質問1.
Dirac方程式を量子化する前の式
ε/c=α1p1+α2p2+α2p3+βmc
は、古典力学の式として、何か利用価値は無いのでしょうか?
α1、α2、α2、β:行列
質問2.
また、この式を量子化せずに形を波動方程式にすることができるように思われるのですが、
そのようにしても、古典力学の式として何か、利用価値は無いのでしょうか?
質問3.
この場合、4つの式になりますので、波動関数を掛けないと答えは、出ないのでしょうか?とすると、やはり量子化しないと意味は無いのでしょうか?
質問4.
一般に波動方程式を解く際、微分方程式の本を見ると、変数分離とか何やらで、
しんきくさい解き方をしていますが、例えばDirac方程式の平面波の計算では、
波動関数を掛けて、固有値・固有ベクトルを一気に計算して求めます。
古典力学的な波動方程式や熱伝導微分方程式で、Dirac方程式のように
波動関数に近いものを掛けて、固有値・固有ベクトルを求めている
例はあるのでしょうか?
質問5.
微分方程式の本に載っている古典力学の計算「例えば変数分離を使って波動方程式を解いた例」を、時間がかかり非効率的になるかもしれませんが、Dirac方程式の平面波の計算のように、波動関数(あるいはそれに近いもの)を掛けて、固有値・固有ベクトルを計算して求めることは可能でしょうか。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
古典論でディラック方程式は利用価値があるかもではなく、大変な利用価値があることが既にわかっています。
Wittenのpositive mass theorem の証明は衝撃的でした。結果は予想されていた通りでしたが、前から重要性が指摘され、多くの人が挑んだが証明できなかった難問をWittenは見事に証明したのです。証明の筋は次の様なものです。ADM質量はアインシュタイン方程式を使って任意のスピノール場の微分について2次の項と物質のエネルギー密度の項の空間的Cauchy面上での積分として表わされす。スピノール場をある楕円型微分方程式を満たすように選ぶとスピノールの2次の項はpositiveになります。ディラック作用素は2階偏微分作用素を1階化ものなのでディラック方程式が使われます。一般相対論でのディラックスピノールについてはStewart;Advanced General relativity, (cambridge university press)
などを御覧下さい
No.6
- 回答日時:
No4です。
δ/δt=c (α1 δ/δx1 +α2 δ/δx2 +α3 δ/δx3) +β mc^2
この式に意味があるというのであれば、この解である波が、物理的に何の波を表すのかを示す必要があります。残念ながら、私には思い当たりませんので、これ以上は分かりません。
No.5
- 回答日時:
古典論でディラック方程式は役に立たないとか利用価値がないどころではありません。
それどころか最もホットな分野の一つではないでしょうか。数学では下記URLにあるように広範な分野へ応用されつつあります。ディラック方程式の微分作用素の係数行列(いわゆるガンマ行列)はそれ自身、数学や物理学で重要な対象です。スピノールの物理学への応用はhttp://www.mrao.cam.ac.uk/~clifford/
を見て頂きたいですが、一般相対論への応用はこの中のlectureにはないようです。
参考URL:http://www.math.waseda.ac.jp/~homma/math.htm
この回答への補足
お返事ありがとうございます。
>古典論でディラック方程式は役に立たないとか利用価値がないどころではありません。そ>れどころか最もホットな分野の一つではないでしょうか。
詳細は、難解であるのでわかりませんが、私の質問内容は、「とんでもない質問」でも無いと解釈して
も良いのでしょうか?
で、下記の現在の答は、
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1)
は、一応、1次式の波動方程式だと思われるのですが、
この式は、古典力学の式として何か、利用価値は無いのでしょうか?
→(答え)利用価値は大いにあるかもしれない。しかし、只今研究中なので
具体的には解らない。
質問3.
式(1)は、何とかして解けないでしょうか?
→(答え)今は、解けない。
というところでしょうか?
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1) (誤)
は、下記の誤りです。失礼しました。
δ/δt=c (α1 δ/δx1 +α2 δ/δx2 +α3 δ/δx3) +β mc^2 式(1) (正)
No.4
- 回答日時:
多分、質問者様への回答にはなっていないと思いますが。
質問者様は、何か古典的な物理量の間の関係式から、物理量を微分演算子に置き換えてできた波動方程式を作って、それが何か役に立つのではないかとお考えなのでしょうか。そうだとすると、あまり役に立つとは思えません。量子化は、波動方程式を作ることが目的なのではなく、固有値と固有関数(またはベクトル)を求めるのが目的です。波動関数という形の解を求めることは必須ではありません。ベクトルであってもかまわない訳です。得られた波動関数は現実の波とは異なるものであり、現実の波を扱う波動方程式と同じに考えてはいけません。
この回答への補足
お返事ありがとうございます。
>得られた波動関数は現実の波とは異なるものであり、現実の波を扱う波動方程式と
>同じに考えてはいけません
ということは
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1)
は、一応、1次式の波動方程式だと思われるのですが、
この式は、古典力学の式として何か、利用価値は無いのでしょうか?
→(答え)利用価値は無い。
質問3.
式(1)は、何とかして解けないでしょうか?
→(答え)解けるか否かよりも、解く意味が無い。
というところでしょうか?
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1) (誤)
は、下記の誤りです。失礼しました。
δ/δt=c (α1 δ/δx1 +α2 δ/δx2 +α3 δ/δx3) +β mc^2 式(1) (正)
No.3
- 回答日時:
スピノールは座標系を一回転すると符号が変わります。
そのためスピノールの成分は直接観測される量とはならず古典論より量子論のほうが意味が付けやすいと考えられます。量子論では波動関数に絶対値1をかけたものは同じ状態を表わすからです。しかし純粋に古典論的な問題でもスピノールは使われます。その有名な例はウイッテンによるpositive mass conjectureの証明です。古典重力理論においてスピノールの使用は拡大しつつあります。マックスウェル方程式もスピノールの形に表わされます。従って古典論の方程式もディラック方程式と同じ様にとける場合もあるでしょう。この回答への補足
お返事ありがとうございます。
かなり高度なお話で難しいです。
>従って古典論の方程式もディラック方程式と同じ様にとける場合もあるでしょう。
そうですか。是非、解けるケースを考えてみたいです。
質問を修正し、整理させて頂きます。間違い等ありましたらご指摘願います。
質問1.
Dirac方程式を量子化する前の式
ε/c=α1p1+α2p2+α2p3+βmc
は、古典力学の式として、何か利用価値は無いのでしょうか?
→(答え) あるかもしれないが、今のところ無し。
(この問題は、とりあえず了解しました。)
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1)
は、一応、1次式の波動方程式だと思われるのですが、
(根拠は、単純に2乗すると通常の2次の波動方程式が得られるからです。
Dirac方程式を2乗するとクライン・ゴルドン方程式が得られるのと同様です。)
この式は、古典力学の式として何か、利用価値は無いのでしょうか?
質問3.
元々の質問は削除します。
式(1)は、何とかして解けないでしょうか?
取り敢えず、今はここまでとさせて頂きます。質問2.の意味が無ければ全て破綻するからです。
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1) (誤)
は、下記の誤りです。失礼しました。
δ/δt=c (α1 δ/δx1 +α2 δ/δx2 +α3 δ/δx3) +β mc^2 式(1) (正)
No.2
- 回答日時:
No1です。
まだご質問の意味を理解できておりません。特に、「中途半端な量子化」が分かりません。それでも少し追加します。質問者様は、波動方程式を作ろうとされているようなので、量子化としては、運動量を微分演算子にするやり方を想定されているようですが、座標と運動量との間に交換関係[x,px]=ih'などが成り立っているという約束があれば、波動方程式にしなくとも量子化されていると言えます。つまり、
ε/c=α1p1+α2p2+α2p3+βmc
の式のままでも、量子化されていると言えます。ただし、この式には座標は含まれていないので、固有値に対する制限を与えません(いろんなエネルギーをとり得るということです)。
この回答への補足
こんにちは、
少し言葉が足りなかったみたいです。
私の言いたいことは、
Dirac方程式を量子化する前の式
ε/c=α1p1+α2p2+α2p3+βmc
に、下記の通り 中途半端に量子化の真似ごとを行うと
pj→δ/δxj 、 ε→δ/δt
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1)
となります。これが、「波動方程式(但し、1次式)になります。」
と言いたいのです。
この式を2乗すると、
δ^2/δt^2=c^2 (δ^2/δx1^2+δ^2/δx2^2 +δ^2/δx3^2) +m^2c^4 式(2)
ある意味で通常の2次式の波動方程式になります。
教科書に記載されている標準形とは、+m^2c^4が余分にあったり、c^2が掛かって
いますが、まあまあ 大目に見ると、OK ではないのでしょうか?
中途半端な量子化は、問題があるかもしれませんが、結果だけ見ると 式(1)は
式(2)の1次式なので 式として意味があってもいいかもしれないと思っています。
質問2.
δ/δt=c (δ/δx1 +δ/δx2 +δ/δx3) +mc^2 式(1) (誤)
は、下記の誤りです。失礼しました。
δ/δt=c (α1 δ/δx1 +α2 δ/δx2 +α3 δ/δx3) +β mc^2 式(1) (正)
No.1
- 回答日時:
ディラック方程式が古典論でどのような意味を持つのか、私としても興味ある問題ですが、未だ分かっておりません。
とりあえず、参考程度に分かる範囲で書いてみます。質問1
ε/c=α1p1+α2p2+α2p3+βmcに左からβをかけると、
βε/c=βα1p1+αβ2p2+βα2p3+β^2mc
ここで、ε/cをp0、βをγ0、βαi=γiとおき、β^2=1を使うと、
p0γ0-p1γ1-p2γ2-p3γ3=mc
したがって、
pμγν=mc
この左辺は、4次元ベクトルpμのスピノル表現になっています。エネルギー運動量の内積はスカラーですが、これをスピノル表現にしたものになっています。だからどうなのか?と聞かれても答えられませんが。
質問2
量子化しなければ、波動方程式にはなりません。質問の意味が?です。
質問3
質問1で示したように、この式はエネルギー運動量ベクトルの内積が(mc)^2になることをスピノル表現したものですから、恒等式です。これだけで何かを求めることはできません。量子化すると、固有値方程式になりますが、ポテンシャルを考えなければ、自由なスピノル粒子の波動関数が得られるだけです。
質問4
一気に計算して求めるというのが分かりません。ポテンシャルがない場合は、簡単に答えは求められますが。
質問5
分かりません。
この回答への補足
お返事ありがとうございます。
まず、質問2を、明確にしないとそれ以降に進めません。
質問2を、はっりきりさせたいと思います。
> 量子化しなければ、波動方程式にはなりません。質問の意味が?です。
ディラック方程式を作ろうと思いましたら、量子化しないとできません。しかし、数学的にもっと一般的な波動方程式を作ろうと思えば、中途半端な量子化をすれば可能じゃないでしょうか?
そんな式に何の意味があるのか?と言われれば困るのですが、、、shiaraさんがおっしゃっているように、ディラック方程式が古典論でどのような意味を持つのか?を考える上で、参考になります。
でも、中途半端な量子化がどこまで許されるか?自分でも疑問ですが、、、
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