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歴史の勉強をしていますと、「武蔵坊弁慶」のタイプつまり「坊」とついている人と、「勢観房源智」のタイプつまり「房」とがあります。辞書的意味はともに部屋のこととか、お坊さんの名前とかありますが、どう違うのでしょうか?宗派によって違うのですか?今でもこんなタイプの名前をつけているのでしょうか?

A 回答 (1件)

 僧侶の住居する小舎・部屋を意味する「viha<長音>ra」といい、このビハーラを「僧房[そうぼう]」と漢訳されました。

また、それが集まる区画を「僧坊[そうぼう]」といいます。古く都城制で区画された一部を「坊」と称したところから転じて、ビハーラを僧坊とも訳されました。ですので本来は“房は建物”であり“坊は区画”ですが、平安期にはすでにこの両者は混同されて使用されています。
 さて○○房(○○坊)と名乗るのは、実際にそれらの房(坊)に住していることを表す場合、実際に房(坊)はなくても名前として用いる場合。また昔は僧名は「実名[じつみょう]」、「仮名[けみょう]」に分けられ、実名は実際の僧名で普段は用いない、仮名は日常で用いる名前と使い分けられていました。これは人前で名前を口外しないという当時の礼儀によるものです。その際、仮名の後ろに「房(坊)」と付くことが多くみられます。例えば法然上人は「法然房源空」で、実名は源空です。
 現在は法律の関係で実名で戸籍登録するため、仮名を用いることがほとんどなくなりましたが、法会儀式での署名などで一部は使われています。

参考『岩波 仏教辞典』(岩波書店)
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