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 知り合いの大学生から、ミトコンドリアDNAの塩基配列を比較することで、同定の困難な種でも種判別ができるという話を聞きました。
 私は、蟻を趣味で採集しているのですが、同定が困難な種があることから、興味を持ちました。
しかし、どうもよくわかりません。そこで、次の2点について教えてほしいです。

1.原理について
 塩基配列を比べれば、その違いから種判別できるというのは、漠然とはわかります。でも、違いだけなら、同種内でもあるはずです。違いをどのように評価すると、別種だといえるようになるのか、その仕組みがわかりません。

2.応用について
 この技術は、どのように応用できるものなのでしょうか。
 蟻のなかには、ワーカーでは同定が困難、あるいは不可能で、女王蟻の形態を調べないと同定できない種があります。そのような種について、もし塩基配列さえ読めれば、ワーカーのみから簡単に同定できるようになると言うことでしょうか。

 以上2点をよろしくお願いします。
ちなみに、私は生物を専門に学んだことがないので、難しいとは思いますが、できれば素人にもわかるようにお願いします。

A 回答 (2件)

回答がないようですので、


アリについては全くの専門外ですが答えられる範囲で。。

1については、種の分類については、形態的な差異などに基づいて分類されたものですから、種によってはDNA配列的には非常に近いものもあると思いますし、逆に同種であっても個体差の大きいこともあるでしょう。なので、種の区別に関しては種間で共通した違いのある部分を探すしかないかと思います(方法としては、形態的な違いをもたらす遺伝子の差異を探すことが最初になるかと)。ただ、逆にDNA配列の違いを元にある種間が進化的にどれくらい距離があるかを推察して、進化の系藤樹を描くことは可能です。また、同種内の個体間のDNA配列の差異はSNPsと呼ばれ、ヒトやマウスをはじめ、多くの生物でデータベース化されていっています。

2について。私はアリの生態について知識がないのですが、ワーカーと女王アリが同様の遺伝情報を引き継いでいる以上、1で述べたように違いのある領域さえわかっているのなら、判断可能だと思われます。いずれにせよ、アリのゲノム情報が手に入ればすぐにわかることなのですが、なかなか予算をつけるのが難しいところでもありますし、おそらく現在では一般に開放されたものは無いのではないでしょうか。

この回答への補足

うろ覚えで申し訳ないのですが、確か、比較するミトコンドリアDNAの領域は、COI周辺の領域だったと思います。同じ領域で、変異速度の極端に遅い生物(これもうろ覚えですが、線虫の仲間だったような・・)以外は、種判別できるような話だったと思います。
全ての生物で同じ領域で上手くいくのでしょうか?ある限られた種類を判別するために、変異のある領域を探すというのならわかる気がするのですが・・・。それに、その領域で形態の違いは生まれないだろうし。

methylさんの回答を読んでの私の理解は、

  DNA配列で種判別するためには、先ずそれぞれの種 内での塩基配列の変異の幅を調べ、データベース化 した上で、未同定の種の塩基配列がどの種の塩基配 列の変異の幅に収まっているのかを調べるしかな  い。

というものなのですが、これでいいのでしょうか?
これだと、ものすごい積み重ねが必要になりますね。

ここで、疑問なのですが、

この方法は、属の判別や、亜科の判別にも使えるのでしょうか?

もし、種、属、亜科などの判別に使えるとしても、疑問なのが、それって、塩基配列の違いで系統樹を描いて、どの種が(あるいは属が)単系統群かを判断すること以上の意味があるのだろうか?

ところで、methylさんの回答の中で、SNPsというのがでてきましたが、これをデータベース化するとどんないいことがあるのですか?まさか人の種判別なんてありえんし。

補足日時:2005/05/31 00:45
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございます。”マニアックすぎて回答ないかも・・・”と思っていたところなので、うれしいです。
 もう少し突っ込んで聞きたいのですが、”補足する”に書けばいいのかな?

お礼日時:2005/05/30 23:50

たしかにCOI領域をはじめとして、ミトコンドリアDNAは種の判別に用いられることが多いです。

なぜならミトコンドリアは、ほとんどの真核生物に存在するため、その変異を解析することで進化における分岐点を推測することが出来ます。また、基本的に母性遺伝で伝わるため、相同組み替えが起こらず解析に適していることも大きな理由です。また、DNAの変異はある程度ランダムに起こり、その変異は生存に関係する領域でなければ時間とともに蓄積されていくわけです。「変異速度の極端に遅い生物が分類できない」というのもそのへんが理由になります。なので、非常に近種である場合、COI領域も含め種の区別に利用できるかどうかは、実際に調べないとわかりません。もし、全ゲノムを解読すれば亜種の区別もできると思います。(DNA配列のみで遺伝子発現が規定されるわけではないのですが、個体差を越えて種の違いを区別できる領域はあるだろうと思います。)

で、「もし、種、属、亜科などの判別に使えるとしても、疑問なのが、それって、塩基配列の違いで系統樹を描いて、どの種が(あるいは属が)単系統群かを判断すること以上の意味があるのだろうか?」という疑問についてなのですが、ゲノムの解読は「種が(あるいは属が)単系統群かを判断する」ためにやるのではなく、DNAデータベースが存在すると、系藤樹を書くこともできるということですよね。目的を「種が(あるいは属が)単系統群かを判断する」に絞るのであれば、これまでの知見からわかっている変異の起こりやすい領域などを探していく方が早道だと思います。全ゲノム解読が必要というのは、限りなく近い2種であっても区別するためにはという前提で、そのへんは私がアリの亜種間でどれくらいのDNAの違いがあるかというバックグラウンドを知らないからでもあります。
SNPsをデータベース化することの意味ですが、これはもちろんヒトの種の判別というわけではありません(マウスなどを使用する実験ではそういう意味でも利用しているのですが)。例えば、遺伝子領域内のSNPsの違いによって酵素活性の異なるタンパクが出来たりするわけです。それが様々な個体間の性質の差を生むわけです。また、病原遺伝子のSNPsの探索などは古典的(伝統的?)なアプローチでもあります。
読み返しもせず思いつくままに書いたので、かなり読みにくい文章だとは思います。不正確、不明瞭な点があれば指摘してください。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございました。大変参考になりました。

methylさんの回答で、やっと私にもぼんやりとですがCOIという同じ領域で種判別をすることの意味が見えてきました。
どうしてミトコンドリアDNAを使うのかについてもやっとわかりました。(恥ずかしながら、配列を読むのが核DNAより難しいからかなぁ、ぐらいにしか考えてなかった。)
それから、ワーカーからは同定できないアリを、DNAで種判別は今すぐには無理だということも。

本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/06/02 23:02

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