プロが教えるわが家の防犯対策術!

ラヴェルのソナチネ第2楽章の23小節、33小節、終わりから6小節目など、左手のスラーが小節線を越えている場所がたくさんありますが、どのように弾けばよいのでしょうか?

A 回答 (2件)

これらの記号はスラーではなく、「余韻を残す」を意味する記号です。

本来、同じ音をつなげる記号である「タイ」の変型です。音を弾いた後、手は鍵盤から離してもよいのですが、ペダルを踏んでその音を残します。23~24小節はペダルを踏み替えず、2小節間踏んだままにします。ラヴェル自身は細かなペダル指定はしていないので、場所によっては、演奏者の解釈によりどのくらいペダルを踏み続けるか違ってくることがあります。たとえば、35~38小節の4小節は、ずっとペダルを踏みっぱなしにするように校訂された楽譜もあれば、最初の2小節だけ踏みっぱなしにして、あとの2小節で細かく踏み替える校訂もあります。最後は、76小節目(最後から7小節目)から78小節目のフェルマータの部分までペダルを踏み続け、78小節目の3拍目のD♭を弾くと同時にペダルを踏み替えます。
「ラヴェル ソナチネ 第2楽章」の回答画像1
    • good
    • 3
この回答へのお礼

分かりやすく丁寧に教えて頂き有難うございます。ラヴェル自身の演奏も大変興味深く参考になりました。色々な演奏を参考に勉強いたします。初めて質問させて頂きましたが…感激です。本当に有難うございました。

お礼日時:2016/02/06 00:42

回答No.1です。

少し補足です。
最後の部分で、「76小節目(最後から7小節目)から78小節目のフェルマータの部分までペダルを踏み続ける」と書きましたが、正確には75小節目から踏み続けるのが一般的です。
35~38小節目までの4小節も、ペダルを踏みかえるように校訂された楽譜はありますが、全4小節踏んだままにするのが普通です。フォルテッシモでクライマックスの部分でもあり、全4小節の響きの一番下にB♭の音が保たれるべきです。ラヴェル自身の演奏の録音も残っており、4小節踏み続けています。
15小節目ですが、ここの3拍目のFにも同じ記号が付いており、16小節目までペダルを踏み続けてもよいのですが、そうすると和音が少し濁ることから、16小節目で踏みかえるピアニストが多いです。ラヴェル自身もここで踏み替えています。同様のことが65~68小節目にも言えます。4小節ペダルを踏み続ける人もいれば、各小節ごとに踏み替える人もいますし、最後の68小節目だけ踏み替える人など様々です。ラヴェルは、65小節目のあとでペダルを踏み替え、66~67の2小節は踏みつづけ、68小節目で再び踏み替えています。ピアニストによって解釈の違いがありますし、それぞれの音の音量のバランスをどうとるかによっても響きの濁り方が違うので、いろいろな可能性があります。
基本的には、あまり神経質に細かく踏み替えすぎない方がよいでしょう。また、ハーフ・ペダルといって、ペダルを半分の深さで踏む方法を混ぜて使うこともできます。実際にピアノの前で弾きながら説明しないと伝わらないこともあると思います。
いろいろなピアニストの演奏を参考にしてください。

ラヴェル自身の演奏


ジャン・イヴ・ティボーデ
https://www.youtube.com/watch?v=j7bwFCNzcno

アリシア・デ・ラローチャ
https://www.youtube.com/watch?v=fynAXPALdhE

アルフレッド・コルトー
https://www.youtube.com/watch?v=GBbDxSwR4rc

マルタ・アルゲリッチ
https://www.youtube.com/watch?v=Nion9XiSQDw&list …

ルイ・ロルティー
https://www.youtube.com/watch?v=rn7XpQtISVk

マルセル・メイエ
https://www.youtube.com/watch?v=Sff_JrF8l_c
    • good
    • 0
この回答へのお礼

慣れないもので済みません。1つ目の回答のお礼が途中で切れてしまったようです。(確認の仕方もわかりません…)ラヴェル自身の演奏も参考になりますね。他の演奏もいろいろ聴いて勉強します。わかりやすく丁寧な回答を本当に有難うございました!

お礼日時:2016/02/06 12:05

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!