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まえにも質問しましたが、オリンピックで海外から沢山のお客さんが来ますかなりの経済効果が期待できると言ってました、そこへある評論家がそんなことは無いドルを日本に持ち込んで換金しそれを使うだけ殆どのドルは外貨預金、円が増える訳じゃないから+-0?なんて話をしてましたが、その続きです何かこの数年でアメリカドルの通貨発行量が2.5~3倍に増えたと言ってました、兆を超えて京、3倍位の円高になっても?なんて事もいってました、そうはならないと?何故???戦後あんなに汗水流して外貨を稼いだのにドルが紙屑になっちゃうなんて心配も?私みたいなボンクラには?よく円高、円高と騒いでますが日本も通貨の大量発行をすればと思ってます!でもそうはならない!カラクリを教えて下さい。

A 回答 (1件)

話がいろいろな側面を含むので単純ではないですが、現代の法定通貨とは国の信用によって担保されています。

つまり日本円を持つことは、日本の信用をもとにこれを買っても価値が暴落しない=ハイパーインフレにならない、と考えるから日本円を買う人がいるのです。紙幣自体にものそのものの価値はないので、歴史的に昔はお金は金を担保にしてその分だけ発行することで、そのお金があればそれ相当の金に交換してもらえることが物理的に保障されることで成立してました。

一方で、国の紙幣制度とは、世の中に出回るお金の流通量をコントロールすることで人々がお金をただ持ってるよりも物事に投資し、経済を回すことでリターンを得られるようにすることが、その国にとって経済成長を支えるため、国の通貨発行が金というもので制限されてることは国が経済をコントロールするには非常に都合が悪いのです。景気が良い時は良くても、今回のような経済恐慌になって取り付け騒ぎが起きるとお金を減らし続けなくてはならないので、それではいざというときに国のお金の流通をコントロールして経済や金融市場の安定性を維持することなどできません。それで米国のニクソンショックを機にそれをやめて、国の信用をもとに通貨をすることにしました。

信用をもとにお金を刷るとはどういうことか?現代ではどの国先進国通貨も基本的に国の政策を決める政府行政と、通貨発行をつかさどる中央銀行は制度上独立しています。国は政策として経済や市場がどうなるのか、どういう条件で中央銀行がお金を刷れるのかという法規則や目標を定めます。一方で、その目標や法律原則の範囲で、通貨をいつどのようにするかというのを決めるのが中央銀行です。ただし中央銀行は好き勝手お金を刷るのではなくて、お金を刷るのと同時にそれと同額の国債を市場から買い戻すことを行います。これによって、国債を担保にお金を流通させることで、国の信用によって流通した通貨が市場に出回る帳尻が取れるのです。国債の市場価値がなくならない限りそれ相当額の紙幣は国債によって返済できるからです。

政府と中央銀行が協力して国債を日銀に買ってもらえばいい、と思うかもしれませんが、それをやるのをいわゆる財政ファイナンスといって、政府財源を日銀に刷らせることになるため、これは禁止されており事実上市場を介することでしか国債のやり取りができないことにはなってます。

中央銀行が無制限に国債を借り入れて金をすると、国債の大半が中央銀行によって担保されてるだけの状況になり、自転車操業のような状態になります。市場がそうなったと判断してしまうと、国債をだれもかわなくなることでその結果国債の価格が暴落し、結果的にハイパーインフレかつ国の経済破綻へとまっしぐらということになります。よって、あくまでもファイナンス上中央銀行がするお金の量には一定の制限がある、財政規律が存在するというメッセージや意思表示がないことには成立しないのです。

米国が大量に金融緩和で金を刷ってるのに日本がしないと円高になる?というのはその通りです。変動為替制度の国同士では、為替はあくまでそれぞれの国のお金の流通量の差に顕著に出ます。ただし、単に為替のためだけにお金を刷ればいいというものではなくて、上記のような紙幣制度の安定性や財政規律というものもよく考えなければリスクが伴うことでもあるのです。アメリカの中央銀行がここ数カ月で何百兆円規模のお金を刷ってますが、それはある意味そういうリスクがあること承知でなりふり構ずやってる側面があります。というのは、上で述べたように、中央銀行にはその国の経済や金融市場の安定化という大義名分も存在し、コロナによって生じた混乱である程度ハイパーインフレなどのリスクを承知でもその時の買い支え等をして金融市場にメッセージを出し続けないと、インフレとか以前に国の経済が終わってしまう可能性もあったからです。要するにそういう天秤にかけたということです。これは、ある意味、ここ数十年、2000年以降のいわゆる禁輸市場における実体経済を反映しないようなマネー規模が膨れ上がったことによる負の側面でもありります。

世の中の紙幣制度というのは長年にわたって永続してる確固たるもののように思てる人も多いのですが、実は今の体制で金融経済などがうごいているというのは戦後の随分経った後、しかも規模の拡大も含めてそう長い歴史のあるものでもなかったりするのです。その意味で言えば、だれも分からないリスクだってあるものなのです。
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