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蒸気圧と沸騰について。

気液平衡とは、液体の入った一定温度の密閉容器の中で蒸発と凝縮する分子の数が等しくなった状態。蒸気圧(飽和蒸気圧)とは、気液平衡時の気体の圧力。沸騰とは液体の入った密閉されていない容器の中で蒸気圧と外圧が等しくなったとき、液体内部から蒸発が起こる現象。と書いてあったのですが、蒸気圧の定義をどう沸騰に出てくる蒸気圧に当てはめたのですか?あと、蒸気圧が上がると蒸発する分子の数が増えると書いてあったのですが、蒸気圧の定義からみると、蒸発する分子の数が増えるから蒸気圧が大きくなるのではないでしょうか?

A 回答 (1件)

もしかしてここを誤解なさっているのでは?というポイントですが



>蒸気圧(飽和蒸気圧)とは、気液平衡時の気体の圧力。

正確にいえば、蒸気圧は、
気液平衡時の気体側での、「着目している液体成分」の分圧
です。
もともといた空気がそのあたりに居残っていたとしても、
加算しないでください。
全圧で考えたがっている気配を感じます。


次にこの言葉の用法で引っかかってそうなところですが、
温度を変えたときに蒸気圧の変化を議論するときの蒸気圧は、
「その温度で平衡にしたときの、その成分の分圧」であって、
その温度にしたとたんその圧力になるとは言っていません。
「ルシャトリエの法則」はご存じですよね。
平衡からずれると平衡に向かうように反応が進みます。
(化学の人はそういう言い方をします)
(蒸発のような相変化も含めて)反応が向かう先としての平衡状態があるわけです。
今、そこが平衡でなくても、その温度の蒸気圧という数値が理屈の上で存在しています。
なので平衡に達していなくても、
反応を説明する上で平衡状態は言葉や数値として出てきます。

またルシャトリエの法則は定性的な法則ですが、
目標値としての蒸気圧が上がると、蒸発量も増えるのもわかりますよね。
蒸気圧があがるような高温で、蒸発量も増えるのもわかりますよね。
なので、

>蒸気圧が上がると蒸発する分子の数が増えると書いてあったのですが

そこだけを聞くと、何か因果関係が逆のように思える気持ちも
わからなくはないですが、
だれかがそういう言い方をしていたのなら、たぶんそんな意味です。



ビーカーやヤカンでお湯が沸騰している状態は
長時間で考えるなら、やがてお湯がなくなってしまいますが、
数十秒を考える程度なら、どうこう言うほど減りません。
液面のすぐ上の気体部分は、もともといた空気は追い出され、
ほとんど水蒸気になっていて、100℃近い温度です。
というわけで、
 ビーカーやヤカンでお湯が沸騰している状態は
 100℃、1気圧の気体の水と、100℃の液体の水とが
 もとの液面付近で
 平衡状態のような状態を作っている
といってみてもそれほど問題ないでしょ、というスタンスからの
説明を聞かされることはよくあると思います。
開放系で定常状態の話ではあるけど、
水の沸騰現象については、結構な意味で
平衡状態のような状態でもあります。


蛇足かもしれませんが、上記の100℃、1気圧の気体の水は、
周りの空気で冷やされて凝縮して、気体中で微粒子になって
ゾル化して、白い湯気になります。さらに周りの、湿度100%に満たない
空気の中に溶け込んで見えなくなっていきます。
その辺りの過程を全部わかるように高校生に説明するのは大変なので
加熱してその液体成分の蒸気圧が大気圧になったら沸騰するので
それが沸点
と、とりあえず教えるわけです。


蒸気圧が外圧に到達すると、もとの液面以外でも気相に
変化するようになるのが沸騰なのは、もう説明不要ですよね。


おまけですが、
液体中の、より高い熱量を持っている粒子たちが気相に移動すると、
平均的に液相の熱量が減ります。これが気化熱です。
加熱の熱量と沸騰・蒸発で失う熱量のバランスがとれて、
加熱を続けても系全体として、ある温度から上昇しなくなる、
という温度が沸点です。
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。かなり化学の教科書は説明が省かれているみたいですね。本当に助かりました。

お礼日時:2018/04/06 21:11

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