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レーザー光線が広がらないのはコヒーレントだからという説明を目にしますが、コヒーレントだとどうして広がらないのでしょうか?
太陽光やテレセントリック光学系の平行光が広がらない理由と、レーザー光線が広がらない理由とは、どのような関係にありますか?
レーザーポインタ等の光学系は、どのような考え方でできているのでしょうか?

A 回答 (3件)

半導体レーザを使ったレーザポインタの光が広がらないなのと、大出力のガスレーザの光が広がらないのは理由が違います。



半導体レーザの光はかなり広がっています(出射光の半値全角は20度×45度くらい)。レーザポインタでは、この光をレンズでコりメートして、ほぼ平行になるようにしています。実際、レーザポインタの中には、半導体レーザとレンズ間の距離を微調整できるものがあって、これを変えると光が広がります(調整して広がりが最小になるようにする)。

一方ガスレーザ等の光はもともと広がりが小さいです。

半導体レーザとガスレーザで広がりが異なるのは、主として、出射端での光の直径(ビームスポットサイズ)が非常に異なるからです。半導体レーザのビームスポットは直径数マイクロメートルと非常に小さいのに対して、ガスレーザはその1000倍もの大きさがあります。小さいビームスポットから出た光ほど広がりやすい(回折広がりによる)ので、半導体レーザの光はかなり広がってしまいます。

半導体レーザもガスレーザも、互いに平行に置かれた鏡の間(共振器)を光が増幅されながら往復することで、レーザ発振している点では同じです。多重反射の間に、鏡の反射面と垂直な方向以外の向きを持つ光は同じ位置に戻ってこないので増幅されず、垂直な方向に進む光だけが選択的に増幅されます。その結果、共振器内部の光は反射面と垂直な方向に進む光だけになります。反射鏡の反射率は100%ではないので、反射鏡の裏面にも光は透過しますが、この透過光がレーザの出力になります。半導体レーザでは、共振器内部では光は平行なのですが、ビームサイズが小さいので、反射鏡の裏面から外部に出たところで広がってしまいます。

ここ(http://www.anfoworld.com/lasers.html)にレーザの構造と発振の原理や、広がりについても詳しく書かれています。
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この回答へのお礼

有難うございました。半導体レーザーも本来は平行光であるものがスポット径があまりに小さい為に回折で広がってしまうわけですね。リンク先もたいへん参考になりました。

お礼日時:2012/11/24 17:39

 大部分のレーザーは、活性媒質を2枚の鏡ではさむ形に構成されていて、媒質を励起して反転分布をつくるための装置がこれに付随しています。



 そのため図らずも、それが出射光の指向性を良くする機構になっています。2枚の鏡の間で繰り返し反射されている間に光の進む方向が自ずから決まってくるからです(幾何学的指向性と呼ぶ)。

 それでもレーザーは光の波である以上、出射後の光が回折現象によって広がっていくことは避けられません。レーザー光で、それが小さいのは、波長に比べて十分大きな範囲で、空間的に位相のそろった(空間的コヒーレンスが良い、と言う)光束となっているからです(物理光学的指向性と呼ぶ)。

 このような光束は適当な光学系によって、狭い面積に絞りこむことができます。

 そのコヒーレントですが、光の干渉ということが基本になって、これがなかなか複雑です。

 光は波動ですから、重ね合せの原理がどの光でも適用され、これによって生ずる干渉現象も必ず存在するはずです。

 ところが、異なる光源から出た光は干渉縞を作らないことや、同じ光源から出た光を二つに分けて光路差を与えて干渉させると、光路差が大きくなるにつれて干渉縞が不明瞭になり、ついには干渉縞が生じなくなることが知られています。

 干渉縞を生じない場合二つの光はインコヒーレント(incoherent、不可干渉)であると言い、一方、干渉縞を作るときはコヒーレント(coheren、(可干渉)と言います。後者の性質をコヒーレンス(coherence:可干渉性、あるいは干渉性)と呼びます。

 光が干渉することは光波の基本性質ですから、すべての光は干渉しなければならないのに、干渉する光とか干渉しない光とかいうのは、理屈ではおかしい。

 これは明らかに異なる意味の干渉という言葉を混用しているためです。つまり、単に干渉という場合の意味は、光の振幅を考え、二つの光を A、B と表せば、これらを重ね合わせたものが A+Bとなるという純粋に理論的なものです。

 ところが、光で使用する受光器は、すべて強度の時間平均を与える自乗検波器であるので、干渉縞が観測されるというのは、合成振幅の自乗の時間平均値Iが、各々の強度の時間平均値の和(I1+I2)と異なるかどうかを言っているものです。

 すなわち、振幅の時間平均強度は、I=〈|A+B|2〉=〈|A|2〉+〈|B|2〉+〈AB*〉+〈A*B〉=I1+I2+〈AB*〉+〈A*B〉ですから(〈 〉は時間平均を表し、A*、B*はそれぞれ A および B の複素共役量)、この式の第3、4項が0となるかどうかを言っているのです。

 第3、4項は二つの光の相互関係を表すもので、これを問題にすることがコヒーレンスについて論ずることを意味します。

 二つの光波 A、B が互いに相互関係がなく、第3、4項が0となる光をインコヒーレント光と言い、干渉縞は生じません。

 二つの光が互いに密接な関係があり、第3、4項が高い値で存在する場合の光をコヒーレント光といい、鮮明度の高い干渉縞が生じます。

 二つの場合の中間の状態の光、すなわち二つの光が少し関係がある場合には、第3、4項が小さい値で存在し、鮮明度の劣化した干渉縞が生じます。

 このような光を部分的コヒーレント光と言います。このように、光の場合には干渉ということと可干渉性との違いに注意しなければなりません。

 なお、レーザーをコヒーレントな光という場合、可干渉性のほかに、位相のそろった波形が長く保たれることも含めているも意味しています。

 この干渉が、光の広がりの原因の一つともなる回析現象となってきます。「なかなか複雑」と断ったのは、こういうことです。もし説明を続けるなら、延々と続けなければなりませんが、割愛します。
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この回答へのお礼

詳しい解説を有難うございました。

お礼日時:2012/12/03 00:07

広がらないのとコヒーレントであることは結果論であって、理由ではありません。


コヒーレントであっても放散する光はありますし、短期間で良ければ
コヒーレントでなくても直進する光もあります。

レーザー光は生成過程で結晶中を電磁波が数え切れないくらい往復して生成されます。
ですから、コヒーレントでない成分にエネルギーロスがあり脱落してコヒーレントに
なり、距離を進んでいるから見かけ上は放散しないようになっています。
太陽光も本来は放散光なのですが、虚位を進んだあとなので放散しないように
見えているだけです。
レーザー光でも100km単位ではかなり放散します。
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この回答へのお礼

有難うございました。レーザーは光が出てくる前に往復して長距離を進んでいるから、平行でない向きの成分は出て来る前に淘汰されてしまうわけですね。

お礼日時:2012/11/24 17:31

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