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従属論と世界システム論って何ですか?
また、この2つって比較できるものですか?

A 回答 (1件)

たいした違いはありません。


世界システム論は従属理論を発展させたようなものです。

従属論とは簡単に言えば、
第三世界の貧困の原因を国内の歴史から見ようとしてるのに対し、
システム論ではもっと世界的、国際的な立場から、
国や地域による格差の原因を説明しようと試みています。

ここでは、世界システム論にしぼって話をします。
システム論とは、
ごく簡単にいってしまえば、
「世界はひとつの有機的システムである」という考え方。
たとえば日本社会を見て欲しい。
日本の中心はもちろん東京である。
東京にはたくさんのモノ・人・金が集まる。
なぜ東京にばかり集まるのか。
それは、日本には東京を中心とした一つのシステムが出来ているから、と考える。
ではどういうシステムか。

極端な例を挙げよう。
東京には数え切れないほどの人が住んでいる。
その人たちが毎日生活を送るには、
とてつもない量の食料が毎日必要だ。
でもそれを生産するだけの土地が東京には無い。
それゆえ、日本の各地から農産物が東京に集められ、
毎日大量に消費される。
東京の人がたくさん買ってくれるから、
地方はどんどんどんどん農産物を生産する。
どんどん生産するうち、地方はそれ以外の産業が育たなくなってしまう。
結果、競争力のある商品を作る技術は、一つしか育たない。
そこで、例えば東京の人が急に食の嗜好が変わって、
ご飯を食べる人が激減したとする。
そうなると、いままで東京の人のために米だけを
生産してきた農家は大打撃を受けてしまう。
当然このような産業のあり方は不健全であるが、
他に競争力のある商品を作るノウハウがなかったり、
それにふさわしい資源が乏しかったりする。

ここで、東京=西洋社会、
地方=西洋以外の社会
と当てはめたものがシステム論で、
このような世界システムが歴史的に形成され、現在も存在するため、
第3世界の低開発は結局のところいつまでたっても解消されないというのが論旨。

まあ従属論もシステム論も、
どちらも似たような議論ですが、
現段階ではあくまで仮説にすぎず、
例えばNIESの発展などはうまく説明できていませんし、
9.11のテロ以降は、資本主義経済的な立場よりも、
政治的、宗教的、民族的な立場から国際社会を
見るスタンスが主流になりました。
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