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発熱を伴う化学反応では、原子の運動エネルギーが増える訳ですが、原子は何によって加速されるのでしょうか? 

化学反応に伴って出てきた電磁波によってですか? 例えば、電子レンジによって水の分子が加速されるように。もしそうだとしたら、その加速のメカニズム(物理学的な説明)は、どのようなものですか?

それとも、何かほかの物によって加速されるのですか? 例えば、化学反応に伴って原子から何かが放出されるとして、その反作用で加速されるとか??

また、吸熱反応なんていう化学反応もあった気がしますが(本当にありましたっけ?)、このときには原子は減速されていると思うのですが、その減速のメカニズムはどのようなものでしょうか?

私は理系の人間ですが、物理に関しては素人同然ですので、その辺りどうぞよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

#1、#4です。


反応し、エネルギーが低下した状態を実現できる場合、反応前にA、Bという物質、反応後ABになるとすると、ABができた際に生じる余剰エネルギーは、A、Bという物質がそれぞれ元々持っています。
正確には、ABという物質のエネルギーに比べ、A、Bという物質のエネルギーを足すと大きいということです。
なお、自由エネルギーと書くと、大抵の場合ギブスの自由エネルギーのことですが、(変化後)-(変化前)という形で差を取り(変化量と言います)、それが負であれば放っておいても反応が自然に進行します。
一方エネルギーとは、内部エネルギーのことで、物質あるいは系内部が持っているエネルギーのことです。
全エネルギーは内部エネルギー+運動エネルギー+ポテンシャルエネルギーになります。
A+BからABになって内部エネルギーが減った分、ポテンシャルエネルギーは変わらないとすると、運動エネルギーが増えるということになります。
ギブスの自由エネルギーと内部エネルギーは異なるものですが、熱力学を勉強したのはかれこれ20年以上前なので、申し訳ないことに、もはや私の記憶はいい加減です。
私の中では、エネルギーの計算では内部エネルギー、反応の進行を調べるには自由エネルギーというようなアバウトな認識になってしまっています(あるいは間違った認識かもしれません)。
間違って伝えると申し訳ないので、参考URLを挙げておきます。

反応に伴う発熱は、一種のエネルギー変換のような見方でも良いかもしれませんね。
内部エネルギーを使って運動エネルギーを増したということです。
反応後にABの運動エネルギーが大きいとすれば、ABに何らかの仕事がなされ、ABの運動エネルギーが大きくなっていくのではなく、元々AB自身が生まれた瞬間からABが持っている運動エネルギーが大きいのです。
加速というイメージは正しくないのです。
加速されるのではなく、A、BからABが生成された時に、A、Bに比べて、ABが持っている運動エネルギーが大きく、内部エネルギーが小さいということです。
なお、前回書いた励起は安定なエネルギー状態に比べ、内部エネルギーが高い状態ですので、不安定です。
ですから光やフォノン放出等で内部エネルギーを下げ、安定になります。
これは、電子のエネルギー準位が小さくなることと同じです。
> 「電子の軌道エネルギー」
とおっしゃっているのは、この励起のことではないかと思います。

角運動量保存は、回転数とモーメントの関係を伝えたかったのです。
つまり同じ角運動エネルギーであれば、モーメントが小さくなれば速く回転し、逆に大きくなれば遅く回転します。
内部エネルギーと運動エネルギーの関係もこれと同じように、一方が上がると他方が下がると言いたかったのですが、あまり良い例ではなかったかもしれません。

どうも説明がうまくないようで、質問者の方が混乱しているようで、申し訳ないと思います。

それから蛇足ですが、電子レンジでは水分子を加熱します。
ただ、容器に水だけを入れると、非常によく吸収されるので、結果としてほとんど表面でのみ吸収されてしまいます。
その結果、表面の水は蒸発し、内部はあまり暖まりません。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E7%86%B1% …

この回答への補足

お礼が遅くなりました。この場をお借りして、ご回答をくださった皆様方に、厚く御礼申し上げます。私のピントはずれの質問に、丁寧にご回答をいただき、本当にありがとうございました。
私はどうも、物理に対して思い違いをしているのかもしれません。しかし、それがどう勘違いをしているのかが、やはり分かりません。また、とんちんかんな質問をして、皆様を混乱させるかと思いますが、今後もどうぞよろしくお願いしたいと思います。
今回はご回答を大変ありがとうございました。

補足日時:2004/10/25 20:12
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この回答へのお礼

ご連絡が遅くなり、申し訳ありません。再度ご回答をいただき、大変ありがとうございました。

ご指摘の「全エネルギーは内部エネルギー+運動エネルギー+ポテンシャルエネルギーになります。」というのは、分かります。そして、「反応に伴う発熱は、一種のエネルギー変換のような見方でも良いかもしれませんね。内部エネルギーを使って運動エネルギーを増したということです。」というご指摘も、よく分かっているつもりです。

しかしやはり、「反応後にABの運動エネルギーが大きいとすれば、ABに何らかの仕事がなされ、ABの運動エネルギーが大きくなっていくのではなく、元々AB自身が生まれた瞬間からABが持っている運動エネルギーが大きいのです。加速というイメージは正しくないのです。加速されるのではなく、A、BからABが生成された時に、A、Bに比べて、ABが持っている運動エネルギーが大きく、内部エネルギーが小さいということです。」という部分が、どうしてもよく分かりませんでした。

どうも、ご紹介していただいたホームページなどを見て、もっときちんと物理の一から勉強し直さないといけませんね。物理は大好きなのですが、きちんとは勉強していませんので・・・。
いずれにしろ、繰り返しご回答いただき、とても感謝しています。ありがとうございました。

お礼日時:2004/10/19 00:39

#1です。


熱とは原子・分子の平均的運動エネルギーであることは前回書きました。
つまり、もし化学反応で熱が発生したとすれば、即ち原子・分子の平均的運動エネルギーが高い状態となったことを意味します。
熱=原子・分子の運動エネルギーです。
ではなぜ運動エネルギーが高くなるかといえば、エネルギー保存のためです。
化学反応に伴い、発熱の場合は反応生成物自体の自由エネルギーが低下します。
つまりエネルギーが余剰になります。
余剰分が勝手に突然無くなったりすることはできないので、余剰分の放出として原子・分子の運動エネルギーを高めるという方法を取るのであれば、それは即ち発熱するということです。
実際には、化学反応に伴う発熱では、反応生成物自体の運動エネルギーが高い状態になるはずです。
つまり、生成物自体の運動エネルギーが高い状態で生成されます。
さらに言えば、生まれた瞬間から運動エネルギーが高いのです。
反応に伴って何かが放出・吸収されるのではありません。
ただし、これは反応により熱が放出される場合の話です。
ちなみに、ご質問は発熱反応についてですが、余剰エネルギーの放出自体は何も熱エネルギーだけとは限りません。
運動エネルギーではなく、原子・分子を励起するためにエネルギーを消費しても構わないわけです。
この場合は、励起という不安定な状態から安定な状態に戻る際に、フォトンまたは熱(あるいはフォノン)の放出を伴うと思われます。
フォトンであればもちろん光(可視光とは限らない)が出ます。
熱(あるいはフォノン)であれば、一旦励起された後、運動エネルギー(あるいは格子振動のエネルギー)に転換されるということになります。
ただ、後者については、気体の場合は無理で、液体でも考えにくく、半導体などのエネルギー準位を持つ固体(間接遷移型におけるフォノン放出のことです。金属では無理かもしれません)の場合でしょう。
なお、発熱反応の場合でも、余剰エネルギーが全部熱エネルギー(運動エネルギー)に転換されるのではなく、励起にも使われると思います。
私がすぐに思いつく例は、ガスの燃焼などです。
酸化に伴う発熱(私たちはこれを利用して調理等を行います)以外に、ガス分子が励起されて発光しています。
但し、素過程は複雑であり、衝突による励起などもあるので、発光の全てが余剰エネルギー放出による励起というわけではありません。
さらに、熱の放出はあまり伴わず、主として光としてエネルギーを放出する反応もあったと思います。
私は化学はあまり詳しくありませんが、化学反応時に主として発光によりエネルギーを放出する反応もあったのではないかとおぼろげに記憶しています。
この場合は、フォトンによりエネルギー放出(だけとは限らないですが)がなされます。
なお、凝固潜熱放出などの相変化の場合は、これまで書いてきた原子・分子の運動エネルギーを、固相を構成する原子・分子の格子振動のエネルギーに読み替えてください。

なお、ご質問者は、外部からの加熱と、状態変化に伴うエネルギーの放出とを混同しておられます。
反応に伴う熱の放出は状態変化の際にエネルギー保存を満足させるために生じます。
イメージとしては、角運動量保存などと似ています。
アイススケートで回転している人がいますが、手を左右に広げている時はゆっくり回り、手を上に上げた時には速く回ります。
でもどちらもトータルでは同じエネルギーを持っています(回転に伴う摩擦によるエネルギーロスは無視しています)。
エネルギー保存も同じです。
もとからあったエネルギーと、反応後のエネルギーはトータルでは同じです。

なお、外部からの加熱では、対象物が何らかのメカニズムで外部から流入するエネルギーを吸収します。
このメカニズム自体には様々なものがあります。
電子レンジは、水分子のある結合(どこか忘れました)の振動周波数(格子振動みたいなものです)と共振(共鳴かな?)する周波数の電磁波を入れることにより吸収が生じます。
また、太陽光の吸収では、原子・分子が励起され、励起された状態から安定状態に戻る際に熱を放出すれば、暖まるということになります。
蛍光塗料などは、熱ではなく主として光でエネルギーを放出します。
参考になれば。

この回答への補足

再度詳しいご回答をいただき、本当にありがとうございました。
何しろ、物理に関しては全くのど素人ですので、おかしな事を言っている部分も多いかと思いますが、丁寧なご回答で、何となく段々と誤解が解けてきた気がします。そこで済みませんが、恥かきのついでにもう少し教えていただけますか?

「なぜ運動エネルギーが高くなるかといえば、エネルギー保存のためです。」という点はよく分かりましたが、その次の「余剰分が勝手に突然無くなったりすることはできないので、余剰分の放出として原子・分子の運動エネルギーを高めるという方法を取るのであれば、それは即ち発熱するということです。」という点がまだよく分かりません。つまり、その「余剰エネルギー」というのは、化学反応の前は、どんな状態で存在したものなのですか?という点です。sat000さんは、「反応生成物自体の自由エネルギー」という言葉も使っていて、その具体的なイメージとして「角運動量保存」の例をあげていらっしゃいますが、もう少し具体的に教えていただけるでしょうか? 例えば、「電子の軌道エネルギー(?)の一部だった」とか「原子間引力(?)の一部だった」とか・・・。(いい加減でデタラメな表現で済みません!)

そして、その「余剰エネルギー」が、化学反応後にどのようなメカニズムで、原子を加速してその運動エネルギーを高めるのか?(その描写的で具体的なイメージ)という点も、まだよく分からないのです。
以上ですが、どうぞよろしくお願いします。

補足日時:2004/10/17 15:00
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水って電子レンジであたたまりましたっけ??

この回答への補足

私は物理は素人ですので、間違っていたらご指摘ください。
電子レンジで食べ物などを加熱する原理は、水の分子が「共振」(?)する特定の周波数の電磁波があって、それを食べ物などに放射することで、物体の中の水の分子が加熱(加速)され、その熱が周りの水以外の分子にも伝わっていって、食べ物などが全体として温まる、というものだと思っているのですが・・・。
ただ、その「共振する」という部分の原理が判らないので、悩んでいます。

補足日時:2004/10/17 06:27
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なるほど、これは鋭い質問ですね。


私も今まで全然考えたことがありませんでしたが、回答にチャレンジしてみます。

化学反応とは、すなわち、原子同士が結合したり分離したりすることによって、電子の状態が変わることですね。
原子核とは何ら関係がありません。
要は、量子力学的に見れば、化学反応で起こっていることは、電子と光子の現象に絞られそうです。
さらに反応前後の電子の状態を考えるに、原子ないしは分子の中で一定軌道の電子雲を形成しているわけですから、それに対して付加的にエネルギーを与えるものは何かと考えると、エネルギーの源は、どうも光子以外に考えられません。

ですから、発熱反応においては、ある運動エネルギー光子が発生しているのではないかと思います。

次に、光子の運動エネルギーが原子ないしは分子の運動エネルギーに変換される過程が問題になります。
これはどうなんでしょうか?
私もよくわからないのですが、おそらく、光子が電子雲に衝突することにより運動エネルギーを付与するのではないでしょうか。
(原子核に衝突するよりも、はるかに確率が高そうな木がするので)



次に、吸熱反応についてですが、
吸熱反応というものは、現に存在します。
これは、上記の発熱反応の説明とは違う範疇、すなわち統計熱力学の範疇の話ではないかと思います。
原子ないし分子が「減速される」のではなく、ゆらぎの中で速いほうの分子が運動エネルギーをほかの分子に付与することにより化学反応が起こり、結果、ゆらぎの中で遅いほうの分子が残って、全体として温度が下がったことになるのだと思います。


以上、私なりに考えてみましたが、何分自信がありませんので、ご参考まで。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
やはり、化学反応における発熱は、電磁エネルギー(?)が運動エネルギーに変換されて起きる、としか考えられませんよね。また「吸熱反応」は、例えば「皮膚をアルコールで拭くと、ひんやりする」とか、「氷水に塩を混ぜると、温度が下がる」(?)というように、いわゆる普通の「化学反応」とは違うようですので、これらは確かに「統計力学」的な話しのようですね。
ご回答をありがとうございました。

お礼日時:2004/10/17 06:27

熱エネルギーは原子・分子の運動エネルギーそのものです。


熱エネルギーが原子・分子に吸収された後、何らかのメカニズムによって原子・分子の運動エネルギーに転換されるという考え方は正しくありません。
運動エネルギーmv^2/2を全速度空間で積分すると、速度分布関数がマックスウェル分布の場合、三次元であれば、3nkT/2 (kはボルツマン定数、nは密度、Tは温度) になります(なったはずと記憶しています)。
つまり、温度とは、原子・分子が集団的に運動している際の平均的な運動エネルギーです。
そして、エネルギーは、原子・分子の衝突により緩和していきます。
これが拡散という現象です(対流を考えていません)。
電磁波などにより、ある領域にエネルギーが吸収されたとしますと、このエネルギーにより、そのある領域の原子・分子の運動エネルギーが上昇します。
つまり、局所的に温度が上昇するわけです。
このエネルギーが上昇した原子・分子が、他の原子・分子と衝突することにより、エネルギーが拡散していきます。
このような素過程をエネルギー緩和過程と言います。
熱という物質は存在しません。
質問者の方は、熱素という物質があると考えられた昔と同じ勘違いをされているようです。

この回答への補足

早速ご回答をありがとうございました。質問文に表現の不十分なところがあったようで、申し訳ありません。

私がお聞きしたかったのは、「原子は、どのようにして加速されるのか?」つまり、「原子は、どのようにして運動エネルギーを高めるのか?」という事です。
ただの「熱伝導(熱拡散?)」という場合であれば、高温(高速)の原子がぶつかって来て運動エネルギーが高まる、という説明でその「メカニズム」は分かります。しかし化学反応の場合は、「ただの熱伝導」の場合は違って、対象として考えている原子集団全体の運動エネルギーが、全体として増えると思うので、その原因(メカニズム)を知りたいのです。
そしてそれはたぶん、化学反応によって解放された電磁波のエネルギーが、何らかの仕組みによって原子を加速するからなのだ、というくらいしか思いつかないのです。もしそうだとしたら、その加速のメカニズムを知りたいのですが・・・。
sat000さんの表現をお借りすれば、
「電磁波などにより、ある領域にエネルギーが吸収されたとしますと、このエネルギーにより、そのある領域の原子・分子の運動エネルギーが上昇します。」
という表現の、その「吸収された」という点の詳しい描写(説明)を知りたいのです。
別な表現をすると、質問文にもあるように「電子レンジで、なぜ水の分子は加速されるのか?」とか、「太陽光によって、なぜ皮膚の温度は上がるのか?」いうことになると思うのですが・・・。

質問者は物理は好きなのですが、知識は高校で教わったこともよくは覚えていない程度の知識しかありませんので、どうぞその点はよろしくおねがいします。

補足日時:2004/10/17 05:59
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