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L=dr/λでアルミニウムのカメラ長を求めたいのです。面間隔(d)の公式は分かったのですが、ミラー指数の決め方が分かりません。
教えてください。

A 回答 (1件)

電子線回折パターンを解釈するこの式の説明は、たいていの透過電子顕微鏡の教科書に説明されていますし、おそらく「カメラ長 電子顕微鏡」などでネット検索すればたくさん出てくると思いますが、一応説明しましょう。


まず、カメラ長というのは、電子線回折図形から試料の格子面間隔を求めるための装置定数で、透過電子顕微鏡(TEM)の測定条件(普通のTEMではカメラ長が選択できる)が決まれば、ほぼ一定になる値です。
ただ、装置性能から計算で出す値は不正確なので、普通は格子定数が既知の標準試料(金膜の場合が多い)の測定から決めています。
ですから、この質問の場合も、「格子面間隔が既知のアルミニウム試料を使って、TEMのカメラ長を計算する方法は?」と理解します。
標準試料としては、単結晶より多結晶の方が測定・評価しやすいので、回折図形は同心円状と考えます。
この場合、回折が生じる面間隔の大きい順に、逆に回折円の半径は小さい順になりますから、面心立方(fcc)のアルミだと、(111)、(200)、(220)...となっていきます。
ここで、どのミラー指数で回折が生じるかは「消滅則」で決まるので、教科書などで調べてください。アルミのような単純なfccだと、(100)や(110)面間隔には中間にもう一つ等価な面が存在するので、半波長の位相ずれで打ち消し合うと理解出来ますが。
複雑な構造になるととても自力では計算出来ないので、おそらく大学などでは購入している、X線回折用のデータベースを利用するのが便利です。
そうすると、公式L=dr/λのrは回折図形の円の半径、dは試料のその回折に相当する面間隔、λは観察時の電子線の波長ですが、実際の実験ではむしろλL=drとして、λLを定数として求めた方が便利です。
なお、定数を決めるには数個の回折円を使って決めた方が信頼性が高くなりますが、TEMの電子線回折では、半径の大きい回折円では測定原理上誤差が大きくなっていきますので、あまり外側の円は使わない方が良いと思います。
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