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教えてください。

A 回答 (3件)

β線はなぜ連続スペクトルになるのか、という質問に答えるために、


じゃあ連続スペクトルじゃなければ何が考えられるか(そもそもこれが始り)、
その考えだと何がまずかったのか、というのを少し付け加えます。

放射線の種類としてはβ線の他にα線やγ線などもあります。
名づけ方から予想できるように、見つかった順にα、β、γと呼んでいます。
そこでまずα線を考えましょう。A→B+αというα崩壊からα線が出てきます。
このとき、物質Aは崩壊前には静止(=運動エネルギーは0)していたとしても、
α線はちゃんと運動エネルギーをもって飛び出してきます。
エネルギーの保存を考えるとおかしな気がしますが、ここで世界トップクラスに有名な式の出番です。
特殊相対性理論では、質量とエネルギーは等価である、すなわちE=mc^2です。
A、B、αの質量をそれぞれm_A、m_B、m_αとすると反応の前後の質量を比べた時
m_A=m_B+m_αではなく微妙に差があり、その差(質量欠損)ΔmはΔm=m_A-(m_B+m_α)です。
このΔmが粒子Bとα粒子の運動エネルギーになります。
2つの物体の運動量保存則とエネルギー保存則の式を立てて解けば、m_B>>m_αから、ほとんどα粒子の運動エネルギーになります。
つまり、m_Aとm_Bとm_αの値がきちんとわかっていればα粒子の運動エネルギーはきちんと一つの値が求まります。
α粒子の運動エネルギーのスペクトルをみると一本のピークが立つだけで、連続スペクトルにはなりません。
(実際は崩壊後の粒子Bの励起状態の違いから何本かのピークが出ます)
実際にα線のスペクトルはこのようになりました。

もちろん同じようにβ線でも運動エネルギーのスペクトルをとりました。
当然最初はα線のように一本のピークが立つだろうと思われました。(A→B+βと考えられていたので)
しかし実験結果は質量欠損により決定される運動エネルギーよりも低く、
しかもそのスペクトルはエネルギーと共に減衰するのではなく、山なりな形をしていました。
その形から推定するに、どうも3つの物体に崩壊してるのではないか、と考えられ、
装置の検出器に引っかからないような粒子(これが現在のニュートリノ)が出ているんじゃないか、と予言されました。

もし時間があれば3つの物体の運動量保存則とエネルギー保存則を立てて解いてみるといいと思います。
(もちろん変数の値を決めるには式が足りないので、何か関係式がでてきます)

なぜ連続スペクトルになるのか、という解答は(反電子)ニュートリノのことについて答えてやればいいんですが
#1さんや#2さんも言ってるようにどうしてニュートリノなんて考えたのか、って方が重要ですよ。
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や, 「ニュートリノが適当にエネルギーを持ち逃げする」のはその通り (だから電子のエネルギーが一定にならない) ですが, 「ニュートリノの存在の予言」そのものは「電子のエネルギーが一定にならない」ということではなく, もっと単純に「エネルギーが減ってる」というところだったはずです>#1.


n → p+e の式を考えると系全体のエネルギーが減っちゃうので「何かエネルギーを持ち逃げしたやつがいる」と仮定した, と.
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以下、あんまり正しくないかも知れませんが、おおよそこういう話だったような。


β崩壊にあたり、電子とともにニュートリノが発生します。
β崩壊の放出エネルギーが一定でも、ニュートリノに回るエネルギーが不定みたいで、その取り分次第でβ線のほうのエネルギーが変わるので連続スペクトルになってしまう。
じゃなかったかしらん。たしか、これがニュートリノの存在が予言されるきっかけだったような。
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