版されているような気がします。
それに比べて、日本では、全くないです。
舞の海さんが今日テレビで「柔軟性とユーモアが必要だ」「真面目一本では視野が狭くなってよろしくない。」と言ってました。
誰か、ユーモアで「超弦理論は間違っている。」という本を日本でも出版してほしいなあ。(1人くらいは居るはずでしょう)
追伸
1980年台は、「10次元とか言っている超弦理論研究者は締め出してしまえ!」と言われてたようです。
お返事有難う御座います。
>初心者向け解説書もあるようですから、そちらを読んで下さい。ネットの限られた情報量で理解できるほど、簡単な理論ではありません。
あるきっかけで、最近、下記HPのDVDを購入しました。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html? …
このDVDで超弦理論の式が登場しました。
標準理論と全く式が違っていて、さっぱり解かりませんでした。
でも、例えば10年先に「ループ重力理論が正しくて、超弦理論の式が間違っている。」と証明されたら、悲劇ですね。
このまま100年くらい「正しいとも間違っているとも解からない。」のも、つらいでしょうね。
すぱっと、片をつけてくれる人が出現してほしいです。