No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
今まで石油の成因についての証拠を持った理論というのはありませんでした。
石油の中から生物由来を証明する物が何も見つかっていないからです。
にもかかわらず、昔の(私達の頃)の学校教育では、石炭の類推で成因をそのように教育していたわけです。
現在、新しい理論が提起されたり、成因論の見直しが行われている所で、現在、石油の成因を「これである」と言える理論はありません。
>今まで石油の成因についての証拠を持った理論というのはありませんでした。
>石油の中から生物由来を証明する物が何も見つかっていないからです。
私の中の疑問はこのことがベースになっています。
>現在、新しい理論が提起されたり、成因論の見直しが行われている所で、現在、石油の>成因を「これである」と言える理論はありません。
つまり、現時点では成因は不明なのですね。現時点で「不明だ」ということも立派な回答です。私が高校生に時には、疑問を持たずに教師の話を聞いていましたが、「本当にそうだろうか、何を根拠にそのようなことを言えるのか」と考えることも大事だと思います。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
原油が太古の生物群の死骸であるということは広く支持されていますし、現在でもそれ変わらないと思います。太陽エネルギーを炭化水素化合物として蓄えるなんてことは、生物以外にはできませんからね。但し、生物が死ねばその死骸が必ず原油になるというわけではありません。
地球に多細胞生物が発生し、我々がそれを化石として手にすることができるようになった数億年間の間に、生物の大発生と大量絶滅は、まるで周期のように幾度も刳り返されてきたことが知られてします。
現在、原油は様々な年代の地質から採掘されていますが、その約60%が中生代(2億4千700万年~6千500万年前)に生成されたものと考えられています。中生代といえば恐竜の時代ですよね。この頃、地球は生物の活動に適した温暖化の状態でした。一説によりますと、現在採掘されている原油の材料の多くは、この頃に大発生した植物性プランクトンの死骸ではないかということだそうです。
この頃、温暖化に伴う極地氷河の融解による海抜の上昇で、大陸の周りは広く浅海に覆われていました。この浅い海で光合成を行なう植物性プランクトンが大発生し、その死骸が次々と海の底に積もります。本来でしたら、このようなプランクトンの死骸は微生物によってきれいに分解されるのですが、あまりにも大量なために、微生物がそれを分解するための酸素が足りなくなってしまいます。海底が一旦「酸欠状態」になってしまいますと、微生物はそれ以上分解活動ができませんし、死骸は酸化もせずにそのまま地中に埋もれることになります。このようなものが、2~1億年前に掛けて生成された原油ではないかと考えられています。
もちろんこれも仮説でしかありませんが、地上で生物が死ねばそれで良いというのではなく、少なくとも、そこには「大量発生」と「分解・酸化されない」という条件が整わなければ、それは原油にはならないというのは間違いのないことです。中生代には、そのような現象が大規模に起こったということですね。そして、これが1ヶ所に集中しており、尚且つ採掘可能な場所にあるというのが、我々人類がそれを原油として利用するための条件ということになります。
オイル・ショック以来、「原油はあと何年で必ず枯渇する」と言われ続けてきたにも拘わらず、それが度々延長されるという奇妙な増加現象が起こっているのは、新しい油田が開発されたり、採掘技術が進歩しているからであり、決して地球の中から次々と原油が湧き出しているという話ではありませんよね。1億年、2億年掛けて生成されたものをたった200年で消費してしまうというのですから、それ以上続けられるなど、どう考えても計算が合いません。
現在の推定埋蔵量はあと40年ほどとされていますが、飽くまでこれは、採掘コストが1バレル20ドル以下の原油です。広範囲に分散していたり、海の深いところにあるのではコストは合いませんが、採掘技術が進歩すれば開発が可能になりますし、20ドル以上のお金を掛けても良いというのであればざっと80年分という試算があります。
これもどのように変更されるかは分かりませんが、いずれにしても、現在のペースで原油の消費を続けるならば、40年後には原油の高騰による経済の混乱は避けられないわけですし、80年後には間違いなく「売り切れ御礼」ということになるのだと思います。
>原油が太古の生物群の死骸であるということは広く支持されていますし、現在でもそれ>変わらないと思います。太陽エネルギーを炭化水素化合物として蓄えるなんてことは、>生物以外にはできませんからね
これが、生物由来の考え方の基礎ですね。引用した部分の下のほうに詳しい解説をありがとうございました。高校生に時には、かなりこの回答で納得できたのですが、最近の私には疑問が出て来ました。また、原油の価格によって採掘される原油の量が変るとのお教えも参考になりました。
No.1
- 回答日時:
下記を見れば、教科書の間違いがわかるでしょう。
**************
石油の成因について質問させていただきます。
最古の石油は、今から20億年前に三葉虫などが堆積して形成されたという話を聞いたことがありますが、そのような説は実際にあるのでしょうか? あるとすればその論文などを教えていただければ幸いです。
三葉虫は古生代(約5億4千万年前~2億5千万年前)の生物ですから,20億年前には まだ地球上に出現していませんでした.ですから,ご質問を「20億年前の地層から石油ができたか?」と「三葉虫などの動物から石油ができたのか?」という2点に分けて回答させて頂きます。
まず,「20億年前の地層から石油ができたか?」ですが,現在確認されている最古の石油は14億年前のものです.それ以前の地層からも石油ができたかもしれませんが,現在鉱床や油徴として確認されていません。
ほとんど例外なく,石油は地質時代の生物の遺骸が,長い年月の間に熱を受けて,化学反応を起こしながら変質したものです。元となった生物は時代によって異なる場合があり,主に菌類や藻類しか存在しなかった先カンブリア代(約5億4千万年前以前)では,これらが起源になったと考えられます。この時代の地層を分析した例では,含まれる有機炭素量にはかなりバラつきがあるとのことなので,良好な地層からは当然石油ができたと想像されます.しかし,長い年月の間の地殻変動で,多くの鉱床は破壊されてしまったのでしょう。
したがって,「最古の石油は20億年前」ということであれば,誰かが新たに発見(発表)したものか,またはその可能性を報告したものか,あるいは何かの間違いということでしょう。
次に,「三葉虫などの大型の動物から石油ができたのか?」ということですが,食物連鎖から明らかなように,生物は一次生産者から高次の消費者になるに従って,その数,量ともに減少します。結果的に,地層に取り込まれる有機物も,一次生産者である藻類や陸上の植物片の量が多くなります.したがって,石油の多くもそのような生物に由来しています.また,動物の肉体組織がそのまま地層中に保存されることはなく,細菌によってほとんど分解されますので,分解で生成した化合物がやがて石油に含まれるようなことがあっても,ごく微量であり,それを識別することもできません。
したがって,大型の動物から大量の石油ができたという可能性はほとんどありません。
なお参考文献としては、石油関係のデータベースによれば、上記の14億年前の油に関する報告(オーストラリア北部のMacArthur basin)が、ロシア語では出ているようですが詳細はわかりません。
また総説としては、Petroleum Geochemistry and Geology second edition,John M. Hunt (出版社)Freeman 例えば p.13 -18 が参考になるかと思います。
一般向けとしては、「地球ってなんだろう 環境変動46億年のメッセージ 」鈴木宇耕 ダイヤモンド社 が参考になるかもしれません。
>ほとんど例外なく,石油は地質時代の生物の遺骸が,長い年月の間に熱を受けて,化学>反応を起こしながら変質したものです。元となった生物は時代によって異なる場合があ>り,主に菌類や藻類しか存在しなかった先カンブリア代(約5億4千万年前以前)では,>れらが起源になったと考えられます。
私が知りたかったことはこの部分です。やはり生物の遺骸が熱や化学反応をおこしたと思われるのですね。ご回答ありがとうございました。
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