中国を象徴する動物を挙げるとすれば、今や間違いなくパンダですが、中国の歴史を見る限り、パンダが現れるのは清末以降のようです。
中国では古代から伝説の動物として、龍、鳳凰、麒麟などが神話や歴史書に何度も登場するのに、実在する動物であるパンダが最近まで全く無視されてきたのはなぜでしょうか?
特に三国志の時代、主人公の一人である劉備はパンダの住む四川盆地に蜀を建国して活躍しているわけですから、パンダに関する逸話が1話くらいあってもよさそうに思うのですが。
パンダも現代に比べたら広く分布していたでしょうに、劉備や諸葛亮はパンダを全く見かけなかったのでしょうか?
No.12ベストアンサー
- 回答日時:
理由は主に三つあると思います。
・仏教や儒教などから来る「神の権化」とか「神の使い」にならなかったから
・漢字の源流である黄河流域には生息しなかったから
・植物を食べるおとなしい動物で、勇猛果敢な武将たちの比喩に使われなかったから
だと思います。
質問者様も提示している龍・鳳凰は仏教思想がインドから伝わったときに思想化されたものですし、麒麟は元は中国の神話であり、むしろ近代になって、鄭和艦隊がアフリカから持ち帰ったキリンを永和帝が「中国の故事に出てくる動物に似ている」として「キリン」と呼んだとされています。
パンダはこういうものに該当しませんし、犬猫のような有史以前からのペットや羊などの家畜、狼や熊のように人間に害を与える動物でもなかったため、無視された可能性も高いでしょう。
また漢字が作られたのは黄河流域で、1文字で表される漢字の動物は黄河流域に生息していたものばかりでしょう。中国が四川付近まで統一したのは、すでに漢字の体形がほぼ出来上がった秦朝以降のことなので、パンダは1文字にはなりえなかったでしょう。
またパンダは虎や熊などに比べれば肉食ではないので無害です。さらに言えば笹が生えていないところには生息していません。「記録」というのは必要があって記載し、残すものですから「あの地域には虎がたくさんいて、少数の軍隊では危ない」とか「あの山はクマが居るので、夜間はきちんと警備しないと危ない」というような情報じゃなければ、たくさんは残らないでしょう。
また笹藪は進軍するには不向きな場所ですから、そこを避けて通ればパンダには遭わない、ということにもなります。
もちろん、実際当時の記録には「村人がパンダと呼ばれる面白い熊の皮を献上した」というようなものもあった可能性もあります。でも残っていないし、非常にまれなことだったのだと思います。
また、現代の人が忘れがちなのは「西洋人が好奇心を持たなければ記録されなかったものがたくさんある」ということです。
博物学は西洋人が初めて取り入れたもので、だから清朝末期に西洋人が中国に大量に入ってくると「パンダという面白い動物がいる」として捜索を始め、記録に残ったのです。
日本でも動物ではありませんが、たとえばモースが見つけた貝塚なんて「日本人にはありふれていて、記録するほどのものではなかった」ということもあります。
No.5
- 回答日時:
金太郎は童話、童謡による流布の所が大きいです。
江戸時代の錦絵には熊は出て来ませんから、明治以降の脚色でしょう。
富国強兵と教育思想には持ってこいです。
槍は室町~戦国時代に発達したもので、それ以前は薙刀、太刀でした。
中世にマタギがこれで熊を狩るのは難しかったでしょう。
マタギは掟と正道から外れる部分があり、里人と密な交友を持つ事が難しいと考えます。
火縄銃が流通すると、江戸時代には熊の胆は流通しますが、一部は朝鮮人参の古和名です。
どこでも狩りをする許可を持ち、狩と農業の半々のマタギいました。
熊の胆を神薬と称しました。
もちろん、熊がどんな生き物かわかりません。
大人は説法を聞きに寺へ行き、子は文字を習いに行く。
この世界に溶け込むのは難しいでしょう。
マタギの掟は厳しいです。
殺生話しは厳禁です。自分の殺生はマタギ全員の殺生にるからです。
狼は格言がありますが、熊の格言はありません。
熊は日本の文化に溶け込んでいませんでした。
No.3
- 回答日時:
江戸時代、熊を知る人は殆どいませんでした。
熊谷などの地名は隈(端、すみっこの意味)の、隈谷が格好の良い熊に転化したものです。
http://www.geocities.jp/engisiki/izumo/bun/imo43 …
熊は山の神でした。
文化的な都で熊猫の話を歴史書に残す意味がありません。
闇ではパンダ肉は高級食材とし取引されています。
かつては平気で食っていたようで、クマの手や熊の胆は漢方では珍重されています。
現代本では、神の使いなので決して狩らなかったと記載し、
もう一方(史書)では家来にパンダの毛皮を与えたと記しています。
これが中国の限界ではないでしょうか?
http://www.geocities.jp/engisiki/izumo/bun/imo43 …
No.2
- 回答日時:
パンダは人間よりもずっと昔から地球に存在していますが、人々の目に触れることはほとんどなく、長い間中国の山奥でひっそりと暮らしていました。
その風変わりな姿を見た地元の猟師からは、シロクマや獏(バク)などと呼ばれており、正体不明の怪獣だと思われていたようです。
また、神様が姿を変えて地上に降りてきた動物であると信じられており、神獣として扱われていました。
実際にパンダの存在が世の中に知られるようになったのは、ほんの150年前のことです。1869年3月11日、フランス人宣教師のアルマン・ダヴィッドが中国を訪れた際に、地元の猟師が持っていたパンダの毛皮を発見したのがきっかけでした。
ダヴィッドは博物学にも長けており、その見たことのない珍獣の毛皮と骨を得て、パリの国立自然史博物館に送りました。 この出来事により、初めてパンダが世界中に知られて人気者となったのです。
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中国で古くから知られており、かつ親しみのある動物は全て漢字1文字で表せます(例:虎、牛、馬、羊、猫、狗、豹、狼など)が、パンダは「大熊猫」という漢字の複合語なんですよね。あまり親しみのない動物だったのでしょう。
三国志の時代、漢の時代、唐の時代、宋の時代、元の時代にパンダの記録がほとんど無いのも不思議です。
パンダは中国の歴史を通じてずっと生息していたはずですが、近世までほぼ無視されており、現代中国になってから急に中国のシンボルに祭り上げられたのも不思議です。
昔から地元民はパンダの存在を知っていたでしょうが、誰も注目しなかったのも不思議です。
地味な動物では決してないですから。
>江戸時代、熊を知る人は殆どいませんでした。
→ 金太郎が熊と相撲をとった「金太郎」の童話は有名ですよね。平安時代に実在した人物です。
熊の猟師であるマタギも中世には既に行われていたようですし、熊を知る人は多かったです。
まあ、実際に見たという人は少なかったと思いますけど。
過去の日本人は熊との関わりが薄かったのは事実ですが、知識としては知っており、山奥に入る際は熊に注意していたようです。熊猟も伝統的に行われていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC …
https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/2006.html
パンダは南蛮や遼東のような奥地でなく、漢中や五丈原といった三国志の舞台の中心ともいえる地域に生息していますよ。
蜀の首都である成都市には、現在ではパンダの繁殖研究基地がありますから。
さすがに地元の人は昔からパンダの存在を知っていたと思いますよ。
昔から人口は多かったですから。