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慣性力、それは普段日常でもよく体感する力、作用です。これが、実は、非慣性系、つまり、加速度運動系でもニュートン力学の運動方程式が成り立つように形式上導入、定義された見かけの力である、と説明されると、物理学に親しんでいない人はちょっとびっくりするかもしれません。
「だったら、車が発進するとき、シートにグッと押し付けられるあれは何だ?」となるし、「慣性力は見かけの力、じゃあ、偽の力か?そんなことはない、立派な力だ!」と言い切る物理の先生もいます。しかし、やはり、他の力と決定的に異なる点がある。それは、作用反作用の法則が適用されないということ。慣性力は反作用を伴わない力です。それが、”見かけの力”と称される所以の一端でしょう。
対して、”真の力”である、重力や電磁力には反作用がある。一例として、地球―月系を考えると、月は地球の重力(引力というほうが正確かもしれませんが、重力で統一します)に引っ張られているし、その反作用として、月は地球に重力を及ぼしています。潮の干満はいい例でしょう。
と、そこまで考えてきたとき、ん、ちょっと待てよ、と疑問が湧きました。
重力の理論といってもいい、一般相対性理論は、一般相対性原理と、等価原理を2本の柱としている。
このうち、等価原理は、等価原理にも何種類かありますが、「局所的に重力と慣性力は区別できない、等価である」という原理だったはず。しかるに、重力には反作用が伴い、慣性力にはない。
これは一体どういうことだ?という疑問です。
真っ先に浮かんだのは、局所という条件下ではとりあえず、反作用について考慮しなくてよいのでは、というアイデアでした。確かに、地球―月系では、彼我の距離が3千万km以上離れているし、月にかかる重力を考える際、月の近傍だけならば、反作用として地球に及ぼしている月の重力は考慮せずともよい気もします。でも、スケールをグンと小さくして、たとえば、2個のリンゴが数cmを隔てただけで重力を及ぼし合っている場合は?(この際、原理的な議論をしているということで、大きさが0でなければ重力があるとして話を進めます)。さらに、2個の分子、(酸素分子でも窒素分子でもよいのですが)が数mm、または数μmの距離で重力を及ぼし合っている場合は、それ自体が局所と見做せるのではないだろうか?
確かに、理論的には局所とは、無限小の領域というか場を表すとなります。しかし、作用―反作用の法則にも特に距離の下限という条件は付いていなかったと思います。
mm、μm、nm、pm…いくらでも局所に近づけることが可能ではないでしょうか?
とすると、どう考えればよいのか?
思考がドウドウ巡りを始めて、ついには、等価原理を疑っても見ました。局所的にも、重力と慣性力は等価でないのではないか。似てはいるが異なるもの、ではないのかと。
しかし、これは、提唱されてから100年以上、様々なテストをパスし、近年では重力レンズや重力波が検出され、GPSにも活用されることで日常生活にも欠かせないものになっている一般相対論を支える柱の一つを疑うことになります。どう考えても、いい取引とは思えない。
では、慣性力を疑ってみましょうか?慣性力には反作用を伴う場合もあるとか。しかし、これはこれで、影響が大き過ぎると思えます。
それに、力というか作用の本質的な性質、本性として、重力には反作用があるとすると、慣性力には?
う~ん、どうにもあちらを立てればこちらが立たず状況です。
「なるほど、そうだったのか!よし、わかった」と言えるまでには長い道のりがあるようですね。

A 回答 (2件)

作用反作用の原理とは、



二つの物体が互いに力を及ぼす場合、両者は向きが反対で大きさが等しいという経験則ですね。

一般相対性理論は、2つの物体が互いに直接力を及ぼすという万有引力とはまったく違い、

・質量があると空間が歪み
・歪みの正確な度合いに応じて、重力が発生する。
・重力とは、空間が歪んだことによる見かけの力であり
・その発生源は質量である。

ということですね。その前提となる等価原理は、

ある領域に重力が働くことと、その領域が加速されて見かけの力が生じることはまったく区別がつかない。同じ現象である。

だからこそ、自由落下するエレベータでは、重力と慣性力が相殺されて無重力になる。こんな偶然、重力質量と慣性質量が同じものじゃないと、起こるはずないよね。

つまり、慣性質量と重力質量は同じもの。重たいものは、重力も大きいが加速しにくい、軽いものは、重力が小さいが加速しやすい。その割合が比例している(実態は同じもの)なので、重たい物も軽い物も、同時に同じ速度で落下する。実は、重力質量なんてニュートン力学の幻、あるのは慣性質量だけだ・・・

と、端折って言えばこんな感じかと。

エレベータの中にいる人が、底面に押されて立っているとき、人間が底面を押し反作用で壁面から押し返されますね。これが作用反作用の法則です。
(重力の反作用で、底面があなたを押し返すのではありません、重力かなにかはわからないが、あなたの体が底面を押す。すると底面があなたを押し返す、これが作用反作用の法則です)

このとき、エレベータが静止して、底に大きな質量があって空間が歪んで、重力が生じ、あなたが底面を押すのか?

それとも、無重力の空間にあるエレベータを、巨人が重力加速度と同じ加速度で引っ張り上げるから、あなたが底面を押すのか?

中にいる人はまったく区別がつきません。いずれの場合も、作用と反作用、どちらも同じように生じますね。重力も、慣性力による見かけの力も、まったく同じものだ・・・ということが、想像できますね。
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作用反作用の法則はニュートン力学では物体たちの運動の保存則と同じ事を言ってる訳ですが、近接作用では場も運動量を持つ事になるので物体たちだけの運動量を考えても保存されません(作用反作用の法則は成り立ちません)。

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