プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

 社会通念上、「悪い?」ことをしたいということではなくて、法律上の興味からお伺いさせてください。
 作者に無断で複製することが禁じられているフリーウエア(それが利用規約に書かれている場合)を、「個人」で友人に複製して渡した場合、どのような問題が考えられますか?
 私(素人)の著作権・民法関係の理解では、以下のように「混乱」しています(書いているうちに混迷を深める…)

1.「私的複製」については著作権との関係では合法。「複製禁止」の利用規約も、「私的複製」の範囲では効力を発しない?
2.複製禁止の「利用規約」に違反する点については、もともと「フリーウエア(無料)」のため、損害が発生すると考えられず、損害賠償請求も成り立たない(成り立ちにくいか?)。
3.あれ?「私的複製」については合法なのだから、無料で友人に複製する分には、もともとの商品代金が有料・無料を問わず、「損害賠償」は発生しないか?

自分なりに整理すると…
A.合法である「私的複製」と、それを禁止する「利用規約」の関係への疑問?
B.「利用規約」を違反した場合の「損害賠償」があるとすればその根拠(法律)は?
C.もとの商品代金が「無料か有料か」の違いで、「合法・違法」や「損害賠償の有無」が変わるのか?

 余計わかりづらくなってしまいましたが、よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

私的複製ってのは自分で使うための複製 じゃないんでしたっけ?



なので、友人にあげた時点で「私的」ではなくなるんじゃ無いかな? と思います。

この回答への補足

ありがとうございます。「私的複製」については、家族「など」の自分の身の回りが含まれるので、少なくとも名前が特定できる「一友人」であれば、「私的複製」の範囲にふくまれるそうです。

補足日時:2005/07/22 01:07
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この回答へのお礼

ありがとうございます。友人に「あげる」のは、「ダメ」みたいです。そうではなくて、友人に貸して、友人自身が「複製」する分にはかまわないようです。ご指摘ありがとうございました。

お礼日時:2005/07/22 18:04

親密な少数の友人にあげる行為なら私的使用ならOKであると言われていますので、今回の質問に答える前提としては、この友人にあげる行為は「私的使用」として許される行為だ、ということで考えてみます。



A.合法である「私的複製」と、それを禁止する「利用規約」の関係への疑問?

利用規定(契約)に私的使用も禁止するという定めがあった場合の効力ですが、これは、私的使用を許す著作権法の定めが強行規定であるかどうかにかかっています。強行規定というのは、契約によってもこれに反する内容の合意をすることができない規定のことです。

著作権法の私的使用が強行規定かどうかについては、はっきりとした判例はありません。しかし、著作権の例外を定めた著作権法の趣旨からいって、私的使用に関する著作権の条文は強行規定だと思います。

したがって、これに反する合意(契約)は無効です。私的使用を禁止することはできません。もちろん、損害賠償を請求することもできません。

B.「利用規約」を違反した場合の「損害賠償」があるとすればその根拠(法律)は?

私的使用は禁止できませんが、その他の規定に反した場合の損害賠償の根拠は、民法です。

第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

例えば「○○のことをしない」というのが利用規定にあるのにその行為を行った場合は、契約違反(債務の本旨に従った履行をしないとき)なので、損害賠償請求ができるのです。

C.もとの商品代金が「無料か有料か」の違いで、「合法・違法」や「損害賠償の有無」が変わるのか?

合法か違法かについての判断は、有料であっても無料であっても変わるところはありません。しかし、損害賠償の有無は、有料か無料かで変わってくると思います。

たとえば、ソフトウェアの違法コピーの場合を例に取れば、商品が有償の場合は、損害の額ははっきりしています。基本的にはその商品によって得られる利益です。自分で作ったソフトなら商品代金がまるまる利益ですね。

しかし、商品が無償だった場合、損害が発生しているという立証はかなり困難だと思います。その意味で、損害賠償請求が認められない場合もあると思います。

この回答への補足

ありがとうございます。おおよそ自分の理解への裏づけとなりました。ところで、#3の方のおっしゃる「使用権」は、どう考えればよいですか?

補足日時:2005/07/22 09:37
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パソコンソフトは、基本的にすべてが


ソフト自体を売買するものではなく使用権を売買します。
その点はフリーソフトウェアでも同じですから
無償のソフトでも、利用規約をないがしろにすれば
使用する権利を剥奪され得ると考えられます。

またこれは使用契約のかたちをとっているため
使用権を私的に増やす権利は無いため
私的複製という観念とは無関係です。

また複製禁止のソフトウェアの複製は
「バックアップとしてのみ認められる」
という判例があったと記憶しています。


またソフトが有償でも無償でも、譲渡の合法違法の判断は
親告罪としての著作権上、著作権者の判断によります。

なお、フリーソフトウェアの場合は
個人間での複製譲渡は再配布と表現するのが普通です。

また再配布を禁止しているものでも
ダウンロードできない状況にある場合など
例外を一切認めないということは少ないでしょう。

最後はカルネアデスの板 :-)

この回答への補足

ありがとうございます。「使用権」は初めて知りました。では、音楽CDの場合には、なぜ「使用権」の売買という形をとらなかったのですか?そうすれば「私的複製」もストップできたのに…、と思いますが???もし、このあたりもご存知でしたらご教授ください。

補足日時:2005/07/22 09:35
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○#3の方のおっしゃる「使用権」は、どう考えればよいですか?



使用権というのは、#2の回答で述べた「合意(契約)」によってユーザーに与えられる権利のことです。どのような形態でソフトウェアを使用することができるか(例えば、1台のみにインストールできるのか、複数台にインストールできるのか、等)を決め、ソフトウェアの権利を持っている人がユーザーにその行為を許可する契約のことです。

正確には、使用権を「売買する」というのは正しくはありません。債権的な権利を与えるものだからです。普通は「使用権を許諾する」と言います。

そして、使用権許諾は契約なので、強行規定に反する規定を置くことはできず、結局私的使用の禁止は認められません。

「複製禁止」の文言は、私的使用や(後述の)バックアップなど、著作権法で(強行規定として)許されている行為のいずれにも該当しない複製を禁止するもの、と解釈されることになるでしょう。

バックアップについては、著作権法第47条の2において著作権のの例外として認められているものです。私的使用とオーバーラップする場合もありますが、そうでない場合もあります。例えば、会社が仕事で使うソフトウェアのバックアップを取ることは「私的使用」にはあたりませんが、47条の2によって許されます。

○音楽CDの場合には、なぜ「使用権」の売買という形をとらなかったのですか?

これはプログラムが特殊だからです。

そもそも「使用権」という言葉は著作権法にはありません。実際には、一定の範囲で複製その他、著作権に規定された著作権者の権利を行うことのできる権利ということです。

音楽CDを普通にCDプレイヤーなどで聞く場合には、そこには何の複製行為も行われません。そうすると、別に使用権を与えなくても、CDを買った人は合法的にCDを聞けることになります。これは、本を買って読むことについて特に使用権が必要でないのと同じ理屈です。もちろんCDをダビングしたり本をコピーすることは、私的使用の範囲を超えれば、当然著作権法違反になります。私的複製を禁止しても、上述のように、法律的な効果は否定されます。このように、契約で何かを決める必要性がないので、使用権という概念は必要ないのです。

ソフトウェアだと、インストールという複製行為が生じざるをえないので、私的使用やバックアップに当たらないソフトウェアのインストールなどをするのに何らかの根拠が必要なので、使用権という概念が必要になるのです。
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この回答へのお礼

何度もありがとうございます。よくわかりました。付随した説明、また、踏み込んだ説明も、ありがたかったです。

お礼日時:2005/07/27 12:07

まず、この事例では、厳密には著作権法30条に定める私的使用のための複製とは認められません。

30条の要件には、使用する者が複製することがあげられています。
使用する者と複製する者が別人であれば、この関係が家族あるいは友人であっても、私的使用のための複製にはなりません。
複製する者が、その複製物を自分と家族等で一緒に使うために複製する場合に、はじめて30条の適用の問題になります。

次に、著作権の権利制限規定の強行規定性が一般に認められているとは、必ずしも言えません。
批評のための引用や、裁判手続での利用など、基本的権利に関わる制限規定について、これを契約で上書きできないということはできると思うのですが、私的使用全般が無条件に強行規定であるとは、実務上も学説上も考えられていないように思います。特に、今回のような場合には、利用者側に、合意に反してまで保護すべき何らかの法益があるとは考えられません。
権利制限規定の強行規定性については、個々の規定、個々の事例に応じて考慮すべきだと思います。

契約が有効に働くとした場合、利用者には債務不履行責任が生じますから、これに基づいて契約の一方当事者としての製作者は損害賠償請求権を得ます。
損害賠償額がどの程度になるかは、そのあとの問題です。結果として、損害が発生しておらず、損害賠償請求ができなかったとしても、債務不履行の関係にあることは変わりません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。私的利用についても理解を深められました。「法益」についても、より勉強していきたいと思います。

お礼日時:2005/07/27 12:08

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