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ギターについてお詳しい方に質問です。まさにクラッシックを弾くためのクラシックギター、特にスペイン伝統工法で作られたギターと、明らかに異なる音が出るMartin社やFender社、又はドイツOrtega社などが出しているクラシックギターに分類される、どちらかと言えばアコギ、ガットギターと呼ぶ方がしっくりくるかと思うのですが、明らかに音のニュアンスが異なるのですが、この違いは何なのでしょう?
伝統工法のスペインギターは、表板が薄く、サステイン、音の延びが良く響きが澄んでいるようです。
例えば、ウィリーネルソンの愛用のクラシックギター(Martin N20)というエレアコは、スペインギターと大分趣が違うように思います。
そもそも演奏目的の違いなのか?どうしてクラシックギターというカテゴリー分けでこうもちがうのでしょうか?わかる方教えて下さい。

A 回答 (1件)

それを言い出すと、「正統派クラシックギター」でも製作者によって考え方も出てくる音もいろいろです。


例えばスペイン伝統を重んじるロマニリョスと、全く新しい考えのグレッグ・スモールマンでは構造も重さも音も全く異なります。
ポールフィッシャー然り、メンヒ然り。

Martinの場合は、アントニオ・デ・トーレスが現代クラシックギターの基本を作る前にドイツを離れてアメリカで独自のギター作りを始めていますから、トーレスの流れをくむスペインのクラシックギターとは別の楽器と考えるのが自然と思います。
構造的にもマーチンNシリーズはダブテイルのドイツ式ネックジョイントですが、スペイン正統派はネックとボディが一体化したスペイン式という工法で作られています。
Nシリーズに限らずOOO-28CやGなどのガットギターシリーズはスティール弦のXブレースが出たあとに作られていますので、ファンブレースであること以外は当然スティール弦のギターをベースとしています。そもそもの成り立ちが違うのです。
極論を言えば、マーチンのガットギターはクラシックギターではないのです。

カテゴリーという考え自体が今やどうでも良いような時代ですし、それを言ったら同じソリッドボディのエレキギターのほうが音のバリエーションは大きいでしょう。
スティール弦だってマーチンとギブソンとヤマハでは全く異なる音ですしね。
演奏者が好きな音が出せるなら何だって良いわけだし、嗜好に合わせていろいろな方向性の楽器が出てきたわけだし、楽器に合わせて演奏も変化していったでしょう。
それを「進化」と考えれば、これからも想像を超えたいろいろな方向性の楽器が出てくると思いませんか?


クラシックギターの歴史や構造について興味がおありでしたら、こんな本を読むと面白いかも知れません。
「アントニオ・デ・トーレス―ギター製作家-その生涯と作品」ホセ・ルイス・ロマニリョス
「メイキングマスターギター ギターの名器とその製作法詳説」ロイ・コートナル
「クラシックギター銘器コレクション」現代ギター社
ついでに、
「Martin Guitars: A History」マイク・ロングワース、ディック・ボーク他
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この回答へのお礼

お詳しい情報とご回答ありがとうございます。
音楽の土壌によって求められる音色が違ってくるのは当然ですね。
Martinのように、アメリカで育ったメーカーは、当然アメリカのブルースやカントリーという土壌の中でその音を発展させてきたのでしょうし、ネック幅も、表板の厚みも、響きも違う訳ですね。
クラシックと言っても「別物」なんですね。
Martinのヒストリーなどの本も参考にしてみます。
ありがとうございます。

お礼日時:2018/11/22 11:57

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