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 芥川龍之介の「トロッコ」の初めの方に、弟と隣の子と三人でトロッコを押して乗り、麦藁帽の土工に叱られる場面がありますが、彼らがトロッコに乗っていたのはどれくらいの距離なんでしょうか。
 読めば読むほど、考えれば考えるほど分からなくなるのですが……。

※「トロッコ」の本文はたとえば「青空文庫」で読めます。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/169_1 …

A 回答 (1件)

「その内に彼是十間程来ると」


「つき当りの風景は、忽ち両側へ分かれるやうに、ずんずん目の前へ展開して来る。」
「二三分の後、もうもとの終点に」
という線路とトロッコの動きに関する記述から迷われたと考えて書きます。「十間程」ということは18メートルくらいということですから,ほんのわずかな距離です。その距離では風景が「忽ち両側へ分かれるやうに」見えることはないでしょうし,「二三分」もかかることもないでしょう。
確かに矛盾するようにみえます。
トロッコには芥川が下敷きとした実体験を基にした原稿があるとされています。ですから,空想上の工事現場ではありません。現実に成り立つ空間があるわけです。
また,芥川は文章表現に凝ることで有名な作家です。本人が気付く限り,矛盾する描写をそのままにしておくことはないと思われます。しかし,表現に凝るので,逆に本来なら「一,二分」でも音の響きから「二,三分」とした可能性も否定できません。
それらを含めて考えると,二分以下で動く,一八メーター以上の距離,スピードは車での移動に慣れた現在の私たちが考えているよりずっと遅いだろうなどを考え合わせ,,一〇〇メートルくらいとか,そのくらいではないかと私は考えますが,いかがでしょう?
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、引用なさっている三箇所の記述をどう整合させるかという点で迷っておりました。「確かに矛盾するようにみえます」とのことで、まずは私の読み違い・勘違いではなかったようで、安心しました。
 たとえば、後の、若い二人の土工に押させてもらうところには、「五、六町余り押し続けたら」という記述があります。ここも十間ではなく、十町(一キロ余りですね。)だと考えると、「つきあたりの風景は……展開してくる」「二三分の後」には十分な距離だと思いますが、勝手に十町も押すとすると、ずいぶん大胆不敵で不届きな子どもたちのように思います。子どものいたずらとすればやはり「十間」あたりが適当ではないでしょうか。
 私は芥川勘違い説をとりたい気がしますが、妥協できる点をさぐると、やはり「一〇〇メートルくらい」でしょうか。

 なお、「スピードは車での移動に慣れた現在の私たちが考えているよりずっと遅い」というのはは私の思い至らなかったことで、おっしゃるとおりだと思います。質問させていただいてよかったと思っております。ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/30 17:17

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